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ペットボトルの蓋の加工 その3

2010-02-21 15:37:04 | ペットボトルの蓋の加工

以前に シリコンチューブをパッキンとして使った方法を紹介したのですが「接着剤を使わないので作ってすぐに使える」という特徴があり 記事を書いた時には結構反響がありました。
私はこの方法が気に入っているのですが 長期間使用しているとジョイント部分の隙間から微量の漏れが発生することがあります。ジョイントを少しずらせば解決するので中身の交換時にジョイント部分をグリグリと回しながらチューブの位置を少しずらして 漏れを未然に防ぐようにしています。

出来れば蓋とジョイントをしっかり接着してしまいたいのですが実用的な接着剤が無いので手っ取り早く溶かしてくっつけてしまおうと いろんなチューブをバーナーで炙って蓋に押しつけてみたのですが相性の良い素材は見つかりませんでした。

その後ネットで調べていて ペットボトルキャップには ポリエチレン製とポリプロピレン製があることを知りました。
ポリプロピレンとポリプロピレンなら融着(溶接)出来るはずです。ところがポリプロピレン製のパイプ(チューブ)を探したのですが適当なものが見つからず どうしても試してみたかったのでネットショップで5mm(内径3mm)のポリプロピレンチューブを購入しました。
手元にあったペットボトルキャップで試してみたのですが融着せずあっさり外れてしまいました キャップがポリエチレン製だったようです。手当たりしだい試してみたところ しっかりとチューブが融着するものもありました。ポリプロピレン製のキャップ×ポリプロピレンチューブなら実用的な強度の『漏れないキャップ』を作ることができます。 …が どれがポリプロピレン製のボトルキャップなのか区別がつきません(どなたか簡単に区別ができる方法をご存じないでしょうか?)ラベルの表示を見てもキャップについては「プラ」と書かれているだけです。
キャップには滑り止めのギザギザがあるのですが 細かいギザギザのキャップがポリプロピレン製の確率が高いようです。私が試した範囲では粗いギザギザの蓋はポリエチレン製でした。


材料と工具

ポリプロピレン製のペットボトルの蓋
ポリプロピレンチューブ(外径5mm×内径3mm)
小型のガストーチまたはターボライター
3mmの金属製の棒かパイプ(冶具として使用)


作り方

その1
チューブの断面とキャップの接着したい部分を加熱して溶かします(この時点ではキャップに穴はまだ開けていません)
チューブをキャップに押しつけて融着したらそのまましばらく固まるまで待ちます。
チューブを適当な長さに切り ドリルなどで中に穴を開けて完成です。

冷えてからチューブを引っ張ってみて簡単に外れるようならキャップがポリエチレン製です。一部分が溶けてくっついた状態なら溶かし方が足りません。

接着する面を両方とも柔らかくなる程度ではなく 溶かしてから押しつけるのがコツです。

ポリプロピレン製のチューブさえ手に入れば作るのはとっても簡単な方法です。最初は何個か失敗するかもしれませんが要領が分かればそのうち実用品が作れるようになります。


その2
その1の方法だと接続部分の強度に多少不安があるのと 化学反応式に使う場合はチューブが蓋を貫通している必要があります。 こちらは作り方がちょっと複雑になりますが補強を加えた製作方法です。

蓋に5mmの穴を開けポリプロピレンチューブを通します。



チューブには直径3mmの熱に強い棒(今回はアルミパイプを使用)を差し込んでおきます。
チューブを柔らかく溶かすのでこの棒をガイドとして使います。完成後に抜き取るのと作業工程でチューブを少しずらすのででチューブの内側にシリコンオイルなどを塗って滑りやすくしておきます。

チューブと穴が接している出来るだけ狭い範囲を溶けるまで加熱します。チューブは溶けて流れ出すぐらいまでしっかり加熱します。
チューブをキャップ方向に押し込むと溶けた部分が広がりながらキャップに融着します。融着部分をふたたび加熱してチューブが溶けてきたらまたチューブを押し込みます。基部が団子状になるまでこの作業を数回繰り返して補強します。




溶かし方が足らないと鏡餅状orビバンダム状(ミシュランタイヤのマスコット)になります。完全に冷めてからアルミパイプを抜き取ってチューブの長さを切りそろえてできあがりです。










何度も書きますがポイントはチューブとキャップの両方ともバーナーで十分に溶かしてから押しつけることです。ただしキャップは熱しすぎるとチューブを押しつけた時に凹んでしまうので高温で短時間加熱で表面のみを溶かします。

手元にあったバーナーなどで試してみましたが ホームセンターで買った¥95の使い捨てのターボライターが炎が細くオススメです。ただしすぐに圧力が下がって炎が小さくなるので 何個か買ってローテーションで使うと作業効率が上がります。

ボトルキャップは上面全体が波打つほど溶かしてしまうとボトルとの間に隙間ができて漏れの原因になります。できるだけピンスポットで上面中心部分のみを溶かします。

同じロゴが印刷されている蓋でも中にはハズレ(ポリエチレン製)があったりするので 作り終わってチェックをするとあっさり剥がれてがっかりすることがあります。
失敗やハズレがあるので 意外にポリプロピレンチューブを消費します。



最近ペットボトルの蓋の材質ががやたら気になり コンビニで飲み物を買うのに中身ではなくキャップで選んでいたりします。


コメント (11)    この記事についてブログを書く
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (TAKE☆)
2010-02-25 23:08:10
奥が深いですね。

アセトンでプラスチック溶かしちゃったことありましたね。
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出来栄え (mizuwarabi)
2010-02-26 19:04:13
TAKE☆さん

溶かして作るので見た目がもう一つで 慣れるまでは失敗作も結構できます。
完成度は低いのですが「漏れない」という安心感はあります。
返信する
Unknown (TAKE☆)
2010-02-26 20:46:35
なるほど。

最近自作タブレット作ろうとしたら、浮き草が腐りました。
春を感じた瞬間でした。
返信する
度々すいません (TAKE☆)
2010-02-26 21:37:11
相互リンクお願いできないでしょうか?

