今日のNHK杯で有吉道夫九段が敗れましたね。
火の玉流で知られる有吉九段ですが、本局は相矢倉から一方的に攻められる展開になり
その攻めは影を潜めてしまいました。
しかし、引退前にその勇姿を目に焼き付ける事が出来て良かったです。^-^
勝ち残っている棋戦は、棋王戦予選を残すのみとなりました。
しかも、明日なんですね。^^;
相手は振り飛車党の矢倉規広六段。
最後の棋戦となっても「矢倉」に縁があるのですね。^^
有吉九段の誕生日は7月なので、もう少し勝ち残って現役最高齢記録を伸ばして貰いたいです。
**********************************************************************
さて、丸山ワクチンを取り上げてほしいというご要望がありましたので、
今回と次回の2回に分けて記事にしたいと思います。
まずは、丸山ワクチンと言っても歴史がありますし、後手側にも個性豊かな対策が多くあります。
その中には皆様に知られずに埋もれているものもあると思います。
今回は、丸山ワクチンの発展の歴史と、後手側の対策を広く扱っていこうと思います。
「知らなかったけど、これは自分の棋風に合いそう。」と言うのを見付ける手助けになれば幸いです。^^
初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲2二角成△同銀(第1図)
▲9六歩(第2図)
◇丸山ワクチン開発の歴史
第1図の角交換が丸山忠久九段が流行させた指し方で、当時注目されていた新薬の名前と掛けて
丸山ワクチンと命名されたとか。
(この当時、私は将棋から離れていたので詳しくは知りません^^;)
出始めの頃は、▲8八銀~▲7七銀~▲6六銀として、5筋の交換を逆用して
中央に拠点を築く狙いだったようです。
しかし、今では当たり前となっている向かい飛車への転換が有効で、
位を相手にされないと苦しくなりました。
そこで、第1図では▲7八銀から美濃~銀冠へと組むのが主流になりました。
これまたしかし、▲6五角問題で無理と見られていた△5五歩と突く手が成立していたのです。
第1図以下、▲7八銀△5五歩▲6五角△3二金▲8三角成△8八角(A図)
この為、居飛車党はまたも頭を悩ますのですが、これを解決したのがかの有名な
佐藤(康)新手の▲9六歩(第2図)でした。
第2図からの指し手①
△9四歩▲7八銀(第3図)
◇深謀遠慮
端歩の交換が入ると何が変わるのか。
そう、先程のA図の変化に進んだときに▲9七香!(B図)と香車を逃げる事が出来て
評価が180度入れ替わってしまうのです。
端歩の交換を入れると、一度▲6五角問題を消してからでないと△5五歩が突けない
というのが常識となりました。
しかし、ちょっと待って下さい!!
▲9六歩と突かれた第2図で端歩を受けない指し方が2通り存在します。
つまり、序盤早々の▲9六歩をいきなり緩手にしてしまえという構想です。
順番に紹介します。
第2図からの指し手②
△3二金(第4図)
◇近藤流
これを最初に見たのは昨年度のNHK杯▲村田顕弘四段vs△近藤正和六段でした。
この時の進行は、移転前のブログで書いているので以下を参考にして下さい。
NHK杯 ▲村田四段▽近藤六段【観戦記】
△3二金に端を詰めても、△7二銀(▲8二角は△5五角~△7四歩!)▲6八玉△7四歩
▲4八銀△5五歩(C図)となり、矢倉中飛車の理想形(D図)の様に組めば作戦勝ちです。
私の研究では、先手の最善は▲7八金(E図)で、こうされると5筋の交換が難しくなります。
左側・右側どちらに囲うにしても、交換したら△5一飛と形良く引きたいですよね。
しかし、一度▲6五角問題を防がねばならないのがネックになります。
E図以下、△4一玉▲4八銀△5五歩▲6九玉(F図)が一例ですが、最後の▲6九玉が
王手になるのを防ぐ好手で▲6五角問題をチラつかせて5筋の交換を防いでいます。
こうなっては、矢倉中飛車の理想形に組めません。
こうした複線があり、2009/9/1のC級1組順位戦 ▲西川慶二七段vs△近藤正和六段では、
E図から△9四歩▲4八銀△6二玉▲4六歩(G図)と進みました。
5筋が交換できていませんが、▲7八金型の将棋で先手から角を交換してくれたと思えば
得した気分にはなりませんか?
