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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.3.10 Newsモーニングサテライト

2017年03月10日 14時33分52秒 | MS
■マーケット

NY株 揃って小幅に上昇
ヨーロッパ経済の改善期待と原油価格50ドル割れという材料の間で、株価はもみ合ったあと午後に入って振れ幅が拡大しました。ECB理事会では、景気見通しの上方修正や金融緩和の切迫感が後退したとの認識が安心感につながりユーロが対ドルで上昇しました。一方、原油価格が終値で、去年12月初め以来の50ドル割れ。原油在庫の増加が尾を引いているようです。株価は、8年前の3月9日、リーマンショック後の最安値を付けた日から上昇を続けてきました。このトレンドを維持出来るのか、明日の雇用統計もその材料となりそうです。ではニューヨークの株価終値は揃って上昇です。ダウは4日ぶりの反発2ドル高、2万858ドル。ナスダックは続伸の1ポイントプラス、5,838。S&P500も1ポイントの上昇の2,364で4日ぶりの反発でした。 

【NY証券取引所中継】原油50ドル割れ 今後は…
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--引け間際にも細かく動いているようですね。

そうでしたね。金利の上昇を受けて、金融株は比較的堅調でしたが、原油などの商品市況の下落を受け、関連銘柄が足を引っ張り、午後にかけて一時軟調に推移していましたが、引けにかけて買戻しされています。

--原油価格が今年初めて50ドル割れとなっていますが、いま何が起きているんでしょうか。

かなりあっさり割り込んだことに少し驚いていますが、きっかけは昨日の週間在庫統計で、原油在庫が市場予想を大幅に上回る増加となったことです。この背景として、実はこの時期、原油を精製するための製油所が定期メンテナンスを終え、稼働を再開するタイミングですが、想定されていたほど稼働率が上昇しなかったため、原油在庫の増加が市場予想より上振れたようです。

--ただ、それにしても、昨日から下げ方が急ですよね。

(フリップ:原油"48ドル半ば"を意識)
はい、テクニカル的な要因が重なったことも大きいと思います。在庫統計を受けた下落で、節目となる100日移動平均線を割り込み、さらに大口の投機筋の買いポジションが過去最高水準だったことも売りが加速した要因です。今後、次の節目である200日移動平均線である、48ドル半ばが意識される展開が予想されます。
 

【NY証券取引所中継】原油上昇のカギは…“砂”?
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--主要指数はぎりぎりプラスですね。

そうでしたね。金利上昇を受けて、金融株は比較的堅調でしたが、原油などの商品市況の下落を受けて、関連銘柄が足を引っ張り、午後にかけて一時軟調に推移していましたが、引けにかけて買戻しされました。

--さて原油価格の今後を見るうえで、意外なものが関係しているようですね。

はい、それは砂です。実は、シェールオイルを抽出する時に、地層にひびを入れて原油を取り出しますが、そのひび割れが崩壊しないように、ひび割れの中に砂を入れます。その砂の隙間を縫ってシェールオイルがにじみ出てくるという仕組みです。

--その砂に何か問題が起きているわけですか。

はい、実は先週、テキサス州のシェール生産現場を取材しましたが、その砂の調達に苦労しているようです。大きな理由の1つは、砂を運ぶトランクの不足、特にドライバーが不足しています。井戸の仕上げをする際には、井戸1本あたり、6千トンの砂が使われます。これはトラック300台分です。砂の採掘現場からシェール掘削地域のターミナルまでは、鉄道での運搬なので、大きな問題はないものの、そこから井戸までの数マイルがボトルネックになっています。現場ではラストワンマイル問題と言われています。

--そうなんですね。これは原油価格にはどういう影響なんでしょうか。

はい、価格上昇の要因となりそうです。今年に入り、これらの影響で砂の調達コストが20%上昇し、4-6月期にはさらに20%の上昇が見込まれています。この砂の調達コストは、井戸を完成させる費用全体の10%強を占めています。最近、原油価格が50ドル台を回復していたことで、多くの生産会社の収益性は改善していましたが、このコストアップ懸念が今後の増産ペースを和らげる懸念があり、結果として原油価格上昇の可能性が高まると思います。


【為替見通し】注目ポイントは「トランプ効果が雇用押し上げ」
解説はフィスコNYの平松京子氏

--NY市場は115円をうかがう展開ですね。

そうですね。アメリカの輸入物価指数が予想を上回るなど、3月の利上げを織り込むドル買いが継続しました。一方で、ユーロは反発、ECBが成長やインフレ見通しを引き上げたことや、ドラギ総裁が追加金融緩和には緊急性がないと指摘したことなどが背景となります。

--今日の予想レンジは、114.00-115.50円、注目ポイントは「トランプ効果が雇用押し上げ」です。

そうですね。雇用統計と最も相関性が強いとされる、民間部門の雇用動向を示すADP雇用報告で、製造業や建設に加え、鉱業や燃料セクターの雇用の増加で、2月分は3年ぶりの大幅な伸びを記録しました。トランプ効果が奏功した証拠となります。トランプ大統領は政策で、景気押し上げを最優先課題として掲げており、特に製造業や炭鉱事業の再編を公約、業者は自信を強め、雇用ペースを加速させています。

--そうなると日本時間の今夜にも発表される2月の雇用統計、これも強い結果が予想されていますが、為替はどう反応しそうでしょうか。

そうですね。2月雇用統計の雇用の伸びが20万人を超えると市場は見ていますけれども、その通りの結果になると、発表直後は利上げペースの加速を意識したドル買いが強まると考えております。その際には対円で115円突破も可能だと見ています。

【日本株見通し】注目ポイントは「3月第4週は株高」
解説はいちよし証券の大塚俊一氏
 
--今日の予想レンジは、19200~19500円です。

アメリカの利上げ観測の高まりを受けて、やや円安が進んでおり、輸出株などが上昇しそうです。きょう発表される1-3月期の法人企業景気予測調査では、企業の景況感の改善が続いているかが焦点ですが、良好な結果内容となれば、日本株には追い風となるのではないでしょうか。

--注目ポイントは「3月第4週は株高」、第4週は再来週ですね。

来週第3週はFOMCでの利上げ判断やオランダの議会選挙など、重要イベントが控えていますが、その結果が明らかになれば、透明の不透明要因が払しょくされ、第4週は株高となりそうです。
(フリップ1:3月第4週は株高)
過去10年間の日経平均と日経ジャスダック平均の3月各週の週間騰落率を調べると、第2週と第3週は下落ですが、第4週は上昇です。10年間の第4週の上昇回数は、日経平均が7回、日経ジャスダック平均は8回で、これは期末の決算対策売り一巡による需給改善や期末の配当取りなどが株高の要因と思います。


--日経ジャスダックに関しましては昨日で20連騰と堅調なんですが、中小型株の堅調さというのは、この後も続くでしょうか。

(フリップ2:7月までは上昇傾向)
日経ジャスダック平均は過去10年間の月間騰落率を見ると、7月ごろまで連続して上昇する傾向があります。また来週月曜日からは、中小型株の新指数=JPX(日経中小型株指数)の算出公表が始まるなど、引き続き中小型株に注目と思います。
 

■【プロの眼】ECBを読み解く
景気、物価が順調に回復しているユーロ圏ですが、それはあくまでもユーロ圏全体としてみた景気や物価の改善であり、個別国のレベルでは事態はそう楽観できないといいます。域内国の経済のばらつきが調整出来ない状況では、最終的には弱い国自身が対外競争力や金融システムの面で構造改革を進めることが求められます。しかしこれには時間がかかり、さらに強い国が財政移転などの形で弱い国を支える事も必要となります。ヨーロッパでは今年、主要国で相次いで重要な選挙が行われますが、「ユーロ圏離脱」などが実現しなくても、ユーロ圏の内部からひびが入る可能性があるということです。解説は野村総研井上哲也氏。
 
