今月は私にしては珍しく映画館で続けさまに映画を観た。
たまたま観たい作品が重なったこともあるけど、久々に映画館で
映画が観たいと思ったから。
一時期流行ったミニシアターの灯がもう消えつつあると先日のTV
番組で言っていたけれど、行かなくなった理由の1つとして「知
らない映画だから」と若い人が答えていた。
知ろうと思えばいくらでも情報のある時代なのに。
それともTVで宣伝しているものしか信じないのだろうか。
自分で見つける喜びを知らないなんて、オキノドク~。
いや、そこまで余裕のない、遊びのない時代になってしまったの
かもしれない。
<元町映画館編>
そんなさなか、神戸では昨年、元町センター街に「元町映画館」
というミニシアターが突然オープンした。
略して呼ぶと、昔、元町にあった名画座系の映画館と同じ名前に
なるけれど、それとは全く関係ないらしい。ツイッターで支配人
に直接質問したらすぐにそう答えていただけた。
気をつけていないと通りすぎてしまうほど小さめの間口。
中に入るとスタッフの皆さんがお出迎え♪
初めて行ったけれど、とてもあったかい雰囲気の映画館だった。
そこでチョイスした映画が「スプリング・フィーバー」。
公式サイトはこちら。
ふたりの主演男優のインタビューはこちら。
「スプリング・フィーバー」
『天安門、恋人たち』で天安門事件を描いたことにより、中国で
の映画製作を5年間禁じられたというロウ・イエ監督の近作。
舞台は現在の中国、南京。男どうしの同性愛をモチーフに、複数
の男女の複雑に絡み合う心模様を描いたラブストーリーもの。
家庭用デジタルカメラでゲリラ的に撮影を重ねたという映像が、
水に浮かぶ蓮の花のごとく漂いながら生きる主人公の生き方とよ
く合っていた。
(蓮の花の白、ピンク、グリーンにも意味があるように思える。)
刃傷沙汰の後、彼が愛する人(男)の記憶につながる傷の周りに
タトゥーを入れる感覚にはゾクゾク。あれは傷を隠そうとしたの
ではなく、彼が背負った十字架、つまり死ぬまでその人に祈りを
捧げる意味の薔薇のロザリオ的なものではないかと思う。
タトゥーを入れ終えた彼が派手シャツで往来に出てきたタイミン
グで映像に漢字で重なる詩がすっごくカッコイイの。
宋代の歌妓が書いた詩の一部。意味は・・・
好きで浮き世を漂うにあらず
すべては宿命に似たり
花のいのちも さだめのままに
これを読んでようやく彼の気持ちに寄り添うことができた。
漂いながらも、結局同じ生き方を貫いているのは彼だけじゃな
いかと思った。どう抗ってもそうしか生きられないのだ。
宿命とはそれほど重く厳しいものだと思う。
この映画には男2人・女1人の旅が出てくる。
典型的なフランス映画のパターンである女をめぐる関係ではなく、
一人の男をめぐる男と女という関係だ。
(アタシはどんな愛でもありだと思うけれど、あちらとこちらの
世界を自在に行き来する男というのはなんかヤダナア~。笑。)
で、旅の途中で自分の恋人の秘密を知ってしまったリー・ジン(女)
が一人涙を流しながらカラオケで歌うシーンから思いっきり感情
移入。ここから船の旅の場面まで、3人といっしょに波間に漂い
ながら気持ちよく泣き続けてしまったのだった。
法的拘束力のある妻なら夫を罵倒することもできるが、恋人どう
しなら・・・女は男を黙って捨て去るのみ。I agree!だ。
時任三郎似だと思っていた探偵役のチェン・スーヨン。ナント笑
みを見せるたび、だんだん堺雅人に見えてきて仕方なかった。
主人公ジャン・チョン役のチン・ハオには惹かれるものがある。
リー・ジン役のタン・ジュオ、間違いなくいい女候補だ。
