徐脈性心房細動のページを更新
- 心房細動では心房の脈は1分間に300-1000回にもなり、脈がはやくなることが多いですが、あまりに多い心房の脈をうまく房室結節が連絡することができず、結果的に心室の脈は遅くなってしまうことがあります。これが徐脈性心房細動で、心房細動に房室ブロックが合併した状態ともいえます。
【症状】 - 脈が遅くなることで倦怠感、息切れ、浮腫やめまい・ふらつきを生じるのは他の徐脈性不整脈と同様です。まれに、心房細動が持続しているのに、脈が規則正しく(ただし遅く)なることがあります。これは心房細動に完全房室ブロックを合併した状態であり、規則正しい脈は心房からの信号がなくなってしまった心室から自発的にでているもので、急になくなることもあるため、危険な兆候のひとつです。
【検査・診断】 - 診断は心電図で行います。心房細動は脈が不規則であるため、脈が特に遅いときと、ふらつきなどの症状が出るときがうまく一致するかどうかが重要です。脈は夜間や安静時により遅くなるため、ホルター検査で夜間の心拍数を確認することもあります。
【治療】 - 心室の脈が不足し、そのために症状がある場合は、やはりペースメーカ植え込み手術の適応となります。無症状で、夜間や安静時には脈が遅くなるが、運動すればちゃんと脈がはやくなる場合は、ペースメーカによる治療は不要です。 頻脈であれ徐脈であれ、心房細動の治療では脳梗塞などの血栓症リスクを評価し、適切な抗血栓療法を行うことが必要です。これはペースメーカの必要性とは別に評価し、治療を行うこととなります。
<出典:大阪医療センター>