ECB総裁 緩和維持の必要性訴える
ECB=ヨーロッパ中央銀行は9日に開いた理事会で政策金利の現状維持を決めました。理事会後に記者会見したドラギ総裁は金融緩和を維持する必要性を改めて訴えました。
《ECB・ドラギ総裁》 「ECBの金融政策は引き続き緩和的な姿勢を継続する。緩和策は物価目標を継続的に達成するために必要だからだ。」
ただ、追加緩和を講じる緊急性はないとの考えを併せて示しました。また、ユーロ圏の消費者物価指数がECBが目標とする2%弱を上回るなどこのところ上昇が続く物価については、「上昇圧力は依然として弱い」と述べました。その一方で、ECBは今年の経済成長見通しを去年12月の時点から0.1ポイント上方修正し1.8%のプラスになると予想しています。
 
--いまお伝えしたように、景気と物価は順調に回復しているところですけれども、そこに実は落とし穴があるということなんですね。どういうふうに見ればいいでしょうか。

(フリップ1:各国でバラツキ)
「これが今の経済成長率とインフレ率ですね。それから17年、18年については、欧州委員会の予想で伸ばしてあります。だんだんと景気が良くなってくるわけなんですけれども、そうするとむしろバラツキが出てきてしまうということなんですね。(左図でGDPを見ると)ドイツはまあ水準は低いように見えますけれども、ドイツの体力からするとかなり過熱気味の状況ですし、スペインはこの(グラフの14年の)前が金融危機で悪かったので、その部分をいろんな改革をして、かなり高いレートですけれども、またそれはずっと続けるわけにはいかないので、下がってきている。それからフランスはちょっと見通しは甘めなんですけれども、ちょっと停滞感が出ていて失業率がなかなか下がらなくなってしまってますし、それからイタリアは前にもこの番組でもご説明しましたけれども、金融システムに相当大きな問題を抱えていますので、この通り行きそうにはないという感じですね。ですから各国の経済パフォーマンスがかなりばらついてきてしまうということがあると思います。」

--全体で見ると、良いんだけれども、各国個別にみると、それぞれの事情が全く違っている。それがここにきて目立ってきていますか。

「そうですね。危機の時はその意味では低成長にみんな固まっているわけですよね。それがだんだん良くなってくると、体力を反映して、いいところは良くなっていくし、悪いところはなかなか浮上できないということで、差ができてしまうということだと思います。」

--これもちょっと皮肉なことですね。危機の時は団結してまとまれるけれども、景気が回復してきたら、それぞれの個別のものが見えてきてしまう。

「ですから金融政策にとって言えば、ドイツがご覧の通り、早く金融緩和をやめてくれと言っているのは、過熱気味になってしまっているからなんですけどね。イタリアなんかにとってみればとんでもないという話になるわけですね。」

(フリップ2:貿易収支(対GDP比))
--これを見ても分かりますね。貿易収支を見てみますと、コチラもやはり体力の差が見えてくる。

「そうですね。ユーロ圏というのはご覧の通り金融政策1本、為替レート1本でやっているわけなので、ドイツにとってはおそらくユーロ相場が過小評価になっているわけですよね。ですからどんどん輸出が伸びちゃうということになるわけですけれども、フランスみたいな国は表面的にはユーロ安になっているのに、どの恩恵を生かせない。貿易収支がずっとマイナスになっている。」

--そもそも論なんですけど、これは指摘されてはいますけれども、こういった問題を一括して解決する方法というのは無いんでしょうか。

「王道としては、ちょっと言葉悪いですけど、足の遅い国々が構造改革をして、追いついていくということが必要なわけです。例えば、労働市場の改革をするとか、それからイタリアの場合には金融システムの問題を治すとかですけれども、やっぱり時間がかかってしまうわけですね。」

--しかも今は流れとして、そういった構造改革を求めるには、国内の国民たちの声というのがかなり厳しいですね。

「ええ、移民の問題もありますし、それから危機の時には本当に緊急性、切迫感があるわけですけれども、多少良くなっちゃうとその切迫感も無くなっちゃうわけですね。」

--これは景気が回復してくるにつれて、いい内容ではあっても、国内のこういうそれぞれの体力の差が見えてきて、「ではEU崩壊なのではないか」、と囁く声も出ていますか。

「そうですね。ユーロ圏がなかなか、経済が本当はコンバージしていかないと・・・、収斂していかないといけないわけですけども、むしろバラツキが出てしまうという意味では、むしろ金融危機の時よりも、もしかしたらその点では危ないかもしれない、という議論があると思いますね。」

--これから政治の季節になります。選挙もあります。しばらくはドイツが頑張るしかありませんか。

「ええ、先ほど申し上げた通り、構造改革を頑張っていただく間は、ドイツがある程度みんなを助けてあげないといけないということなんだと思います。」

--それができるかどうかというのが、今後問われてきますね。
 

■【中国NOWCAST】
今回の中国ウオッチャーは三井物産戦略研究所の小泉芳雄氏です。ピックアップトピックは「全人代主要数値目標出揃う」「消費者物価0.8%増」「“315晩会”に戦々恐々」です。中国では国会に当たる全国人民代表大会が5日から始まりました。小泉氏は軒並み引き下げられた経済の数値目標の中、都市部の就業者数の目標数値が上積みされたところに注目しているということです。

(フリップ1:今週のピックアップトピックス)
(1) 全人代、主要数値目標出揃う
(2) 消費者物価 0.8%上昇
(3) “315晩会”に戦々恐々

(1) 全人代、主要数値目標出揃う

5日、北京で始まった全人代(全国人民代表大会)。李克強首相は今年の経済成長率の目標を去年より引き下げ、6.5%前後にすると発表したほか、固定資産税投資や消費の目標も相次いで引き下げた。

《三井物産戦略研究所/小泉芳雄氏》
「多少、実態に即してというか、あまり地方政府に無理させないレベルまで、出来る限りのところまで落として、6.5%前後という数字が出来上がったものと思います。」

一方で、雇用や貧困対策の目標は去年並みかそれ以上で、小泉さんが特に注目したのは、都市部の新規就業者数の数値目標が引き上げられたことだという。

《小泉氏》 「今年、大卒者が約100万人増えるという中で、あえてこの数値を100万人上積みして、1100万人にしたというのは、結構びっくりしたし、結構意図があるのだろう。高学歴の人がどんどん増えていく。この辺(の人材)が就職難に陥ると、将来、社会不安の種になりかねないという危機意識があるところから、ここにある程度、強いメッセージを込めたものと思います。」

--秋の党大会を控えて、国民ファーストといったところなんでしょうかね。
 

(2) 消費者物価 0.8%上昇

(フリップ2:大幅下落の要因は春節)
昨日発表された2月の消費者物価指数は、1年前に比べて0.8%の上昇にとどまった。上昇率は前月比1.7ポイント下落した。小泉さんは物価が上昇しやすい春節が、今年は1月だったことが最大の要因と見ていて、去年の夏から続く緩やかな物価上昇の傾向は変わらないとみている。
 

(3) “315晩会”に戦々恐々

中国では今月15日、毎年恒例の“315晩会”が放送される。“315晩会”とは、中国中央テレビが世界消費者権利デーの3月15日に合わせて、中国の消費者の権利を侵害したとみなす企業やサービスを名指し批判する特別番組である。去年やり玉に挙げられた企業の1つは、ネットを使った外食宅配サービス企業で、サイト上では清潔な店舗写真が掲載されているのに、実際には汚い厨房で料理が作られていた行為が標的になった。

《小泉氏》 「CCTV(中国中央テレビ)は前年の10月頃から極秘に対象を絞って、必要に応じて潜入調査を行ったりして、一方、対象となる企業は最悪の事態を想定して、謝罪文を用意したり、当日は番組を最初から最後までしっかり社員全員で見るというような対応に追われていると聞いています。」

