中国のとうもろこし価格支持政策(2008年)
中国ではとうもろこしと大豆を輪作の形で栽培する。2008年にとうもろこしの安定供給と生産農家保護のため、とうもろこしの価格支持政策を採用した。しかし、とうもろこしの在庫が2億トンを越え、政府の在庫保管費用が膨れあがった。また高値安定になったため、アルコールなどの加工会社は経営難に陥った。また、農家は大豆ととうもろこしの輪作を減らし、とうもろこしの栽培を増やした。
生産者補償制度(2016年)
在庫が2億トンを越え、保管する倉庫の確保さえ難しくなった。このため、国による買い上げと備蓄をやめ、市場流通にまかせた(2016年)。とうもろこし価格が下落し、生活の成り立たなくなった農家は、直接支払いの形の生産者補償制度で救済された。国内のとうもろこし栽培農家は、激しい国際価格の変動の影響を受けた。しかし、政府の備蓄費用は軽減されたし、値下がり傾向により、食品メーカーと飼料購入農家は経済的に大きな利益を受けた。とうもろこし農家は、国際競争を勝ち抜く農家だけが生き残る見通しであったが、零細なとうもろこし農家も残っている。