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森の里ホームズのブログ

腎硬化症

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 腎臓の血管に動脈硬化を起こし、血管の内腔が狭くなって血液量が減少することで腎臓に障害をもたらす疾患です。腎臓は大きな血管から、糸球体(血液から尿を生成するフィルターのはたらきをする毛細血管)まで、さまざまなサイズの血管が集まっている臓器です。長年の高血圧などにより、腎臓の細小動脈に障害が起こり、その結果、徐々に糸球体が硬化して腎機能が低下します。病気の進行が遅い良性腎硬化症と、急速に症状が悪化する悪性腎硬化症があります。

良性腎硬化症は、本態性高血圧(加齢や遺伝的要因、生活習慣と関連した高血圧)によって、腎臓の血管に動脈硬化を引き起こし、徐々に腎機能の低下をきたしたものです。

一方、悪性腎硬化症は、本態性高血圧以外にも腎血管性高血圧(腎動脈の狭窄による高血圧)などの原因が特定される二次性高血圧の経過中に急激に悪化し、腎障害のみならず心不全や脳血管障害など全身の症状を呈する予後の悪い病気です。

 【診断】
 良性腎硬化症は多くの場合、本態性高血圧の経過中に尿検査で軽度の尿タンパクを認めますが、尿タンパクが陰性のこともあります。血液検査で腎機能の低下(血中尿素窒素・クレアチニンの上昇)や電解質異常が出現した場合は、腎硬化症の疑いがあります。また、進行例では超音波検査やCTなどの画像検査において、両側の腎臓の萎縮が認められます。確定診断には腎生検(腎臓を細い針で刺して、一部組織を取ってくる検査)が必要になりますが、高齢者の場合、また既に腎臓が萎縮している場合はあまり行なわれません。これまでの高血圧歴と尿検査所見が矛盾しないこと、他の疾患の可能性を否定できた場合に除外診断されることが多いのが現状です。

 【症状】
 悪性腎硬化症は、高血圧による腎機能の急速な悪化に加え、眼底検査や心臓機能(心電図、胸部X線、心臓超音波)などで多臓器にわたる異常所見を認めます。眼底所見では高血圧ならびに動脈硬化がある程度判定できます。また、昇圧ホルモンの異常分泌による腎血管性高血圧や、褐色細胞腫などの二次性高血圧が原因となることもあり、鑑別のための検査も必要です。

 【治療法】
 良性腎硬化症に対しては、高血圧の治療が中心となります。食事療法(減塩食1日6g以下)や運動療法などによる生活習慣の改善、適切な降圧薬による治療を行ないます。降圧目標で推奨されている数値は130/80mmHg未満です。
悪性腎硬化症は、血圧管理とともに適切な全身管理を求められるため、一般に入院安静が必要です。内服による降圧薬が効きにくい場合は注射薬を用いることがあります。
腎硬化症が悪化すると慢性腎不全になる恐れがあります。さらに慢性腎不全から重い尿毒症を発症し、腎臓の機能が10%以下にまで下がってしまうと、人工透析や腎移植などの腎代替療法が必要です

<出典:済生会>

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