過去には日産自動車やフォルクスワーゲン、アップル、ニコン、マクドナルドなど外資系企業もやり玉に挙げられたが、去年は外資系企業の名前はなかった。今年の対象企業について、小泉さんはどう見ているのか。

《小泉氏》 「今年に関しても、基本的に中央政府は、外資系企業の誘致を掲げているので、あまりいたずらに外資系企業を刺激したいとは思っていない思います。ただ昨今の(政治的)情勢を見ると、外資系企業の中でも、韓国、アメリカ、あるいは日本辺りの企業が必ずしも上がらないと言い切れる状態にはないと思います。」

--15日、これは注目ですけど、ある意味、聴視者ファーストの番組ですね。
 

■日経朝特急

知財、過度な節税防止
財務省は、企業が特許権などの知的財産を税金の安い国の子会社に移す、といった節税策を取りにくいようにする。現在は知的財産を海外に移す時にしか課税ができないが、あとで稼ぎが膨らんだ場合に、日本から再課税できる仕組みの導入を検討する。知的財産を低い税率の国に移して、租税回避するやり口が国際的な問題になっていて、日本企業にも広がる前に先手を打つ。2018年度の税制改正で導入を目指す。
 

東芝、ウェスチングハウスを非子会社に
東芝としては海外の原子力事業から撤退することになる。連結対象から切り離し、原発リスクが業績に与える影響を最小限に抑える。ただ譲渡先探しは難航も予想される。またニュースでもお伝えした破産法の適用申請も有力案として関係者と調整している。


アラムコ誘致、懸命のトップ外交
日本取引所グループの清田CEOがサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」のIPO誘致へトップ外交を繰り広げている。サウジアラビアのサルマン国王は来週、来日する見通しだが、清田氏は随行するアラムコ経営陣などと会談し、現地の証券取引所とも協力関係を結ぶ予定だ。ただ外国籍の東証上場企業は減少が続いている。1991年の127社をピークに減少し、今は6社だけだ。サウジ側が上場市場を決めるとされる今年半ばまで、日本取引所の勝負の時は続く。
 

■日刊モーサテジャーナル

米トランプ大統領、インフラ投資、早期着手目指す
トランプ大統領、肝いりのインフラ投資を今後どのように進めるのか、大統領はホワイトハウスの関係者にインフラ投資の指針を作成するよう指示した模様だ。
ウォールストリートジャーナルによると、「例えば道路の整備について、トランプ大統領は、新たな道路の建設よりも既存道路や高速道路の修復を優先する考えだということ。また州政府が連邦政府から拠出された予算を使って公共事業を進める場合、拠出されてから90日以内にプロジェクトを開始するよう要請する構え。」
できるだけ素早く経済効果を実現させる狙いがあるようだが、ワシントンポストは、「財政赤字が膨らむ中、そもそも1兆ドルにものぼるインフラ投資の財源をどこから調達するか、不透明だ。」、と指摘したうえで、「早期に着手するといっても、果たしてできるのか。」、と疑問を呈している。
 

ビジネスクラスで激しい価格競争(ウォールストリートジャーナル)
アメリカのLCC(格安航空会社)「ジェットブルー」が提供するビジネスクラスのシート。一部LCCは長距離便を中心に高級シートを格安で提供していて、ビジネスクラスの価格競争が激しくなっている。記事は、ジェットブルーのほか、エアアジアなどがフルフラットになるシートを備えたビジネスクラスを格安で販売していることに注目。例えば、NY-ロサンゼルス間のビジネスクラスでは、ジェットブルーでは往復およそ1500ドル。一方、ある調査によると、大手航空会社のビジネスクラスは2014年は片道平均2200ドルだったのが、2017年には1300ドルに下がった模様だ。デルタ航空はビジネスクラスの正規料金を前年比25%値下げしていて、記事はLCCがもたらしたインパクトは大きいと分析している。
 

ネアンデルタール人歯垢に抗生物質成分(USAトゥデイ、ワシントンポスト)
5万年前のネアンデルタール人の歯の写真。オーストラリアなどの研究チームがスペインやベルギーの遺跡から見つかった歯に残った歯垢のDNAを調べたところ、現在では鎮静剤や抗生物質に使われる成分を含む植物やカビが付着していたことが分かった、と伝えている。こうした植物やカビで化膿した部分を治療していた可能性も浮上し、研究チームは現代段階では確証はないが、高度な医療知識を持っていたという証拠に繋がるかもしれない、と話している。
 

・ 「米トランプ大統領、インフラ投資」、どう見る?

--アメリカのインフラ投資、どうでしょう、期待通りすぐに出るのでしょうか。

《野村総研/井上哲也氏》
「ええ、オバマさんのやった実例を元にやはり(アメリカの人たちが)議論をしていたんですけれども、あの時は2年半ぐらいかかっているというんですよね。法律が成立してから、実際にお金が集中して出るまで。ですからその点をやっぱり前提に、60日以内だとか、90日以内だとかいう、そういうオーダーではないんじゃないかという議論なんだと思うんですね。」

--ずいぶん時間がかかりますね。日本だとすぐに出て即効性があるという感じですが・・・。

「皮肉を言われましたけど、君たちみたいに毎年やっているわけじゃないかねっていうふうに言われました。」
 

■今日の予定

1-3月期法人企業景気予測調査
メジャーSQ
米2月雇用統計
米2月財政収支
 

■ニュース

ECB総裁 緩和維持の必要性訴える
ECB=ヨーロッパ中央銀行は9日に開いた理事会で政策金利の現状維持を決めました。理事会後に記者会見したドラギ総裁は金融緩和を維持する必要性を改めて訴えました。
《ECB・ドラギ総裁》 「ECBの金融政策は引き続き緩和的な姿勢を継続する。緩和策は物価目標を継続的に達成するために必要だからだ。」
ただ、追加緩和を講じる緊急性はないとの考えを併せて示しました。また、ユーロ圏の消費者物価指数がECBが目標とする2%弱を上回るなどこのところ上昇が続く物価については、「上昇圧力は依然として弱い」と述べました。その一方で、ECBは今年の経済成長見通しを去年12月の時点から0.1ポイント上方修正し1.8%のプラスになると予想しています。
 
 
米 人員削減数 ↓19%
アメリカの雇用市場の堅調さが改めて確認されました。民間の雇用サービス会社が発表した2月の人員削減数は、前の月に比べ19%減少しました。既存店の売り上げが不調の百貨店など小売セクターの人員削減は依然、高い水準にあるもののシェールオイルの掘削が再び活発化しているエネルギーセクターの人員削減は1年前に比べ87%減少しました。一方、労働省が発表した先週1週間の新規失業保険申請者数は24万3,000人と前の週に比べ2万人増加しましたが低い水準を維持しています。4週移動平均は2,250人の増加でした。
 
 
米 輸入物価 3ヵ月連続上昇
アメリカ労働省が発表した2月の輸入物価指数は前の月に比べ0.2%のプラスとなり3ヵ月連続の上昇となりました。石油を除く工業用の素材や食品の輸入価格が上昇し全体を押し上げました。また、1年前と比べると4.6%プラスで、上昇幅は2012年2月以来の大きさでした。
 
 
EU首脳会議 トゥスク大統領の再任決定
EU=ヨーロッパ連合は9日に開いた首脳会議で、任期切れが迫るトゥスク大統領の再任を決めました。ただ、トゥスク大統領の出身国、ポーランドは、与党の党首がかつての政敵ということもあり、再任に反対したもようです。今回の決定を受け、トゥスク大統領は「EUをより良くするため最善を尽くす」と抱負を述べました。
 
