
■劇団息吹Iさん手作りお面(本物の胡粉)と、台本。
『闇に咲く花』(井上ひさし作)
物語は、戦後すぐの焼野原、靖国神社近く。
その高台に、大きな御神木に囲まれた素朴な【愛敬稲荷神社(あいきょういなり)】が人々の憩いの場としてひっそりと建っている。
思いやりの深い神主が日々近所の方々と食べていく算段・奮闘をし、神様そっちのけである様がとても滑稽に描かれている。
一見理不尽とも思えるC級戦犯を通して、日本人として近隣諸国にどう責任をとっていくのか。
神社が打つ“平和の太鼓”が「体制に取り込まれ、戦争に駆り立てたのと同じ」であること。
本来の神社の存在意義と違っていることを指摘している。
――神社は道端に咲く名もない小さな花なんだ――
神様の申し子のセリフに、そうあって欲しいという願いが込められている。
未来のNさんに、「『闇に咲く花』とは何でしょう」と謎かけをされた。
そこで上のセリフが思い出された。良いセリフだらけですっかり見落としていた。
井上ひさし作品はセリフのテンポが良く、【井上ひさしマジック】なる罠(?)が存在するらしい。
2016.3/26(土)息吹さんの合評会にて。
登場人物が順繰りに話す時、テンポに引っ張られて裏にある個々の人生が出しにくい。
アンサンブルに加えて、ポイントポイントで個性を際立たせる必要がある。
核心をぼかした曖昧な表現をとっていて、分かったような分からないような内容が存在する。
どの人物も大きな矛盾を抱えていて、混沌とした状態で現在に至っているように描く。
GHQが日本を強権的に支配していて、その社会背景が大前提。
などなど面白い話が沢山聞けた。
今回、知的で楽しいお芝居に関われたことが本当に良かった。
いつもの如くT子ちゃんに練習につき合ってもらった。
劇団息吹の方々、ご観劇下さった方々、ご協力頂いた方々、その他の方々、大変ありがとうございました。
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