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『水戸黄門』で光圀が毎回印籠を出し、旅をしたがる問題

『水戸黄門』の徳川光圀(番組で水戸光圀)は印籠にある徳川の家紋の権威をふりかざし、相手を平伏させる。相手は光圀の人格に頭を下げているのでなく、徳川の家紋に頭を下げているだけだ。本来光圀は「お前はわしに頭を下げているが、それはわしではなく、中納言の身分に頭を下げているだけか」と言うべきだし、あるいは「もし、わしがちりめん問屋の隠居のままでは、わしに頭を下げぬと申すか」とでも言うべきである。それを言わない以上、ドラマの光圀は徳川の権威だけで悪人を一時的に押さえて満足していることになる。

本来、光圀は訪問先の人々に「二度とわしが来なくてもいいように、不正が起きないように、起きてもここの皆さんで解決できるようにしてくだされ」とでも言うべきである。

もし光圀が本当に庶民の味方であれば、印籠を出すとき、光圀は「わしは本当はこんな物をお前さんたちに見せたくはない」「徳川の権威をひけらかすのは大嫌いじゃ」とでも言うべきであった。

また、光圀は旅が終わって水戸の西山荘に戻っても、また旅をしたがる。
これも問題だ。
本来、光圀は西山荘で『大日本史』編纂に專念すべきである。
光圀は自分が旅などしなくてもいい世の中を望むのが筋だろう。
旅立つとき、光圀は「やれやれ、わしが世直し旅なぞしなくてもいい世の中はいつ来るのかの」と言って旅立つべきだったのである。

ドラマの光圀は旅好きかも知れない。
それなら光圀は「一度、印籠も出さず、水戸光圀とも名乗らず、越後のちりめん問屋の隠居のままで各地を旅して水戸に戻りたいものじゃ」という夢を持って旅するべきなのである。

日本では1868年に幕府を倒したのが薩長の武士階級であり、百姓一揆ではなかった。
1789年のフランス革命のとき、日本でも天明の一揆、寛政の改革があったが、そのときも幕府は倒れなかった。
結局、日本では庶民は何もできず、権力者同士の自浄能力に頼るしかないという国民性が根付いているのだろう。

参考になるHP
水戸黄門のドラマツルギー 地下のカリエール

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2011年8/9~10 8/11~16

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