 
物流倉庫火災でアスクル社長が陳謝
オフィス用品通販大手アスクルの岩田社長はきのう、東京都内で記者会見し、埼玉県の物流倉庫で発生した火災に関して「多大なご迷惑を掛けた」と謝罪しました。(アスクル・岩田社長)「近隣の皆様多くのお客様、取引関係先の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」2月に埼玉県の物流倉庫で発生した火災は鎮火におよそ2週間かかるなど、大規模な被害をもたらしました。岩田社長は、欠品や遅配を解消するため今後、東京都内と埼玉県所沢市などに代わりの物流施設を整備する計画も説明しました。また、一部サービスを休止している個人向けのインターネット通販事業「ロハコ」についても、9月末をめどに完全復旧させる方針を示しました。
 
 
東芝の米原発子会社 破産法弁護士と契約か
経営再建中の東芝が、アメリカの原発子会社に、破産法の適用を申請させる方向で調整していることがわかりました。ロイター通信は、東芝が巨額損失を負う原因となったアメリカの原発子会社「ウェスチングハウス」が、破産法を専門とする弁護士と契約を結んだと報じました。「ウェスチングハウス」は、原発工事の遅れなどにより今後、さらに損失が膨らむ可能性があることから、東芝は、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条を使い、切り離すことを検討しています。ただ、破産法が適用された場合、アメリカ国民の負担が発生することになるため、外交問題に発展する可能性があります。「ウェスチングハウス」を巡っては、来週半ばに、世耕経済産業大臣が訪米し、アメリカのエネルギー担当の高官と協議する模様です。
 
 
セブン&アイのプライベートブランド 生鮮食品に拡大
セブンアンドアイ・ホールディングスは、10周年を迎えるプライベートブランド商品の新戦略として、生鮮食品の取り扱いを始めると発表しました。第1弾は、標高1,000メートル以上のフィリピンの農園で栽培したバナナなど3商品で、イトーヨーカドーなどで順次取り扱います。ブランド力があり利益率も高いプライベートブランドを生鮮食品に広げ、苦戦するスーパー部門を強化したい考えです。
 
 
独 新興右派AfD 「状況次第でEUから離脱すべき」
9月のドイツ連邦議会選で第3党に躍進する勢いを見せる新興右派政党、「AfD=ドイツのための選択肢」は9日、選挙公約を発表し状況次第で、EU=ヨーロッパ連合から離脱すべきを訴えました。AfDはEUは中央集権的だとしてドイツの利益をより追求する国家の連合に改変するよう要求し、実現できなければ「EUから離脱せざるを得ない」と主張しました。EUの中心的な役割を果たし「EUの盟主」とも称されるメルケル首相が率いる与党に対し、対決姿勢を鮮明にした形です。下院選でAfDが躍進すれば選挙後のドイツのEU政策に影響を与える可能性が高まります。
 
 
「森友小」の現地調査 大阪府 途中で打ち切り
国有地の売却問題で、学校法人「森友学園」が小学校を建設している土地に、大阪府が調査に入りました。しかし、調査はほとんど進まず、途中で打ち切りとなりました。調査では、工事費用や、ごみ搬出計画などについて、学園側から説明を求める予定でしたが、森友学園の籠池理事長の妻が府の職員を撮影し始めたため、途中で打ち切られました。大阪府は再度調査を実施する方針ですが、籠池理事長の妻が同席する場合は行わないと学園側に通告しました。
 
 
小池新党「国政研究会」設立へ
東京都の小池知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が、国政についての勉強会を今月中にも立ち上げることが関係者への取材でわかりました。勉強会の名前は「国政研究会」で、参加者は小池知事が設立した政治塾「希望の塾」から選ばれます。会の目的は、都政と国政の関係を研究するためとしていますが、衆議院選挙の候補者を発掘する狙いもあるとみられます。
 
 
サムスン側 起訴内容を全面否認
韓国の国政介入事件で、贈賄の罪などで起訴されたサムスングループの事実上のトップ、李在鎔被告の初公判に当たる公判準備手続きがきのう、開かれました。李被告はグループ内の企業合併で、政府に便宜供与を受けた見返りに朴槿恵大統領側に巨額の賄賂を贈ったとされています。李被告は出廷しませんでしたが、弁護人は起訴内容を全て否認しました。
 
 
「大統領のフェラーリ」が競売へ
今月31日からフロリダ州で行われるクラシックカーや希少価値の高いスポーツカーを集めたオークションでトランプ大統領が所有していたフェラーリが競売にかけられる見通しです。トランプ大統領が過去に新車で購入したという2007年モデルのフェラーリF430の予想の最高落札価格は、35万ドル=およそ4,000万円です。当時の販売価格が18万ドル程度だったので2倍近く価値が上がったことになります。トランプ大統領はこの車を4年間保有し、合計で3,800キロほど乗った、ということです。
 

■【コメンテーター】野村総研/井上哲也氏

・ ECB理事会・タカ派の印象

--ECB理事会が経済見通しを出しました。これを見ますと、景気には強気なほうに見て取れますね。19年は据え置きましたが、GDP・インフレ率ともに、17年・18年ともに上方修正です。

《ECBによる経済見通し(前年比%)》
            17年         18年       19年
・ 実質GDP   1.8(前回1.7)  1.7(1.6)  1.6(1.6)
・ インフレ率   1.7(前回1.3)  1.6(1.5)  1.7(1.7)
・ コアインフレ率 1.1         1.5       1.8 

「はい、そうですね。潜在成長率が1.1とか、1.2ぐらいのレベルですので、この(表の)1.8とか1.7という数字がかなりたかいですよね。」

--そうですよね。それからインフレ率に関しましては、前回よりも17年はかなり強く(1.7と)見ていますが、これは一時的で、原油の価格なんだと・・・。

「ええ、そうですね。それから食料品の価格も上がりましたので、ということですけれども、ただ実はあまり注目されていませんけれども、コアインフレ率で見ますと、18年にはだいたいコアインフレ率とヘッドラインのインフレ率が収斂するということは、一時的要因がなくなって自力でもこのぐらいのレベルになるというふうに見ているということですので、やっぱりこのドラギさんの説明と少し数字がちょっと違う感じがありますよね。ドラギさんは少し抑え気味に言ったという感じがありますね。」

--こういう数字を見ますと、やはり出口論というものも出てきますね。

「そうですね。ですからヨーロッパのマーケットでは、18年に、もしかしたらテーパリングとともに利上げが始まるのかなというふうに話し出した人が出てきているという感じですね。」

--量的緩和の縮小と利上げを一緒にするんですか。

「いまECBは、アメリカと同じように、量的緩和が終わった後に、利上げを始めるというロジックで言っているわけですけれど、その声明文自体が変わるんじゃないかということを考え始めているという感じがして、昨日の記者会見でもその質問が出ていました。」

--となると量的緩和を、今は12月まではやるというふうに言っていますけれども、その後、徐々に少なくしていくのではなくて・・・。
「ええ、時間をかけないで、もしかしたら変更的にやるのか、あるいは量的緩和をかなり速いペースで落としていくのか、ということを考え始めたのかなというふうに思います。」
 

・ きょうの経済視点 「forward guidanceへの信認?」

「forward guidanceって、中央銀行が先行きの政策について約束するということです。今まで日本もアメリカもヨーロッパも使ってきましたけども、正常化を始めたときにはだんだんこれを外していかないといけないわけですね。ですから今回のヨーロッパについても、量的緩和を続けてそのあと政策金利を上げます、という話がだんだん、本当にそうなのかなというふうに思い出していると思いますし、来週のFOMCも、本当に3回なのかなという話になってきているわけです。」

