10.10.21(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第155回定期演奏会
指揮/小泉和裕(大阪センチュリー交響楽団音楽監督)
コンマス/後藤龍伸(大阪センチュリー交響楽団コンサートマスター)
曲目:
モーツァルト/ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334
ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲
後期開始。
前半は有名な部分もある曲だが、客入りは8割強といったところ。
モーツァルト。
室内楽編成でも演奏されるこの曲を10型でみっちり聴かせる。なんでまた。
来季には名称変更して、人数も増やして3管オケとして様々なニーズに応えるオケへと急速に生まれ変わらなくてはならないセンチュリーさんだが、人数を増やしてもクラシック音楽の中核はやはり弦。そしてヴァイオリン。
10人の1stVnがあたかもソリストのごとくフル回転するこの作品を通じて、合奏力の強化を目指すのだという小泉和裕の鉄の意志の現れですよ。全曲終わったときのコンマスの安堵の表情を見りゃ分かるでしょ。
大は小を兼ねるけど小はどこまでやったって所詮は小。小編成もやれる大きなオケだったらそれでいいんですから。
これは小泉のサンモリッツだと思いながら聴いた。
休憩挟んでルトスワフスキ。
前回の定期が定期だったので触れてないが、入団増員が相次いでいる。フルート・トランペット・次席ヴィオラと若手が入団して拡大2管になるつつある。
もはや過去には戻れないし戻らない。
関西には自分のレパートリー以外では奇策か無策を露呈する音楽監督も居れば、なにをやらせてもソツがないが今ひとつ主張が見えない音楽監督や名誉指揮者も居るし、ただの発汗体操を指揮だと称している芸術監督も居る。剛腕だが強引な常任指揮者も居るし、5年ほど勉強しなおしたほうがいい首席指揮者や無個性を万能の対応力の発現だと勘違いした正指揮者も居る。
では小泉和裕は何か。
トレーナーです。
別にセンチュリーに限らない。この人はどこを振ったっていつだってそうだった。そのオケのメカニカルな表現力の極大と極小を、瞬発力と持続力の完全な調和を引き出すことに全力だった。
12型に変えて始まったルトスワフスキは管楽器の力に弦楽器が押される場面が散見されたものの、今のセンチュリーさんの出せるものが出切った感はあった。
来季予定では小泉さんはブル2以外はすべて基本的に3管編成の作品をメインに据えた。
3管編成の日本センチュリー交響楽団はこんな感じになりますよ、というプレ公演の一夜でした。