黄色靱帯骨化症(OLF)のページを更新
- 黄色靱帯骨化症(the ossification of the ligamentum flavum:OLF)は、黄色靱帯が骨化する疾患であり、胸腰移行部に多いが、全脊柱に発生する。診断には単純レントゲン写真、断層写真あるいはMRI、CTが有用である。多椎間罹患例は約35%である。頸椎後縦靱帯骨化症、あるいは胸椎後縦靱帯骨化症 と合併することが多いことから、脊柱管内靱帯骨化の一連の疾患と考えられている。しかし、単独で発症することもある。
【原因】 - 原因は不明である。脊柱管内靱帯骨化症の一部分症と捉えられている。骨化黄色靱帯の経年的生化学的分析では、若年者の黄色靱帯にはデルマタン硫酸が多いが加齢とともに、また骨化靱帯にはコンドロイチン硫酸が増加する。 HLAの関与が指摘されており、遺伝的な要因もあると考えられている。
【症状】 - 胸椎黄色靱帯骨化症が多い。初発症状として下肢の脱力やこわばり、しびれまた腰背部痛や下肢痛が出現する。痛みがない場合もある。数百メートル歩くと少し休むといった間欠跛行を来すこともある。重症になると歩行困難となり、日常生活に障害を来す状態になる。
【治療法】 - 神経が圧迫されて症状が出現した場合に治療の対象になる。安静臥床や消炎鎮痛剤の内服を行う。痛みが強い場合は硬膜外ブロックを行うこともある。種々の治療法を組み合わせて経過を見るが、神経症状の強い場合は手術を行う。この場合、骨化巣を切除して神経の圧迫を取る。頚椎後縦靱帯骨化症が合併している場合は、症状を来している部位を検査して、どちらが病気の主体をなしているか決定する。どちらかはっきりしない場合、頚椎を先に手術することもある。 OLFによって脊髄が圧迫されて症状が起これば進行性であることが多いので、観血的治療の対象となり得る。
<出典:難病情報センター>
⇒ 指定難病一覧