--でもそれはしないといけないことですか。環境がそれだけ急激に変わってきたということもあるんでしょうか。

「正常化をするプロセスでは、経済状況に合わせてフレキシブルに動かさないといけないので、なかなかもう約束はできなくなってしまうわけですね。」

--日本もいずれそういう日が来るでしょうか。

「結構先かもしれないですけどね。」
 

2017.3.9 Newsモーニングサテライト

2017年03月09日 15時47分29秒 | MS
■マーケット

NYダウ3日続落
来週の利上げは、ほぼ織り込み済みとはいえ、予想以上の雇用環境の改善で市場は、その先を気にし始めているかもしれません。民間の雇用報告は市場予想を10万人以上、上回る強さで、雇用統計への注目度がさらに高まった感はあるかもしれません。結果次第では、今後の利上げペースの議論にも影響を与えそうです。週間在庫統計で原油供給が増え全体の在庫が週間ベースで過去最高を更新し、原油価格が軟調。その原油価格が引け間際に一段安になった事で小幅なレンジでのもみ合いが続いていた株価も、一時、下げ幅を拡大しました。現在の株価です。ダウは3日続落です。69ドル安、2万855ドル。ナスダックは3日ぶりの反発です。3ポイント上昇、5,837。S&P500は3日続落。5ポイントマイナス、2,362でした。
 
【NY証券取引所中継】米 気になる還付金の行方
解説は米国みずほ証券の中川義裕氏

--引けにかけても株価動いてますね。

そうですね。ADPの雇用者数が市場予想を大きく上回ったものの、原油価格の下落をきっかけにエネルギーセクターが相場の重しとなり、足下で主要株指数はまちまちで推移しています。

--さてこの時期、市場である資金に注目が集まりますよね。

はい、それは税金の還付金です。アメリカはいま確定申告シーズンの真っただ中で、内国歳入庁の予測では、今年は1億5000万人が還付金を手にすると見込まれています。ちなみに昨年の還付金は、1人当たり平均2860ドル(約32万円)でした。

--気になるのはこのお金の今後の行き先ですよね。

(フリップ:米還付金の使い道)
はい、とある調査によりますと、還付金を旅行やショッピングに費やすと回答した人は6%にとどまりました。一方で、27%が負債の返済、また34%が貯蓄・投資に回すと回答しており、特にミレニアルズでその傾向が顕著です。物の購入にはあまり興味がないとされているミレニアルズですが、投資意欲が高いことは株式市場には追い風となりそうです。
 

【NY証券取引所中継】米 利上げに焦る?FRB
解説は米国みずほ証券の中川義裕氏

--様子見は日に日に強まっているようですね。

そうですね。ADPの雇用者数が市場予想を大きく上回った一方、原油価格の下落をきっかけにエネルギーセクターが相場の重しとなりました。

--さて世界が注目する来週のFOMCなんですが、利上げに向けた方向転換は、かなり急な感じは否めませんよね。

(フリップ1:利上げを急速に織り込む市場)
はい、利上げの可能性が織り込まれたのはここ1~2週間のことで、実は1ヵ月前時点では、利上げ予想確率は50%以下でした。ある調査によれば、1991年以降、0.25%の利上げは27回実施されてきましたが、FOMC開催の1ヵ月前時点で利上げ予想確率が60%未満であるにもかかわらず、実際に利上げが行われたのは、たった3回しかありません。

--そうなんですね。ということはFRBは焦っているんでしょうか。

はい、先月はイエレン議長の議会証言以降のFRB高官の発言にヒントがあります。例えば、ダラス連銀のカプラン総裁は、「今後、後手に回って、より積極的に動く必要性を感じるような状況は晒されたくない」などと述べています。
(フリップ2:利上げ出遅れ?)
投資家の強気な行動の引き金となるアニマル・スピリットを示すとされるNFIB(中小企業楽観指数)の急上昇などがみられる中で、FRB内で利上げが出遅れてしまっているという認識が高まったために、3月の利上げに前向きに転じた可能性も考えられます。

--今回は会合後イエレン議長の会見があります。どんな点が注目ですか。

現状へのキャッチアップが利上げの理由と明らかにされれば、これまでタカ派的な姿勢をとりつつも、実際にはハト派的な対応を続けてきたFRBのスタンスは変わっていないと捉えられ、株式市場は好感しそうです。一方で、先行きを見据えた政策姿勢を強め、名実ともにタカ派に転じたと捉えられた場合には、株価にとってネガティブに作用する可能性もあります。
 

【為替見通し】注目ポイントは「日米金利差へのドル/円の反応」
解説はJPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉氏

--まずNY市場を振り返っていかがでしょうか。

アメリカの金利主導の展開が続いています。欧州時間帯からアメリカの金利が上昇する中でドルが買われていましたが、ニューヨーク時間に発表されたADP雇用統計が強い結果となると、金利は一段と上昇して、ドル円は114円台の後半まで上昇しています。しかしそのあとは金利が反転低下する中で、ドルがやや売り戻される展開になっています。

--今日の予想レンジは、113.60-114.80、注目ポイントは「日米金利差へのドル/円の反応」です。

(フリップ1:金利差に対する反応が鈍くなる)
アメリカの金利主導の展開は続いていますが、金利差に対するドル円の反応は以前に比べて鈍くなってきています。例えば昨年11月から12月にかけては、日米10年金利差が0.1%ポイント拡大すると、ドル円は2.8円上昇していましたが、2月以降の相関で見ると、1.1円しか上昇しなくなっています。

--レンジ相場が続いているドル円ですけれども、今後の見通しはいかがですか。

3月の利上げがほぼ織り込まれるなかで、アメリカの長期金利が直近ピークを大きく上回って上昇する可能性は低いとみられることから、ドル円が115円台半ばのレンジの上限を抜けるのは難しいと見ています。

(フリップ2:3月以降の政治イベント)
3月15日   オランダ総選挙
16日(予定) 世耕経産大臣、ロス商務長官会談
17~18日  独G20財務相、中央銀行総裁会議
4月17日or18日(予定) 第1回日米経済対話
4月中(予定) 米財務省半期為替報告書

一方で、3月半ばから来月にかけては政治イベントが目白押しで、15日のFOMCの結果発表以降は、再び政治に市場の注目がシフトしていくと見ています。今年1月には、アメリカ当局者によるドル高けん制や、アメリカの保護主義姿勢に対する懸念から、ドルが全面安となりましたが、再び同様の展開となる可能性が高いと見ています。ドル円は上値の重い展開が予想され、リスクはレンジ下向き方向に傾いていると見ています。6月末のドル円の予想レートは105円です。

【日本株見通し】注目ポイントは「円相場と物色動向」
解説は大和証券の石黒英之氏
 
--今日の予想レンジは、19200円~19400円です。

来週にFOMCやオランダ総選挙といった相場を左右する見極め材料を数多く控えていることもありますので、本日の日本株は買い先行後、揉み合いの展開を想定しています。

--注目ポイントは「円相場と物色動向」です。

(フリップ1:相関性が高い)
日本株は輸出企業の占める比率が高いこともありまして、円相場と海外税の日本株投資スタンスは相関性が高いということが分かります。日米金利差とドル円の関係から見ますと、現在の金利差における適正水準は、1ドル107円程度と考えておりまして、足下のドル円水準は既にトランプ大統領の政策期待であったり、利上げ期待が織り込まれている可能性が高いと言えます。目先、円安が進みにくいということを踏まえますと、海外勢の日本株買いは期待しづらいんじゃないかというふうに見ています。

--となると海外勢の買いが期待できないのであるならば、今後どういった点に注目すればいいんでしょうか。

(フリップ2:円安一服局面では成長株物色?)
円安に振れる場面では、その恩恵を受ける中小企業を中心とした割安株に資金が向かう傾向がありますけども、現在のように円安一服局面では、成長株に資金が向かう傾向が強いです。成長株の中には円相場の影響に関係なく、独自の成長ストーリーを有する企業が数多く存在してますので、ジャスダックの連騰から見ても分かりますように、当面は成長株への資金流入が継続するというふうに見ております。