居飛車も指せる方には、積極的で面白い作戦だと思います。^-^
第2図からの指し手③
△3三銀▲6八玉△5五角▲8八角△7四歩▲4八銀△3二金▲5八金右△8二角(第5図)
◇星野流
この構想は、奨励会員の星野良生三段が一昨年の新人王戦第2局という大舞台で見せたもの。
第5図は、通常の相矢倉よりも後手が大分得をしているのがわかります。
角の睨みで▲3六歩が突けない為、飛銀桂が前に進めません。
これもやはり居飛車が指せる人向けの構想ですが、優秀だと思います。
では、次からは端歩を受けた第3図に移ります。
第3図からの指し手①
△7二銀▲4八銀△5五歩▲6八玉△6二玉▲6六歩△5六歩▲同歩△同飛▲6七銀
△5一飛▲7八玉△7一玉▲2四歩△同歩▲同飛(第6図)
◇誰流??
△7二銀の構想は、誰が最初に指したかわかりませんが、私が最初に見たのは谷川浩司九段。
本譜の進行は、第21期竜王戦1組 ▲中原誠十六世名人vs△佐藤康光二冠(当時)。
本譜の進行を順を追って解説します。
まず、△7二銀に▲8二角は△5五角▲7七銀△7四歩▲5五角成△同歩▲8二角△7三角
▲同角成△同銀(H図)で先手が手損しただけで終わります。
△6二玉に▲8二角も△8八角と打ち返して後手の馬の方が位置が良い。
▲6六歩は次に▲6七銀があるので、ここで5筋の交換を入れます。
▲7八玉は▲2四歩とした時に王手飛車にならないように受けたもの。
対して、△3三銀なら今度こそ▲8二角で、先手にだけ馬が出来てまずい。
したがって、△7一玉と受けて、先手も2筋を交換して双方不満のない戦いとなります。
しかし、私としては△7二銀に▲6六歩と突かれたら、△7四歩(I図)と受けなければならず、
どうも将来傷になりそうであまり面白いとは思えません。
第3図からの指し手②
△7二金▲6六歩△6一玉▲4八銀△3三銀▲6八玉△6二銀▲7九玉△7一玉▲4六歩
△8二玉▲3六歩△2二飛(第7図)
◇遠山流
△7二金は遠山流と呼ばれる指し方で、遠山雄亮四段考案の一手。
直接的な意味は、▲6五角問題を受けているという訳で、▲4八銀~▲4六歩~▲4七銀は
△5五歩~△5六歩には間に合わないという事です。
これを受けるには、▲6六歩が最善で△5五歩と来たら▲6七銀と受ければ良い。
後手も交換できない以上、△5五歩と突いても負担になるので止めましょう。
ここはおとなしく金美濃囲いに玉を納めるのが先決。
先手もゆっくり囲いたいところですが、△2二飛と向かい飛車からの逆棒銀が早く
あまり固くはできません。
専門的な話になりますが、向かい飛車からの逆棒銀は先手の▲6六歩を直接咎めています。
と言うのも、例えばJ図での逆棒銀は、▲7七角△3三角▲同角成△同桂▲3五歩(K図)
の反撃が筋で、△1二角には▲2三歩で受けになりません。
つまり、先手は▲6六歩と突く以上、向かい飛車から逆棒銀は警戒せねばなりません。
この遠山流は、本家遠山四段が遠山流中飛車持久戦ガイドにて解説しているので、
こちらを参考にして下さい。^-^
第3図からの指し手③
△6二玉(テーマ図28)
◇王道の進行
△6二玉と上がったテーマ図28が最も多い進行で、王道と言えるでしょう。
こちらは次回に詳しく取り上げていきますのでお楽しみに。^-^
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火の玉流で知られる有吉九段ですが、本局は相矢倉から一方的に攻められる展開になり
その攻めは影を潜めてしまいました。
しかし、引退前にその勇姿を目に焼き付ける事が出来て良かったです。^-^
勝ち残っている棋戦は、棋王戦予選を残すのみとなりました。
しかも、明日なんですね。^^;
相手は振り飛車党の矢倉規広六段。
最後の棋戦となっても「矢倉」に縁があるのですね。^^
有吉九段の誕生日は7月なので、もう少し勝ち残って現役最高齢記録を伸ばして貰いたいです。
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さて、丸山ワクチンを取り上げてほしいというご要望がありましたので、
今回と次回の2回に分けて記事にしたいと思います。
