※ご注意:今回のウンチクは長めです。
興味がない方意味がよくわからない方は、記事をスルーしてください。
このモデルは、香港ドラゴンモデルズ製のTIGER1(初期型)です。
先の記事「タミヤ 1/35 TIGER1 極初期型」のバージョンアップ型です。(比べて見ると、細かな違いがわかるはずわかります。)
因みに“ティーガー”はドイツ語読み、“タイガー”は英語読みです。
脱線しますが余談ですが、ウクライナの首都は現在“キーウ”と呼ばれてますけど、ロシアの侵攻前は“キエフ”と呼ばれてました。これも“キエフ”はロシア語読み、“キーウ”はウクライナ語読みの違いによるものです。読み方の変更は、もちろんロシアの侵攻に対する抗議とウクライナ支援の一環によるものです。
このメーカーさんのキットは、かなり拘りが強く、タミヤさんのキットでは省略・簡素化される細かな箇所まで再現されてます。
聞くところ、某日本メーカーの技術屋さんを雇用されて、商品企画、マーケティング、設計、生産等、格段に商品レベルが向上したとのこと。
たしかに、痒い所に手が届くような商品力です。
一昔前の戦車モデルは、タミヤさんのほぼ独占市場でした。(ニチモさんとかバンダイさんとかのマイノリティモデルもありましたが…。)
その後、1980年頃から(間違ってたらすいません)外国製(エッシーとかイタレリ等)の通泣かせキット(当時は国産で商品化されてなかった4号F2型やSd.Kfz.10/4 など)が輸入されるようになりました。
が、さすがイタリア製金型が悪いのか、生産品質が悪いのか、たまたまそのロットがハズレだったのか、本格的な修正作業が必要なほどパーツ精度が極悪で、ほぼジャンク品のような商品もありました。
当時、1ドルが250円前後でしたから、ガキが子供が少ない小遣いを貯めて、高額なジャンク品輸入品に手を出すことは、ハイリスク・ハイリターンの先物取引博打のようでした。
さて、この131号車は1943年北アフリカ戦線のチュニジアで連合軍に撃破、鹵獲されたものをレストアし、世界で唯一走行可能なティーガーとして、イギリス ボービントン戦車博物館で展示されています。
この車両は映画「フューリー」に実際に登場します。
映画の設定は1945年4月なので、本当なら後期型であるべきなんですが、この車両は初期型です。…ま、映画なので、しょうがないです…実物のエンジン音が聞けて、走行している姿を拝めたたけでも有難いものです。
でも、ブラピかっこええ!的なあのラスト20分はありえんなぁ…って思うんですが…。
このキットでは、千鳥配置されている転輪の第一転輪外側が外されています。
この千鳥配置の目的は接地圧の分散・低減ですが、逆に整備性を悪くし、泥や雪が詰まって動かなくなることがあり、現場では不評だったため、このような転輪外しがされたようです。
タミヤのキットと比較して、キューポラ内側のペリスコープの再現(キューポラ内側なんて誰もジロジロ見ないと思うけど)や前面装甲のボールマウント機銃横にある防水カバー留め具を小さな別パーツ(老眼いじめ)にしたりと、細かい拘りがわかります。
なので、拘りのある方が作るには満足できるキットと思います。
(私はタミヤさんくらいがちょうどいいかも)
キットは下手に弄らず、ストレートに組んでます。
一応、エンジングリルにタミヤのエッジングパーツ、キャタピラにモデルカステンの可動式を使用しています。
塗装は、ガイアノーツのダークイエロー1(ドゥンケルゲルプ1)とオリーブグリーン(オリーフグリュン)を使ってます。
ガイアさんの塗料の色は、当時のカラーチップから忠実に色再現しているらしく、値段は少々お高いですが、何となく満足感は高いです。
このドイツ軍の基本色といえるダークイエローの色調について、かなり深~く検証をされている先輩もいらっしゃるので、興味がある方は一度ご覧になってください。かなり面白い内容ですが、私には深すぎてどうでもいいここまでの検証はできません。
(結局、ウェザリングで汚すんだから、拘る必要ないんじゃないっすか?)