ゴールデンアイゼブラシュリンプ・ダークブルー(最後DBでも構いません)

よろしくお願い致します。
返信する
リンク (mizuwarabi)
2010-02-27 19:20:29
TAKE☆さん

リンクの件 了解です。
よろしくお願いいたします。
返信する
ありがとうございます。 (TAKE☆)
2010-02-28 08:26:15
よろしくお願い致します。
返信する
はじめまして (トゲ)
2010-06-26 09:54:06
こんにちは。いつも参考になる記事を楽しく拝見しています。
ガスが漏れないペットボトルのフタですが、私なりに絶対に漏れないフタを作ることに成功しましたので報告させていただきます。
用意するものは5ミリABSパイプ(ハンズで購入)と5ミリドリル、それと出来ればリーマーです。
やり方はフタに開けた3ミリ程度の穴を4.8ミリ程度までリーマーで広げ、5ミリドリルで穴をさらい5ミリパイプを挿し込むだけなのですが、5ミリパイプが正確には5.15ミリあることが成功のポイントです。

ペットボトルのフタのような軟質樹脂に対し、正確な5ミリの穴を開け、そこに5.15ミリのプラパイプを挿し込めば、樹脂の柔らかさを利用した極めて密閉度の高いフタを作ることが出来ます。

これだけだと信じて貰えそうにないので密閉度の実験をしてみました。
空の2リットルペットに上記の方法で自作したフタをセットし、先をきつく結んだシリコンチューブを繋ぎます。
フタとシリコンチューブを水槽の水の中に浸して、片手で思いっきりペットボトルを潰し圧をかけます。
これで気泡が漏れれば密閉されていないことになります。
結果、成人男性の私が両手で全力で潰してもペットが凹むだけで気泡の一粒さえ漏れませんでした。

この方法では確実にしかも楽で低コストで漏れないフタを作ることができるので是非試してみてください。
長文失礼致しました。
返信する
補足させてください (トゲ)
2010-06-26 10:22:23
ちょっと分かりにくい箇所があると思うので補足です。
5.15ミリのパイプと上に書きましたが、商品としては「5ミリABSパイプ」という名で売られているものです。
プラパイプやプラ棒は一般的な二面式金型で整形すると正確な円柱にならないため、ところ天のように穴の開いた型から熱した樹脂をにゅうーっと出して整形するのですが、樹脂が冷えて固まった際に収縮するため、プラパイプの精度は若干狂います。
そのため5ミリABSパイプと言う名で売られていても実際は数%の誤差があるのです。
買う際は精密ノギスで図るか、5ミリの穴をあけたプラ板等を持参し、パイプがこれに通らないことをテストして買うといいです。
それと5ミリドリルですが、あまり売っているところを見かけませんが、取っ手付き5ミリのハンドドリルもあります。
返信する
5mmパイプ (mizuwarabi)
2010-06-26 11:42:49
トゲさん はじめまして

穴よりほんのちょっとだけ太いパイプというのがポイントでしょうね。
実は私も同じようなことを試したことがあるのですが小さめの穴にむりやりパイプを差し込んだので数日後に蓋にひびが入って漏れていました。ほんのちょっと太めのパイプには気がつきませんでした。

圧力テストですが…
ボトルを握る方法では思ったほど圧が上がらないので 私は高圧をかけたい時はエアーダスター(パソコンなどのゴミを飛ばすスプレー缶)にシリコンチューブをつないで使っています。 ボトルに水を2/3ぐらいまで入れておくと少量の注入で圧力が上がります。チェック中にジョイント部分を上下に押してみたりぐりぐりまわしてみて漏れないかチェックします。実際の使用時にはジョイント部分に横方向の応力がかかることがよくあるので必須のチェックです。

また 情報があれば教えてください。
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Unknown (トゲ)
2010-06-26 12:30:29
お返事ありがとうございます。
上記の方法で作った発酵式CO2は半年間くらい使い続けたのですが、臭い漏れやガタツキはありませんでした。
砂糖水の補充が面倒くさくなってやめてしまいましたが・・・

ぐりぐり回してテストですが、今やってみたところ、ガッチリフィットしているのでパイプは動きませんでした。
私のところでは、パイプ基部が横方向に力のかかる環境にペットボトルを置いていないのでこれでも十分でした。
(私は、ぷくぷくと発生するCO2ガスがパイプの中を通って、フタとパイプの隙間から漏れない程度に密閉できれば成功と考えていますが、mizuwarabiさんの理想のフタはさらに上でしょうか?)

これは何となく今思いついたのですが、真鍮ハトメでペットボトルのフタをカシメて金属パイプを通しハンダ溶接もしくは接着しちゃうとか、想像が膨らみます。

それと先程送らせた頂いたメッセージにリーマーだと穴にテーパーがかかってしまって密閉度が落ちると書きましたが、
挿し込むプラパイプ自体をナイフのカンナがけなどで先細にテーパーをかけておいて、ハンマーなどでフタの穴に軽く打ち込む方法なら5ミリドリルが無くてもある程度対応できるかもしれません。
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