 
■【プロの眼】偏りのある日銀買い入れ
日銀の国債買い入れについてゾーン別の「偏り」が気掛かりだ。日銀の買入れは長期ゾーンが中心であり、超長期、特に25年超の買入れの発行額に対する比率が極端に低い。超長期ゾーンの利回りは上昇しやすいと考えられ、超長期ゾーンの利回り上昇が10年債に波及しイールド・カーブ・コントロールがうまく働かなくなる可能性があると指摘する。解説は東海東京証券の佐野一彦氏。
 
 
(フリップ1:日本10年債)
--日銀の買い入れなどによるイールドカーブ・コントロール、いま効果的というようにも言われていますけれども、いったん上昇した10年債の利回りも、ご覧のように落ち着きましたよね。
 
 

(フリップ2:利回り曲線の低下は限定的)
「そうですね。ただ気になりますのは、下がったと言ってもあまり大きな下がり方をしていない。例えば、イールドカーブ、国債の利回り曲線全体をご覧いただきますと、10年もそうなんですけれども、例えば、直近に比べてあまり変化してないですよね。さらに昨年9月20日というのはイールドカーブコントロールを決める前日ですので、かなり距離があるという感じがします。」

--これはアメリカのトランプ大統領誕生による金利上昇に吊られたとも考えられませんか。

「そうですね。それが勿論一番大きな理由なんですけれども、今日のテーマでもあります通り、実は日銀は2月に買い入れを増やして、金利が下がったんですけれども、ゾーン別年限による偏りが少し気になるなというところがあります。」

--年限というのは、(フリップ1の)左のほうが短いところ、右のほうが長いところ、では、どのように買っているのか、(フリップ2で)見ていきましょう。これを見ますと、((B)10年超25年以下)と((C)25年超)の部分が少ないですね。

(フリップ3:超長期債の買い入れ少ない)
「そうですね。青いのが発行額、それに対して、赤いほうが日銀の買い入れ額、これは来年度の発行計画なんですけれども、10年をコントロールするわけですから、((A)5年超10年以下)が一番多いのは分かるんですが、(BC)超長期ゾーン、とりわけ(C)25年超をご覧いただくと、半分も買わないわけですよね。そうすると、何というんでしょうか、しっぽが胴体を振り回す、すなわちここ(C)の需給が緩和しますので、長いところの利回りが上がることによって、10年自身のコントロールも難しくなる、そういった局面が今後出てくることも考えられますし、そういった不安がマーケットにあるので、今も全体として利回りが下がってないというところは指摘できると思います。」

--ただ日銀としては長ければ長いほどリスクも高まるわけですから、あまりここは買い入れは増やしたくないところですものね。

「そうですね、やはり長く日銀のバランスシートに残りますから、それを毀損させたくなというのもあるんでしょうし、ただ10年を押さえるために超長期ゾーンを増やしたくないのに増やすということになれば、それは例えば、財政ファイナンスというのは言い過ぎなのかもしれませんけれども、そういった思惑が強まると却って余計にコントロールが効かなくなるという可能性も出てくるんじゃないかなと思います。」

--今はうまくいっているように見えていますけれども、このイールドカーブコントロールも、コントロールが難しくなる局面は来るかもしれないということですね。そのジレンマとどう戦うかですね。
 

■【特集】自治体が変わる!?スマホファースト
今、日本各地の自治体がスマートフォンを入口とした情報発信、いわゆる「スマホファースト」の強化に動いています。そこで起きている変化を追いました。
 
取材先
・岩手県
・モバイルファクトリー
・LINE
・渋谷区

【“駅メモ”で観光客が急増!?】
岩手県は位置情報を活用したゲーム「ステーションメモリーズ」を手がけるモバイルファクトリーと組んで、観光客が減る冬場の集客を狙って、限定グッズが買えたり、ゲーム内で貴重なアイテムが手に入ったりするイベントを開催。いわて銀河鉄道の盛岡駅には多い日で1日100人以上のファンが訪れています。岩手県秘書広報室長の保和衛さんはゲームを使った観光PRが「少ない費用で効果を上げる大きな手段になりうる」と話します。

ローカル線のIGRいわて銀河鉄道の盛岡駅。冬は観光のオフシーズンだが、2月に入って一人旅をする男性の姿が増えているという。
男性が1500円で駅員から買ったのは“ステーションメモーリズ”、通称“駅メモ”のグッズだ。期間限定のイベントとして盛岡駅だけで買える“ミニスタンプアクリルフィギュアセット”(2005TOMYTEC/小鳥谷スピカ)。駅メモはスマホの位置情報を活用したゲーム。ゲームの利用者が全国9100以上の駅を多く訪れるほどキャラクターのレベルが上っていく。
仙台から来たという男性は、駅メモのイベントをきっかけに岩手に来た。イベント開始以降、多い日には1日100人以上のファンが盛岡駅を訪れている。ゲームの運営会社と組んで、このイベントを仕掛けたのが岩手県。

《岩手県秘書広報室/保和衛さん》
「ゲームを媒体として岩手のことを伝えることが出来るのではないか。」

岩手県は2014年に位置情報ゲーム活用についての協議会を発足した。「駅メモ」を手掛けるモバイルファクトリー(東京・品川区)と連携協定を結び、観光客が減る冬場の集客を狙ってイベントを開催。岩手県との連携を主導したモバイルファクトリーの宮井さんも、ゲームが地域振興に役立つと言う。

《モバイルファクトリー/宮井秀卓取締役》
「ゲームユーザーは(訪問先で)ほぼ100%ゲームの情報を見るので、そこで地域情報をお知らせしてあげることで、(ユーザーが)今いる場所の情報を知ることができる。経済効果として、鉄道移動・飲食・宿泊、そういったところにつながるのでは、と思っています。」

【行政の情報はLINEで!?】
東京・渋谷区は通信アプリ大手のLINEと連携協定を結び、先月から子育て情報の配信を始めました。子どもの誕生日や、住んでいる地域を登録すると、必要な情報がLINEを通じて直接届きます。

LINEも自治体との連携に乗り出している。先月から東京・渋谷区と組んで情報配信を始めた。渋谷区の中幡・笹塚子育て支援センターは、渋谷区に住む小学校に入学する前の子供とその親が集まる施設である。ここに集まる親たちには子育てに関する共通の悩みがあった。これまで健康診断や予防接種など子育て情報は、主に広報誌やホームページで発信されていた。しかし小さい子供を持つ親はそれらをじっくり見る余裕がなかった。そこで先月15日から、渋谷区はLINEで子育て情報の配信を始めた。子供の誕生日や住んでいる地域を登録すると、必要な情報が直接届く。渋谷区は今後、防災情報の配信などにもLINEの活用を検討している。

《渋谷区/長谷部健区長》
「LINEのいいところは既に使っているユーザーが多い。そのプラットホームを使えば、より効率よく広範囲に届くと期待している。」

自治体のスマホファーストは情報発信の強化につながるのか。
 

■日経朝特急

金融庁、地銀に特別検査
金融庁は地方銀行の運用部門に焦点を当てた特別検査を実施する。地銀は日銀のマイナス金利政策の影響で投資しにくくなった国債に代わり、少しでも高い利回りを求め、外債や複雑な仕組みの運用商品への投資を膨らませている。足下のアメリカ金利上昇で、多額の含み損を抱えたり、実際に損失を出したりしている地銀が多いため、警戒を強める。まず地銀3グループ程度に立ち入り検査し、必要に応じて対象を広げる。


