五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

十月十日

2009-03-13 05:42:08 | 五高の歴史
平成十九年十月十日五高の開校百二十周年記念祭を以て同窓会が解散されたことはマスコミ等で紹介があっていたので、まだまだ記憶の方も多いかと思うが、十月十日が五高の開校記念日であったということは関係者のほかは余り知っている人はいなかった。以下のことから今朝は明治二十三年の第一回開校式が行われた十月十日が開校記念日になっていること。そして戦後の昭和二十二年十月十日の六十周年記念式の様子を五高五十年史、七十年史から転載し紹介する。

第一回記念式の模様
明治二十三年は、学寮にとっては自治制度の自炊制度が開始された年であった。又学校においては新校舎の落成式・開校式が行われたことであろう。十月十日の午前十時より、雨天体操場において挙行された、君が代三唱から久留文部技師からの工事経過報告、校長平山太郎から、浜尾専門学務局長。富岡熊本県知事かエア、嘉悦県議会議長、在校生総代として木崎虎太(のちの九代校長)が祝辞を朗読した。続いて皇御国の歌の斉唱の後役職が会に移った。烟火打上げ、競馬などが行われた。その後この十月十日が五高の開校記念日になった。 


六十周年記念式の模様、
混沌たる世情と窮迫せる生徒との中に時の白駒は瞬時も其歩を止めることなく、碧落高い肥州の秋深く十月十日五高創立六十周年記念祭は訪れた、
第五高等学校の終焉を包む美しいベールと共に、かねてより此準備ををさをさ怠りなかった学校記念祭委員会(委員長 長野吉章、総務委員長)寮祭準備委員会(委員長 富田優総代、深沢立太郎総代)の手により記念祭の幕は切って落とされた
十日午前九時より講堂で記念式典、全校職員生徒十有余の参列あり、本島一郎第十二代学校長の祝辞を読まれる声も喜びにふるう。ついで職員代表として安達龍三教授の祝辞、生徒代表長野吉章総務委員長の祝辞、更に来賓先輩代表、福田虎亀熊本市長の祝辞、祝電披露あり。これらの間各新聞写真班のフラッシュが飛ぶ。
 終って記念文化講演として、東北大教授、松隈健彦博士の「現在の宇宙観」と題する講演と熊日社長・参議院議員・佐々弘雄氏の『祖国の再建』と題する「延々4時間に亘る熱弁あり。此の間に午後一時より寮から富田総代の指揮で三十名程の有志JOGKより寮歌『武夫原頭』が放送の為録音、・・・・(以下略)