『ごきげんよう』を観ていたら、29歳の小池栄子がすし屋で小学1年から「おばさん」または「おばちゃん」と言われたらしい。番組を見た記憶では「おばさん」か「おばちゃん」かはっきりしない。
このHPでは「おばさん」である。
「
おばさんどいて」。小池栄子を襲った残酷すぎる一言。 Techinsight
中国では小学生は20代のお姉さんを「阿姨」ayi と呼ぶ。
要するに、こういう対応になる。
↓
伯母 おばさん
阿姨 おばさん(叔母に相当する年齢)
阿姨 お姉ちゃん(10歳くらい年が離れている場合)
姐姐 お姉ちゃん
男の場合は以下のとおり。伯父(父の兄)への呼びかけでは「伯伯」もある。
↓
伯父 おじさん
叔叔 おじさん(叔父に相当する年齢)
叔叔 お兄ちゃん(10歳くらい年が離れている場合)
哥哥 お兄ちゃん
小学1年生であれば6歳~7歳である。
この学年にとって身近な「お姉ちゃん」は小学2年生以上の年長組である。
次に20代のお姉さんは小学校の先生の中にいるかも知れないが、例えば学友の若い母親の中には小池栄子と同世代の人が多い。子供はそういう人を「おばさん」と呼ぶのに慣れているわけだ。
中国ではこういう場合、小学生にとっての友人の母を呼ぶ「おばさん」は「阿姨」になる。
『忍者ハットリくん』でケムマキがケンイチの母親を「おばさん」と呼ぶ場合、中国版では「阿姨」になっている。
小池栄子は以前、NHK『テレビで中国語』に出ていたことがあるが、ここまでは考えなかっただろうか。
『ドラえもん』でのび太が自分の幼稚園時代に行ったとき、当時、仲の良かった女の子が小学生ののび太を見て「おにいちゃん、だあれ」と言った。これは中国版で「大哥哥,你是誰?」だった。
幼稚園児にとって小学生は「大哥哥」「大姐姐」だった。
中国で幼稚園(幼兒園)の先生が女性の場合、園児は先生を「阿姨」と呼ぶ。では保母さんでなく保父さんならどうか。日本では今は保母も保父も「保育士」である。
中国のテレビで一時、幼稚園の男の先生のレポートがあり、「男的阿姨」では矛盾するので「阿舅」という言い方も試みられていたが、この場合は「叔叔」で充分である。
ちなみに「保母」は中国で「保姆」であり、「母」に女偏がつく。もっとも母は女に決まっているから、「姆」は漢字としては重複表現である(その意味では「州」に対する「洲」も同様)。
小池栄子は車のCMで若い母親を演じているが、あの場合、子供がかようであろう保育所にでも行けば、ほかの子供から「おばさん」と呼ばれるのは確実である。この「おばさん」はシナ語では「阿姨」である。
2012年のドラマ『ブラックボード』では、第1回の主役が櫻井翔で、鈴木福が主人公の甥を演じ、福君は櫻井翔を「おじさん」と呼ぶ場面が多く、違和感を持ったらしい。しかし、これは役柄考えて自然なことである。
櫻井翔は1982年生まれで、2004年生まれの鈴木福より22歳年上。この年齢差なら、中国では、親族関係でなくても、子供が大人を「叔叔」と呼ぶのが当然だ。
2013年になると中川翔子が「ポケモンのおばさん」と呼ばれたらしい。
また、前述の小池栄子のトークがあった番組『ごきげんよう』で2013年に千秋が「若く見られるのも善し悪し」という話をしていた。千秋はアメリカに行くと、若く見られて、パスポートを偽造だと思われ、出入国に手間取るらしい。
千秋は30歳の時に年齢をThirty(30歳)と言っても相手(おそらくアメリカ人)はThirteen(13歳)の言い間違いだと思ったらしい。
それで千秋は40歳になって同様の場面でForty(40歳)と言ったら、やはりFourteen(14歳)の言い間違いだと思われたらしい。