・ 金融庁、地銀に特別検査、外債で運用損

--これはちょっと厳しいというか、地銀にとってみれは、日銀の政策でリスクをとるしかなかったというところもありますよね。

《東海東京証券/佐野一彦氏》
「そうですね。リスクを取らないところにリターンは生まれないですから。おそらく今年度はまだ国内の金利が大幅に下がりましたので、そこでの収益といったものが一定にあった。ですから外債での損失もそんなに気にならないところはあるのかと・・・。ただ来年度はどちらも金利が極めて低い状況。とりわけアメリカのほうは利回りが上がるというリスクがありますので、何でリスクを取ったらいいのだろうというのが・・・。」

--いま頭を悩ませている地銀は多いでしょうね。

 
小型株に個人資金
日経ジャスダック平均株価はきのう、およそ13年ぶりとなる19日続伸を記録した。トランプ大統領の政策や為替変動で業績が左右される大型株と異なり、小型株は内需企業が多く、業績も好調だ。個人の投資余力も増していて、シャスダック平均は25年8か月ぶりの高値。東証2部株価指数なども歴史的な高値圏にある。
 

トヨタ、4年連続ベア
トヨタ自動車と日産自動車は、今年の春季労使交渉で4年連続ベースアップを実施する方針を固めた。経営環境は厳しさを増しているが、人への投資を通じて働き方改革の実現などにつなげたい考えだ。交渉のリード役である自動車大手がベアに踏み切ることで、他の企業の交渉の行方にも影響を与えそうだ。
 

■日刊モーサテジャーナル

ウィキリークス、CIAハッキング技術を公開
内部告発サイト「ウィキリークス」がアメリカのCIA(中央情報局)のハッキング技術に関する内部資料を入手し、一部を公開したことについて、各紙が一面で大きく報じている。スマートフォンに侵入し情報を収集できるほか、スマートテレビを盗聴器として使う技術も開発しているという。
ワシントンポストは、「スパイはあなたのポケットにもリビングにもいる」、との見出し。各紙はその脅威を伝えている。
一方で、ウォールストリートジャーナルは、「一部でウィキリークスをヒーローのように扱う風潮がみられるが、こうした情報収集は、国民ではなく、テロの容疑者などが対象で、今回の暴露でこれまでの労力や資金も無駄となり、実はアメリカに大きな損失をもたらしている。」、と伝えている。また記事は、ウィキリークスは、「中国やロシアの機密事項を暴露したことは無いようだ。」、として、「アメリカを衰退させたいのでは。」、と彼らの狙いを分析している。
 

オランダ総選挙に米国マネー流入(ニューヨークタイムズ)
来週15日のオランダ総選挙で、オランダのトランプと呼ばれるウィルダース氏率いる極右政党の自由党が第一党となる勢いを見せる中、今回の選挙には新たにアメリカからマネーが流れている、と伝えている。記事によると、ウィルダース氏が反EU、反イスラムを掲げていることからアメリカの極右活動から自由党に対し、ここ2年にわたり献金があるとのこと。例えば、2015年はその額は12万ドルで、オランダの政界ではこの年、個人献金としては最高だったという。
オランダの選挙戦を巡っては、既にロシアからハッキングや偽情報が流されるなど干渉があるとも言われ、アメリカからの金銭的な干渉も国家主権への攻撃に値する、と一部から懸念の声が上がっているという。
 

アマゾン・ベゾスCEOの宇宙事業へ野望
ニューヨークタイムズなどが、アマゾンのベゾスCEOが設立した宇宙事業ベンチャーのブルーオリジンが、フランスの衛星大手ユーテルサットコミュニケーションズと初の衛星打ち上げで契約したと報じ、ベゾスCEOの宇宙事業への野望について伝えている。
ニューヨークタイムズは、今回の契約によりテスラのマスクCEO率いるスペースXと競争できる所まできたと評価。ただベゾス氏の野望はこれにとどまらず、月旅行を2020年頃までに実現させたいと考えているほか、長期的には人々が宇宙で住める環境を作りたい、としている。
 

・ 欧州の政治イベント、EUの行方は

--ここにきてオランダへの総選挙への懸念が高まっているようですね。

《東海東京証券/佐野一彦氏》
「そうですね。今年の最大のテーマはやはりヨーロッパの各地選挙ということですね。去年もまさかということでブレグジットが決まり、これはヨーロッパではないですけれども、トランプ大統領誕生ですよね、ですから今年もまさか・・・。その皮切りがオランダ総選挙ということになりますので・・・。」

--そのあとに続くフランスへの影響ですよね。

「そうですね。やはりフランスはどうなるんですかね。」
 

■今日の予定

2月マネーストック
1月毎月勤労統計
中国消費者物価指数
ECB理事会
EU首脳会議
 

■ニュース

米 民間雇用 予想外の大幅増
アメリカの民間の雇用サービス会社ADPが発表した、2月の雇用報告は、市場予想を大きく上回りました。農業部門以外の民間の雇用者数は29万8,000人の増加と市場予想を10万人以上上回りました。特に建設業や製造業などの雇用が堅調で2014年4月以来、およそ3年ぶりの大幅な伸びとなりました。一方、労働省が発表した去年10月から12月期の労働生産性指数の改定値は1.3%上昇と市場予想は下回りましたが、製造業の生産性は改善しました。また、時給や実質給与などが上方修正されています。良好な雇用指標を受け、市場関係者の間では来週のFOMCでの利上げを確実視する人がさらに増えています。
 
 
国連安保理 新たな制裁検討
北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受け、国連の安全保障理事会は8日、緊急会合を開き、制裁の着実な実行と新たな制裁措置の検討に入ることを確認しました。(別所国連大使)「まずは今ある制裁決議をしっかりと実施していくことと、必要に応じて新たな行動をとることで合意した」また、アメリカのヘイリー国連大使も「全ての選択肢がテーブルの上にある」と述べ、北朝鮮をけん制しました。国連安保理は7日、声明で北朝鮮を非難しましたが、北朝鮮側は「全面的に排撃する」と反発しています。
 
 
英 17年成長予想 2%に上方修正
イギリス政府は8日、EU離脱決定後初めてとなる予算案を発表する中で、今年の経済成長率予想を、去年11月時点の1.4%から2%へ大幅に上方修正しました。ハモンド財務相は「予想外の底堅さを見せてきた」と指摘しましたが、来年以降3年間については、従来予想を下方修正しました。
 
 
米 予算教書「15日に公表」
アメリカ行政管理予算局のマルバニー局長は、トランプ政権の予算教書について、「きょうから1週間後に確実に公表する」と述べ、15日に公表するとの見通しを示しました。アメリカのMSNBCテレビに出演して答えたもので、13日頃になるとの見通しを修正しました。
 
 
ソフトバンク アーム株を一部移管か
ソフトバンクグループが、去年買収したイギリスの半導体開発大手、アーム・ホールディングスの株の一部を、サウジアラビアと共同で立ち上げる投資ファンドに移管するもようです。イギリスのフィナンシャルタイムズ紙が報じたもので、売却額は、およそ80億ドル相当、保有株の25%に当たるということです。
 
 
韓国大統領の罷免は?
韓国の朴槿恵大統領の弾劾訴追案を審理している憲法裁判所は、朴大統領の罷免が妥当かどうかの決定を、あす言い渡すと発表しました。朴大統領は、親友の崔順実被告による国政介入事件など一連の疑惑をめぐり去年12月、韓国の国会に弾劾訴追されました。これを受け、弾劾訴追案を審理していた韓国の憲法裁判所はきのう、朴大統領の罷免が妥当かどうかの決定をあす午前11時に言い渡すと発表しました。罷免が決まると、朴大統領は失職し、60日以内に次の大統領を選ぶ選挙が行われます。棄却された場合、停止中の大統領の権限は回復しますが、朴大統領への辞任を求める声が一層強まるのは必至です。
 