まずは、丸山ワクチンと言っても歴史がありますし、後手側にも個性豊かな対策が多くあります。
その中には皆様に知られずに埋もれているものもあると思います。
今回は、丸山ワクチンの発展の歴史と、後手側の対策を広く扱っていこうと思います。
「知らなかったけど、これは自分の棋風に合いそう。」と言うのを見付ける手助けになれば幸いです。^^
初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲2二角成△同銀(第1図)
▲9六歩(第2図)
◇丸山ワクチン開発の歴史
第1図の角交換が丸山忠久九段が流行させた指し方で、当時注目されていた新薬の名前と掛けて
丸山ワクチンと命名されたとか。
(この当時、私は将棋から離れていたので詳しくは知りません^^;)
出始めの頃は、▲8八銀~▲7七銀~▲6六銀として、5筋の交換を逆用して
中央に拠点を築く狙いだったようです。
しかし、今では当たり前となっている向かい飛車への転換が有効で、
位を相手にされないと苦しくなりました。
そこで、第1図では▲7八銀から美濃~銀冠へと組むのが主流になりました。
これまたしかし、▲6五角問題で無理と見られていた△5五歩と突く手が成立していたのです。
第1図以下、▲7八銀△5五歩▲6五角△3二金▲8三角成△8八角(A図)
この為、居飛車党はまたも頭を悩ますのですが、これを解決したのがかの有名な
佐藤(康)新手の▲9六歩(第2図)でした。
第2図からの指し手①
△9四歩▲7八銀(第3図)
◇深謀遠慮
端歩の交換が入ると何が変わるのか。
そう、先程のA図の変化に進んだときに▲9七香!(B図)と香車を逃げる事が出来て
評価が180度入れ替わってしまうのです。
端歩の交換を入れると、一度▲6五角問題を消してからでないと△5五歩が突けない
というのが常識となりました。
しかし、ちょっと待って下さい!!
▲9六歩と突かれた第2図で端歩を受けない指し方が2通り存在します。
つまり、序盤早々の▲9六歩をいきなり緩手にしてしまえという構想です。
順番に紹介します。
第2図からの指し手②
△3二金(第4図)
◇近藤流
これを最初に見たのは昨年度のNHK杯▲村田顕弘四段vs△近藤正和六段でした。
この時の進行は、移転前のブログで書いているので以下を参考にして下さい。
NHK杯 ▲村田四段▽近藤六段【観戦記】
△3二金に端を詰めても、△7二銀(▲8二角は△5五角~△7四歩!)▲6八玉△7四歩
▲4八銀△5五歩(C図)となり、矢倉中飛車の理想形(D図)の様に組めば作戦勝ちです。
私の研究では、先手の最善は▲7八金(E図)で、こうされると5筋の交換が難しくなります。
左側・右側どちらに囲うにしても、交換したら△5一飛と形良く引きたいですよね。
しかし、一度▲6五角問題を防がねばならないのがネックになります。
E図以下、△4一玉▲4八銀△5五歩▲6九玉(F図)が一例ですが、最後の▲6九玉が
王手になるのを防ぐ好手で▲6五角問題をチラつかせて5筋の交換を防いでいます。
こうなっては、矢倉中飛車の理想形に組めません。
こうした複線があり、2009/9/1のC級1組順位戦 ▲西川慶二七段vs△近藤正和六段では、
E図から△9四歩▲4八銀△6二玉▲4六歩(G図)と進みました。
5筋が交換できていませんが、▲7八金型の将棋で先手から角を交換してくれたと思えば
得した気分にはなりませんか?
居飛車も指せる方には、積極的で面白い作戦だと思います。^-^
第2図からの指し手③
△3三銀▲6八玉△5五角▲8八角△7四歩▲4八銀△3二金▲5八金右△8二角(第5図)
◇星野流
この構想は、奨励会員の星野良生三段が一昨年の新人王戦第2局という大舞台で見せたもの。
第5図は、通常の相矢倉よりも後手が大分得をしているのがわかります。
角の睨みで▲3六歩が突けない為、飛銀桂が前に進めません。
これもやはり居飛車が指せる人向けの構想ですが、優秀だと思います。
では、次からは端歩を受けた第3図に移ります。
第3図からの指し手①
△7二銀▲4八銀△5五歩▲6八玉△6二玉▲6六歩△5六歩▲同歩△同飛▲6七銀
△5一飛▲7八玉△7一玉▲2四歩△同歩▲同飛(第6図)
◇誰流??