好きだなあ~、私は。この映画が。この感覚が。
たまたま観たい作品が重なったこともあるけど、久々に映画館で
映画が観たいと思ったから。
一時期流行ったミニシアターの灯がもう消えつつあると先日のTV
番組で言っていたけれど、行かなくなった理由の1つとして「知
らない映画だから」と若い人が答えていた。
知ろうと思えばいくらでも情報のある時代なのに。
それともTVで宣伝しているものしか信じないのだろうか。
自分で見つける喜びを知らないなんて、オキノドク~。
いや、そこまで余裕のない、遊びのない時代になってしまったの
かもしれない。
<元町映画館編>
そんなさなか、神戸では昨年、元町センター街に「元町映画館」
というミニシアターが突然オープンした。
略して呼ぶと、昔、元町にあった名画座系の映画館と同じ名前に
なるけれど、それとは全く関係ないらしい。ツイッターで支配人
に直接質問したらすぐにそう答えていただけた。
気をつけていないと通りすぎてしまうほど小さめの間口。
中に入るとスタッフの皆さんがお出迎え♪
初めて行ったけれど、とてもあったかい雰囲気の映画館だった。
そこでチョイスした映画が「スプリング・フィーバー」。
公式サイトはこちら。
ふたりの主演男優のインタビューはこちら。
「スプリング・フィーバー」
『天安門、恋人たち』で天安門事件を描いたことにより、中国で
の映画製作を5年間禁じられたというロウ・イエ監督の近作。
舞台は現在の中国、南京。男どうしの同性愛をモチーフに、複数
の男女の複雑に絡み合う心模様を描いたラブストーリーもの。
家庭用デジタルカメラでゲリラ的に撮影を重ねたという映像が、
水に浮かぶ蓮の花のごとく漂いながら生きる主人公の生き方とよ
く合っていた。
(蓮の花の白、ピンク、グリーンにも意味があるように思える。)
刃傷沙汰の後、彼が愛する人(男)の記憶につながる傷の周りに
タトゥーを入れる感覚にはゾクゾク。あれは傷を隠そうとしたの
ではなく、彼が背負った十字架、つまり死ぬまでその人に祈りを
捧げる意味の薔薇のロザリオ的なものではないかと思う。
タトゥーを入れ終えた彼が派手シャツで往来に出てきたタイミン
グで映像に漢字で重なる詩がすっごくカッコイイの。
宋代の歌妓が書いた詩の一部。意味は・・・
好きで浮き世を漂うにあらず
すべては宿命に似たり
花のいのちも さだめのままに
これを読んでようやく彼の気持ちに寄り添うことができた。
漂いながらも、結局同じ生き方を貫いているのは彼だけじゃな
いかと思った。どう抗ってもそうしか生きられないのだ。
宿命とはそれほど重く厳しいものだと思う。
この映画には男2人・女1人の旅が出てくる。
典型的なフランス映画のパターンである女をめぐる関係ではなく、
一人の男をめぐる男と女という関係だ。
(アタシはどんな愛でもありだと思うけれど、あちらとこちらの
世界を自在に行き来する男というのはなんかヤダナア~。笑。)
で、旅の途中で自分の恋人の秘密を知ってしまったリー・ジン(女)
が一人涙を流しながらカラオケで歌うシーンから思いっきり感情
移入。ここから船の旅の場面まで、3人といっしょに波間に漂い
ながら気持ちよく泣き続けてしまったのだった。
法的拘束力のある妻なら夫を罵倒することもできるが、恋人どう
しなら・・・女は男を黙って捨て去るのみ。I agree!だ。
時任三郎似だと思っていた探偵役のチェン・スーヨン。ナント笑
みを見せるたび、だんだん堺雅人に見えてきて仕方なかった。
主人公ジャン・チョン役のチン・ハオには惹かれるものがある。
リー・ジン役のタン・ジュオ、間違いなくいい女候補だ。
好きだなあ~、私は。この映画が。この感覚が。