![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/1a/caa5569f6207506455b811299b344345.jpg)
今回の記事はミクロラスボラ・ハナビの繁殖の後編です (「前編」はこちらです)
ハナビの繁殖には元気な親の確保が必須なのですが(繁殖狙いの場合少なくとも10匹は必要ですね)ネオンテトラのようにどこのショップに行ってもいつでも売られている魚ではなく 売られていても状態が良いとは限らず値段も結構まちまちです。ショップに入荷したてだと腹がへこんでいてへろへろでペラペラな状態の場合が多く かといってしばらく様子を見てから買おうとすると売り切れてしまっていたりします。
よって リスクはありますが入荷したての魚を買うことになるのですが そのへろへろが買って大丈夫なへろへろなのか もうだめな状態のへろへろなのかの判断が必要になります。水面近くでフラフラしている魚が何匹もいるなど いかにもダメそうな魚が目立つ時は要注意です。
♂♀を判断できない魚を買う場合、色が出ているものや形が良いものや大きいものばかりを選んで買うと♂(オス)ばかりまたは♀(メス)ばかりになる可能性があるので 私は「中ぐらいの大きさのものを ○匹(○匹→10匹以上の数)掬って下さい」とショップの方にお願いするようにしています。こうすればまあまあの割合で♂♀が混ざります。ショップで売られているハナビは本来の色が出ていないやや小さめの場合が多く 細めで色がはっきり出ている個体を選ぶと♂の確率が高く 大きめの体高のある個体ばかりを選ぶときっと♀だらけになります。
ハナビは食が細く人工餌になれていないことも考えられるので 買った個体がやせ細っている場合はブラインシュリンプを与えると餌食いが良く早く復調します。
あとは体調を崩さないように育てるのですが 育成時からハナビのために小さくてもいいので水槽を1本準備して単種飼いで育てます。
餌の与えすぎに注意しながらこまめに水替えをしていれば水質にはそれほど敏感な魚では無いので元気な成魚になればやがて産卵するようになります。
ブラインシュリンプで育てると成長が早くサイズも揃うので後々の管理が楽になります ブラインシュリンプだと与えすぎてもしばらくは生きているので底に溜まったブラインシュリンプをスポイトで吸い出すかレッドラムズホーンやモノアラガイに処理してもらいます。冬場はブラインシュリンプを孵化させるのに温度を保つ工夫が必要で毎日準備をするのも面倒な作業ですが 手間に見合うだけのメリットがあります。
人工飼料でも育てることができるので自分の飼育スタイルに合った方法で育てれば良いかと思いますが ハナビは食が細いうえ餌を与えるとすぐに寄って来て急いで食べまくるようなことはないので 稚魚の数が増えてくるとどうしても餌を与えすぎてしまい 水の汚れが気になるのでブラインシュリンプで育てる方が気分的にも楽だと思います。
私は 泳ぎ始めの頃に気休め程度にほんのちょっとのベビー用の人工餌を与えていたのですが ブラインシュリンプのみでも育っているので今はベビー用人工餌は与えていません。少し大きくなってきたら冷凍赤虫も与えています。
ブラインシュリンプで育てると 約3ヵ月で2cmほどの大きさに育ち 色が出てはっきり♂と分かる個体も出てきます。
生まれたてのハナビの稚魚はとってもデリケートです ネットで無造作に掬うと致命的なダメージを与える場合があるので慎重にそっと掬ってそっと放つようにします。
生まれてきた50匹ほどの稚魚の中にベリースライダーと思われる個体が数匹見つかりました。
ベリースライダーとは浮き袋異常で自由に泳げずに底をはいずりまわるように泳ぐ障害のことで 卵生メダカ以外では見たことはなかったのですがハナビでも出るようです。浮き袋による浮力が無いので泳ぐ時は立ち泳ぎのような状態になり泳ぐのをやめると底に落ちるように沈みます お腹がへこんでいる場合が多く 原因はよく分からないのですが治ることはありません。
生後3~4ヶ月のハナビが20匹ほど入っている水槽(45cm)で稚魚が泳いでいるのを見つけました 早くも卵を産み始めたようです。4ヶ月で成魚になるのなら1年間で3世代です!