△7二銀の構想は、誰が最初に指したかわかりませんが、私が最初に見たのは谷川浩司九段。
本譜の進行は、第21期竜王戦1組 ▲中原誠十六世名人vs△佐藤康光二冠(当時)。
本譜の進行を順を追って解説します。
まず、△7二銀に▲8二角は△5五角▲7七銀△7四歩▲5五角成△同歩▲8二角△7三角
▲同角成△同銀(H図)で先手が手損しただけで終わります。
△6二玉に▲8二角も△8八角と打ち返して後手の馬の方が位置が良い。
▲6六歩は次に▲6七銀があるので、ここで5筋の交換を入れます。
▲7八玉は▲2四歩とした時に王手飛車にならないように受けたもの。
対して、△3三銀なら今度こそ▲8二角で、先手にだけ馬が出来てまずい。
したがって、△7一玉と受けて、先手も2筋を交換して双方不満のない戦いとなります。
しかし、私としては△7二銀に▲6六歩と突かれたら、△7四歩(I図)と受けなければならず、
どうも将来傷になりそうであまり面白いとは思えません。
第3図からの指し手②
△7二金▲6六歩△6一玉▲4八銀△3三銀▲6八玉△6二銀▲7九玉△7一玉▲4六歩
△8二玉▲3六歩△2二飛(第7図)
◇遠山流
△7二金は遠山流と呼ばれる指し方で、遠山雄亮四段考案の一手。
直接的な意味は、▲6五角問題を受けているという訳で、▲4八銀~▲4六歩~▲4七銀は
△5五歩~△5六歩には間に合わないという事です。
これを受けるには、▲6六歩が最善で△5五歩と来たら▲6七銀と受ければ良い。
後手も交換できない以上、△5五歩と突いても負担になるので止めましょう。
ここはおとなしく金美濃囲いに玉を納めるのが先決。
先手もゆっくり囲いたいところですが、△2二飛と向かい飛車からの逆棒銀が早く
あまり固くはできません。
専門的な話になりますが、向かい飛車からの逆棒銀は先手の▲6六歩を直接咎めています。
と言うのも、例えばJ図での逆棒銀は、▲7七角△3三角▲同角成△同桂▲3五歩(K図)
の反撃が筋で、△1二角には▲2三歩で受けになりません。
つまり、先手は▲6六歩と突く以上、向かい飛車から逆棒銀は警戒せねばなりません。
この遠山流は、本家遠山四段が遠山流中飛車持久戦ガイドにて解説しているので、
こちらを参考にして下さい。^-^
第3図からの指し手③
△6二玉(テーマ図28)
◇王道の進行
△6二玉と上がったテーマ図28が最も多い進行で、王道と言えるでしょう。
こちらは次回に詳しく取り上げていきますのでお楽しみに。^-^
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個人的にはじっくりした戦いが好きなので、相手が角を交換してくれると内心ほくそ笑んでいたりします。
丸山ワクチンとは関係のない話になりますが・・・。
▲3七銀戦法に対する△4四歩~△4五歩の銀ばさみ狙いについて、作戦としてはアリなのかどうか、見解を伺いたく思います。
じっくりした展開となると真部流と呼ばれる形がお勧めかもしれませんね。
これは次回に詳しく解説する予定です。^^
私自身は、対丸山ワクチンの経験はあまりないのですが、
持久戦になると先手の利はぼやけてしまいますよね。
プロの成績も後手の方が勝っているようですね。
さて、ご質問の▲3七銀急戦に対する△4四歩~△4五歩ですが、
①郷田流と呼ばれる▲5八金右を省略する▲3七銀急戦では、
2009.4.26に行われた大和証券杯 ▲郷田vs△久保戦の様に
▲2四歩~▲3五歩と突き捨ててから▲4六銀と出る変化があり、
最後は久保さんが勝ちましたがとても難解でした。
この時の棋譜は、解説付きで大和証券杯のページから落とせるので、
参考にして下さい。
受けに自信があれば、実戦的には有力でしょう。
②超速攻(▲6八玉型での急戦)だと、これはまず無理ではないかと考えます。
初手より▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛
▲4八銀△5五歩▲6八玉△3三角▲3六歩△4二銀▲3七銀
△4四歩▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲4六銀
これは居玉なので自信なしです。
