さて、すこし路線を変えた作品をひとつ。
1940年9月にイタリア領リビアからイギリス領エジプトへ侵攻したイタリアは、イギリス軍の返り討ちにあい、逆にリビアに攻め込まれ、同盟国のドイツに泣きついた応援を要請し、これにドイツが応えるかたちでアフリカ軍団が誕生するわけです。
元々、いくつかの降下猟兵部隊をまとめて旅団に編成し、イギリス領マルタ島での作戦に投入する予定でしたが、攻撃が中止され、“アフリカ降下猟兵旅団”としてドイツアフリカ軍団(DAK)に編入されます。その後1942年4月、“ラムケ降下猟兵旅団”として再編成されます。
当時も現在も各国の空挺兵は士気・練度が高く、精鋭部隊として認知されています。
第2次大戦時、ドイツではラムケ旅団をはじめ、第1降下猟兵師団等ありますが、大戦末期は空挺降下する機会はなく、精鋭歩兵部隊として各戦線に投入されます。
米軍はノルマンディー上陸作戦やマーケットガーデン作戦(映画「遠すぎた橋」の舞台)で有名な82空挺師団や101空挺師団がありますし、英軍はマーケットガーデン作戦で全滅寸前になった第1空挺師団があります。
現在も空挺部隊は各国ありますが、パラシュート降下は無音潜入等の特殊部隊の作戦が中心となり、大規模な空挺作戦はヘリを使った強襲降下になっています。
さて、このラムケ旅団は1942年10~11月の第二次エルアラメイン戦で、主力部隊が壊滅状態で敗走したため、イギリス軍に包囲され、車輌不足のため徒歩での撤退を強いられます。その道中、イギリス軍の補給部隊から車輌と物資を奪い、敵陣を350km突破し、友軍に合流するという武勇伝を作ります。
その後、第1空軍武装猟兵旅団に改変され、1943年5月のアフリカ装甲軍の降伏まで戦い、消滅します。
キットのキューベルワーゲンは、組み立てやすく、付属の降下猟兵もいい味を出してます。このキットだけで簡単なジオラマができます。
ひと手間加えて、武器のスリングがあればいい感じになります。(私は紙で自作しました。)
個人的な不満を言えば、車両の助手席に座ってる士官の偉そうな態度が気になります。(笑)
車両の塗装は、ネットの作例や当時の白黒写真を参考にして、下地をジャーマングレイに塗装後、下地を残しつつ、ダークイエローをエアブラシします。
そのあとは、ダークイエローとジャーマングレイの混合率を段階的に変えながら(最初はダークイエローが多く、最後はジャーマングレイが多くなるよう)ドライブラシを繰り返します。
とくにドアハンドルや昇降時に擦れるような箇所は強めにやります。
ジオラマベースは、100均の写真フレームにスタイロフォームを貼り付けて、熱帯魚の水槽ろ過用ゼオライトをタミヤのテクスチャーペイント(ライトサンド)に混ぜて塗りつけてます。
北アフリカって砂漠のイメージが強いのですが、当時の写真とか見ると意外に石が多く、ガレ場っぽい場所が多いです。
現在、また懲りずに2キット(厳密には3作品かな)作成中ですので、機会をみて投稿していきます。