五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

続習学寮史から、学校生活の短縮

2009-08-18 20:02:05 | 五高の歴史
学校生活の短縮
ペンをハンマーに握り替えた生活学徒動員の生活はそれは余りにも大きな烈しい変化であった。 一年生間より総代が出、部長が出、幹事が出て、同じように率いて行ったのであるが、実態として総代幹事は寮生の精神を生活を指導し教化することであった。同輩が同輩に対してこのような行為を行うことは到底不可能で不合理であった。総代は重大な権威がある。その権威に対して寮生は反感を抱き、こころよく思わず、進んで協力をしようとしなかった。
学徒動員が寮に与えた影響は大打撃であった。

昭和十八年になると一月には 高等学校令改正になり三年間の学校生活は二年に短縮され、全くの全寮制でになり二十四時間教育が標榜され、学校教育の一場所は文部省の微に入り細に入った修練要綱に基づく生活で厳格な日課に統制されてきた。全校鍛錬は強制される。歴史的風潮を無視した行為は人為的に俄に改めようとしてもそれ自身に大きな欠陥があった。ここではその定められた生活要項を掲げる
午前6:00起床、清掃、洗面、朝礼集合国旗掲揚台前、点呼、敬礼・宮城遥拝、体操、告知、朝食
  7;00自習一時間、
  7;50始業開始 始業(8~8,50,9~9.50,10~10,50,11~11.50)
 11;50全校体操、集合国旗掲揚台前、出欠、調査、体操
  0;05昼食
  0;50始業(0;50~1,40,1,50~2.40)
  2;40終業  清掃
  3;10日課  鍛錬(約1時間半)
  5;00夕食
  5;30入浴  休息
  6;30自習(約3時間)
  9;30点呼、就床
 10;00消灯
 外出 夕食後6;30まで土、日等の前日は9;30まで水は禁止
 外泊 土、休日の前日に限る、帰寮時刻は6;30迄とし願い出により許可するものとす。
 
ペンをハンマーに握り替えた生活学徒動員の生活はそれは余りにも大きな烈しい変化であった。之を事務的に見ても 寮の三年生が去り、次いで二年生も出て遂に一年生のみの寮――― 一年生間より総代が出、部長が出、幹事が出て、同じように率いて行ったのであるが、実態として総代幹事は寮生の精神を生活を指導し教化することであった。同輩が同輩に対してこのような行為を行うことは到底不可能で不合理であった。総代は重大な権威がある。その権威に対して寮生は反感を抱き、こころよく思わず、進んで協力をしようとしなかった。
学徒動員が寮に与えた影響は大打撃であった。寮内の紊乱、盗難、盗食等の頻発、礼儀や整頓の乱れ、行事に対する無関心、生活日課に違反、寮則を破る。総代幹事への不平反感が充満していた。、


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