ショップで買ってきた5匹の親は未だにいつも物陰に隠れていて餌を与えても出て来ないので普段は何匹いるのかさえ分かりません。うちの水槽で生まれたハナビの稚魚は結構泳ぎ回っていて餌を与えると寄って来たりしますが大きくなるにつれ物陰に隠れるような行動をとるようになるので残念ながら人慣れして餌を求めて寄ってくるようなことは無さそうです。
水槽をリセットして水が新しくなっても一週間後には稚魚が泳いでいたりするので いくつもの条件を維持していないと卵を産まないような気難しい魚ではなく元気であれば卵を産み続けるようなのであきらめずに定期的な換水で維持して元気な親に育てることができれば繁殖はそれほど難しくはないと思います。
今回 私は「ハナビ」の繁殖について殆ど予備知識が無かったので 大きいめの水槽で水草(ウィローモス)をたっぷり入れ自然繁殖的な方法をとりましたが
・卵を少しづつ産み続けるタイプの魚であること
・卵が粘着卵では無く水に沈むこと
・卵から孵化しても泳げない時期が数日間あること
・卵から孵化してブラインシュリンプを食べられるようになるまでに1週間程度かかること
などから
粗めの砂利を薄く敷いて(稚魚や卵の隠れ場所を確保するためです)ウィローモスを入れた繁殖用水槽を2本用意して片方の水槽に親を入れて産卵をさせて1週間後に親の方をもう一方の水槽に移して産み落とされた卵の孵化を待つ という方法を繰り返せば手間も少なく繁殖させることができるのではないかと思い30cm水槽を2本準備しました。砂利の代わりに底に敷いてある濾材は「キョーリン ゼオコール」です。
とりあえず 色の出ている♂とお腹が膨らんできている♀を計10匹ほど入れてみました。思惑通りたくさん稚魚が生まれるとうれしいのですが。
水草水槽でたくさんのハナビが泳ぐ日は近い…かな?
でも人の気配で寄ってくるようなことは無いだろうから たくさんハナビを入れてもどこにいるか分からないかも。
うちの4匹のハナビ(オス2、メス2)は相変わらず元気ですが、混泳水槽の影響か稚魚にお目にかかることができません。
それにしてもmizuwarabiさんとこのハナビは素晴らしい体高ですね。まさにコイって感じです。
新水槽での繁殖がうまく行って、スターマインの如くハナビで埋め尽くされると良いですね。
成長が遅いので結構気を使います。
小食なので 餌のやりすぎ→水質悪化→全滅 と最悪の状況にならないように気を付けています。
今回の画像は全てうちで生まれた魚で まだもうひとまわり大きくなりそうですが体高があるだけではなく太めです。
サイズのバランスも絶妙で、
極緻密なミニュチアみたいな印象があります。
たくさんの数をいっぺんに見た事が
無いので楽しみです。
先天的に浮き袋に障害を持つ物がいるのですね。
病気で浮力調整がおかしくなった魚を
看取った事がありましたが、
見ていて辛そうで悲しかったです。
先天的なものなのか水槽環境などに原因があるのか分かりませんが その後も浮き袋異常の稚魚が生まれていて生育途中で出る個体もいます。
ブラインシュリンプを多めに与えているので餌は食べられているようで今のところ成長は遅いものの育っています。
買った時の親は栄養状態が良くなかったので体形が崩れていてそれこそイワナのミニチュア版に見えましたよ 今はメタボ気味ですが。
teruki1997と申します。
今週から僕もHANABI繁殖狙いを始めまして、cheepappaさんからご紹介を受けて遊びに来ました!
これだけレポートいただいていると試行錯誤も少なくて済みそうで大変助かりました。
今後もちょくちょく遊びに(勉強に)来させていただきますので、どうぞよろしくおねがいします!
長文を読んで下さって ありがとうございます。
産卵床のウィローモスは水槽内でそっと容器で受けてから取り出すほうがよさそうです。卵は小さく透明なのでよく見ないと見つけられませんよ。
私もハナビの繁殖を手探りで始め、今1センチ弱の稚魚が50匹ほどいます。
こちらのブログは大変参考になりました。
写真もとてもきれいです。
私はなかなかうまく撮れなくてブレまくりです。
うちのハナビは夏に産卵が止まったまま まだ産卵を再開しません。
ハナビはじっとしていないし物陰に隠れるので写真を撮りにくいですよね。
実はあまりにも出てこないので小さなプラケに入れて撮ってしまいました。
…なので 写真を褒められるとちょっと恥ずかしい!
半日水槽に張り付いて撮っていたのにピンボケばかりでした。
コメントありがとうございます。
ベリースライダーは原因がよく分からないので対応が難しいのですが 餌は 人工餌も少量ですが与えていました。
ただ 見向きもしない餌もあれば慣れれば食べる餌もありました。
ハナビは口が小さいのか 与える餌に苦労する種類の魚ですね。
混泳水槽だと残餌をコリドラスなどに食べてもらうという手もありますが 魚の数が多い育成水槽ではなかなか難しいものがあります。
ベリースライダーは50~100匹生まれて数匹程度の割合なので 原因を突き止めるのは難しいと思います。
親の食べる餌に関係するのか 遺伝的なものか 卵のときの環境が影響するのか…。