私は仕事に行こうとしていたのだが、どうにも気が進まなかった。妻に気取られないように平静を装って家を出たが、石畳の街を歩きながら、目に入った仕事上の、ちょっと深い知り合いの建物に入っていった。(実際は、石畳の街なんてないし、車で出勤しているのだが) 知り合いは私を微笑で迎えてくれるのだが、やはり仕事をしていて忙しそうだった。仕事のような、そうでないような話をしながら、やっぱり悪いな、と思いつつ数十分を過ごし、結局「気が重いけどやっぱ行くわ」と言ってそこを出た。石畳の道をくねくね曲がりながらぶらぶら歩いていると、また別の建物が目に入った。そこにはすっきりとした中年のこぎれいな女性が、幼い子供を預かって世話をしていた。「あら」というふうに彼女は迎えてくれたが、やはり仕事に忙しそうだった。私は子どもの世話をしている彼女のようすを見つめながらまた数十分を過ごし、時計が11時を過ぎるのを確かめて、「あ~、今日は気が重いんや」と苦笑い気味の顔で彼女を見て言った。心の中では、このままずる休みしてしまいたいという気持ちでいっぱいで、でも踏ん切れないので彼女に後押ししてもらいたかったのだ。それは「行け」でも「休め」でもよかったのだが、彼女は子供に笑顔を向けたままそそくさと奥の部屋に入ってしまった。私は内心、ぶしつけに甘えようとしたことを恥ずかしく思う気持ちと、もう少しは許してもらえると思っていたのにそうではなかった現実に少しばかりの孤独感とを抱いて、その部屋を出た。道に立って、やっぱりずる休みしようと決めた私は、前に尋ねた知り合いを再び訪れ、電話を借りようと思いながら言い訳を考えていた。
そこへ妻の声がした。「お父さん、もう時間よ~」
返事をして、5分ほどの間に徐々に覚醒していく頭の中で、月曜日の朝であることを認識して、「さあ行こう」と起きあがったのだった。この夢の間に、残アルコール感はほとんど消え去っていた。
こうして今朝も無事に出勤したのだが、この夢、無意識下の私は仕事をいやがっているのかなぁと思う。そりゃあ楽しくないことも多々あるけれど、今年は「行きたくないなぁ」と思う朝は全然ないのに。
自分の気付かない自分がきっといるんでしょうな。
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