①の棋譜は見ることができました。将棋世界6月号付録で最終盤が紹介されていましたね。大変参考になりました。
②ですが、この形だと▲2四歩は△同角がありそうですか。▲3五歩に△4三銀や、どこかで△5六歩も怖そうな感じがします。どちらを持っても自信無さそうな印象を受けました。
質問して頂く事により、私も勉強になる点が多いので、
これからもどんどんお願いします。^-^
①は参考になった様でうれしいです。
さて、②についてですが、
▲2四歩に△同角は、▲4六銀と出る手がありますね。
以下、△4五歩▲5五銀(▲同銀は△5六歩▲同銀△同飛!で終了)
△5六歩▲2四飛△5七歩成▲同玉△2四歩▲2二歩△2八飛
▲3八角△3三桂▲2一歩成が考えられる展開ですね。
すぐには無理ですが、好機に▲4六歩で角筋を通されるのも気になります。
▲3五歩△4三銀については、▲4六銀で応手に困ります。
△3五歩はもちろん▲同銀。
△4五歩は▲3四歩△同銀▲5五銀で先手好調に思います。
後手が一手遅れているようですね。
このやり取りをしているところに、丁度今日のNHK杯
▲及川四段vs△近藤六段でこのテーマ局面が現れましたね。^-^
先手が仕掛けを自重しましたが、上記▲2四歩の展開を避けたのでしょうかね。
本譜の展開も一局で、勉強になりますね。^-^
▲3五歩△4三銀▲4六銀△4五歩▲3四歩△同銀▲5五銀
だと銀が取られてしまいますね。^^;
ここは、▲3五歩△4三銀▲3六銀が考えられます。
以下、△5六歩▲同歩△同飛▲3四歩に
分岐1
△同銀▲2二歩△3六飛▲2一歩成
分岐2
△4二角(△2二角は▲2三歩~▲2四飛)▲2二歩△3六飛▲2一歩成
△3四飛(▲3三桂を防ぐ意味)▲1一と
どちらも二枚換えになりますが、形勢は難解極まりないでしょう。
社団戦に備えてゴキゲンの勉強をしているのですが、こういった激しい変化も内包しているのが怖いところでもあり、面白いところでもありますね。
本音を言えばやはりじっくりと戦いたいのですが(笑)。
社団戦に出場されるのですか。
頑張って下さい。^^
今度結果を教えて下さいね。^-^
じっくり戦えると良いのですが、石田流と同じで
じっくりと進めると振り飛車側が好形になってしまうので
動いてくるんですよね。
▲3七銀急戦超速攻は、現状3二金・4二銀型で待機して、
▲7七銀を待って△5三銀と出て行くのがプロでも盛んに指されています。
私が考案した山木定跡も有力だと思いますので練習で試してみて下さい。^^
山木定跡(超速)についてです
居飛車側は▲7八玉を保留した方が△7四飛を受けやすくて得かも・・・と思いました
あと △5四飛と浮いた手に対して
▲7七銀と▲7七金が有力のような記事がたしかあったと思いますが
▲7七角や▲6六角でも受かる・・・かもです
ご検討よろしくお願いします^-^
▲7八玉を保留すれば山木定跡の出番はありません。
これはいずれ紹介しようと思っていたので丁度良かったです。
次回丸山ワクチンを終えたら詳しく書こうと思います。
簡単に説明しますと、保留する為の候補手は▲5八金右が自然ですね。
これは△5四飛と浮いても▲6六歩と持久戦に持ち込まれて、
飛車への当たりが強くなってしまうだけです。
しかし、ここで△3二金とするとあら不思議。
プロ棋界で主流になっている陣形に合流します。
ここでポイントとなるのが▲5八金右が入っている事。
郷田流の思想を思い出して下さい。
4九金型でいる事により、一手早く先制できて
角交換になったときに△3九角を消していました。
この局面では▲5八金右を省略するという重要な
選択肢がなくなっています。
山木定跡もこういった点でリンクしているのです。
ご質問のあった▲7七角や▲6六角ですがどのタイミングでしょうか?
△5四飛の後であれば
①▲7七角は△7四飛がやはりあります。
以下、▲5五銀△7六飛▲6六銀△8二玉は後手持ちです。
②▲6六角はこの場所に角を上がった事に満足です。
角頭を狙って行けば良いでしょう。
△5三銀▲4五銀△7四飛▲7五歩△6四飛▲6八銀
△3二金▲7七銀△2二角で互角ですが、私は後手持ちです。
△7四飛には▲5五角の時間差攻撃がありそうです。