森の里ホームズのブログ

自己免疫性脱髄疾患

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 ウイルスへの感染後やウイルスに対するワクチンの接種後に原発性脱髄疾患が発生することがあります。おそらく、ウイルスもしくは別の物質が何らかの形で免疫系を刺激することで、免疫系が自己の組織を攻撃するようになる現象(自己免疫反応)が関与していると考えられています。自己免疫反応の結果として炎症が起こり、髄鞘とその下の神経線維が損傷を受けます。

脳の内外のほとんどの神経線維は、脂肪(リポタンパク)でできた何層もの組織(ミエリンといいます)に包まれています。それらの層は髄鞘(ずいしょう)と呼ばれる組織を形成しています。髄鞘は電線を包む絶縁体のような役割を果たしていて、この働きによって、神経信号(電気インパルス)が神経線維に沿って速くかつ正確に伝えられます。髄鞘が損傷すると、信号が神経を正常に伝わらなくなります。ときには神経線維も損傷を受けることがあります。

髄鞘が自然に修復されて再生すれば、神経機能は正常に戻ります。しかし、髄鞘にひどい損傷が起こると、その中にある神経線維まで壊死してしまうことがあります。中枢神経系(脳と脊髄)の神経線維が自然に完全に再生することはありません。そのため、こうした神経細胞の損傷は永久に残ります。

末梢神経は電線のように電気信号で情報を伝えています。末梢神経は次の3種類に分けられます。手足の感覚情報を脳に伝える感覚神経、脳からの運動の命令を全身の筋肉に伝える運動神経、発汗や腸の蠕動、心臓の拍動などさまざまな命令を伝える自律神経です。感覚神経や運動神経では、電線に相当する部分である「神経軸索」の周囲に、絶縁体(電線のカバー)に相当する「髄鞘」を持っているため、情報を瞬時に伝えることができます。自己免疫に伴う末梢神経障害では、この「神経軸索」や「髄鞘」が障害されて情報が伝わりにくくなります。障害されるスピードは病気によって異なります。
・急性散在性脳脊髄炎
・副腎白質ジストロフィーと副腎脊髄ニューロパチー
・レーベル遺伝性視神経症
・視神経脊髄炎(視神経脊髄炎スペクトラム)
・ギラン・バレー症候群
・フィッシャー症候群
・慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)
・MAG抗体陽性ニューロパチー
・多巣性運動ニューロパチー(MMN)

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