 
金正男氏の息子と確認
マレーシアで殺害された北朝鮮の金正男氏の息子、ハンソル氏を名乗る男性が発表したビデオメッセージについて韓国政府当局者が、「ハンソル氏本人」のものだと確認したことがわかりました。(キム・ハンソル氏を名乗る男性)「私の名前はキム・ハンソルです北朝鮮の金一族の出身です。私の父は数日前に殺されました」ハンソル氏を名乗る男性はきのうまでに「私の父は殺された」などと話すおよそ40秒のビデオメッセージを発表しました。韓国政府当局は、このビデオの中で話す人物は「ハンソル氏本人だ」と確認したということです。一方、脱北者支援を名乗る団体は、正男氏の家族から要請を受け、ハンソル氏や母親を安全な場所へ退避させたとする声明を発表しました。
 
 
日清食品社員が1億円超 横領
日清食品ホールディングスは社員が1億円を超える会社資金を横領したとして8日付けで懲戒解雇処分にしたと発表しました。この社員は2011年ごろから取引先業者と癒着しキックバックを受け取る方法で会社の資金を不正に横領していました。日清食品はこの社員をすでに刑事告訴しています。また、取引先業者に対しても損害賠償請求を行う方針です。
 
 
退位めぐり 詰めの協議
天皇陛下の退位をめぐって、与野党各党による3回目の全体会議が衆議院議長公邸で開かれ、与野党の間で焦点となっている退位を特例法で対応するか、皇室典範改正で対応するかで引き続き議論が行われました。大島衆議院議長は、会議の後、「前回より各党の隔たりが少し縮まった」との認識を示しました。衆参両院の議長らは、これまでの議論を踏まえ、週明けの13日に、各党から個別に意見を聴取します。
 
 
中国 3年ぶり貿易赤字
中国の税関総署がきのう発表した2月のドルベースの貿易収支は91億ドル、約1兆350億円の赤字でした。貿易赤字は2014年2月以来、3年ぶりです。輸出が1年前に比べて1.3%減少する一方、輸入が38.1%増と大幅に伸びました。また輸出と輸入を合わせた2月の貿易総額は15.8%増で2ヵ月連続で前年を上回りました。
 
 
森友学園 小沢代表が視察
(自由党・小沢代表)「お役所仕事とは思えない前例のないスピードで進められている」自由党の小沢代表が大阪・豊中市にある森友学園の小学校予定地を初めて視察しました。小沢代表は国有地売却の経緯についてあまりにも行政の対応が速いことをあげ、「不可解だ」と指摘しました。今後も調査を進めるとしています。
 
 
国際女性デーに昭恵夫人
安倍総理大臣の妻、昭恵夫人は国際女性デーのきのう、東京都内のイベントに参加しました。昭恵夫人は総理夫人としての活動について、「私に注目してもらえれば、活動自体が注目される」と話しました。一方、森友学園の問題については何も話しませんでした。(安倍昭恵総理夫人)「いい形で放送していただきますようくれぐれもよろしくお願いいたします」
 
 
昭恵氏同行は「公務」
安倍総理大臣の妻昭恵夫人が森友学園の系列幼稚園で講演した際に政府職員が付いていったのは「公務」だったと菅官房長官が明らかにしました。「私的行為」としていたこれまでの政府見解を訂正しました。付いていったのは経済産業省出身の職員で夫人の支援のため配置されていました。昭恵夫人をめぐっては政府職員の支援を理由に野党側が「公人」だったと追及していますが総理側は「私人」としています。
 
 
女性たちがトランプ政策に反対
トランプ大統領への反発は根強いようです。8日の国際女性デーに合わせ、トランプ大統領の政策に反対する女性たちがデモ行進を行いました。トランプ大統領は1月、世界各国で人工妊娠中絶を支援している民間団体に政府から助成金を出すことを禁じる大統領令に署名しています。参加した女性は「中絶に関する女性の権利は認めるべきであり、トランプ大統領は女性を攻撃している」と話していました。
 

■【コメンテーター】東海東京証券/佐野一彦氏

・ 米長期金利の行方、次のポイントは

--雇用の環境、ADPを見ても、もちろんブレがある指標ではありますけれども、非常に強いですね。

「そうですね。ですから今週末もう明後日ですけれども、雇用統計を待つことなく利上げは決定的、ですから次に利上げをする判断材料にもなりますけれども、やはりインフレ指標がどうか、とりわけ個人消費支出デフレータが2%を目指すモメンタムになるのか、というのがポイントですよね。」

--今はだいたい未だ1.7%ぐらい、ではそれが2%を目指すような展開になるかどうかを見極めていく。ただこの水準まで行けば、金利はもう少し上がっていきますか。

「そうですね。長期金利3%というのが完全に視野に入るということだと思います。」

--そして利上げの回数もそこからまたどんどん見えてくると・・・。

「そうですね。2回、3回、4回、あるかもしれません。」
 

・ ECB理事会について

--ECB理事会ですけれども、政策変更はないとは思いますが、会見の内容とか、注目ですね。

「そうですね。これから実質的なテーパリングが始まっていく中で、いま欧州の長期金利も全体的に上がり気味という感じなので、気になるところはたくさんありますよね。」

--そうですよね。物価も少し上昇し、リスクオフという意味ではフランス大統領選ですね。

「本来リスクオフというと、フランスの国債利回りが下がりやすいんですが、今回はフランスも含めて南欧諸国の国債利回りが上がりやすいという状況になっていますよね。」
 

・ きょうの経済視点 「YCCのリスクその2」

--これは日銀のイールドカーブコントロールですよね。リスクその2ですか。

「その1は先ほどお話したことなんですけれども、その2のほうが潜在的なリスクが大きいのかなと思っているのは、ここからもし財政の大盤振る舞いということになったとしたら、今までは量でコントロールしてきたわけですよね。その時に日銀が年間残高80兆円に抑えるのであれば、決して財政ファイナスではないと・・・。でも長期金利をゼロ%程度のグリップするのであれば、逆にどんどん量を買わないといけないということになるので、財政ファイナンスのリスクは高まりますよね。」

--金利のコントロールに移したがゆえに、その上下動をコントロールするときに買ってしまうということですか。買う必要が出てくる。

「そうですね。」

 

2017.3.8 Newsモーニングサテライト

2017年03月08日 16時19分54秒 | MS
■マーケット

NY株 続落
株価は小幅なもみ合い。ダウは2万1,000ドル達成から、上値の重い展開が続いています。市場に活気を与える新たな材料は確かに不足気味です。なかなか材料の無い中では、テクニカル的な水準が、投資家心理に影響することも多く、SP500では2,360台半ばの水準を割り込むかどうかもこの先の動きを探る上でのポイントだとの声も聞かれます。医療制度改革で、共和党がオバマケアに変わる代替案を示し、その影響で、ヘルスケア株の動きにも市場は神経質になっています。引き続き、雇用統計待ちのムードも根強く、結果的に方向感が出にくくなっています。ニューヨークの株価終値です。ダウは29ドル安、2万924ドル。ナスダックは15ポイント下落、5,833。S&P500は6ポイントマイナス、2,368でした。

【NY証券取引所中継】米株価展望
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏

--連日冴えない動きですね。

はい、雇用統計、予算教書、FOMCとイベント待ちで動きづらい状況です。トランプ大統領の薬価批判が嫌気される一方、半導体や住宅関連が買われました。

--さてダウは21000ドルを達成してから、少し上値が重いですよね。

はい、ただ大和証券では年末の目標を2万2000ドルに引き上げました。理由は景気の上振れ期待です。連銀が先週一気にスタンスを変えた事自体が市場へのメッセージで、データ次第の様子見から成長加速フェーズに舵を切ったとの受け止めが多いようです。来週のFOMCではバランスシート調整が議論されるか注目です。

--でも一方で、リスクはないんですか。

(フリップ:ダウ下値めどは1万9500ドル)
やはりトランプ大統領の政策遂行のリスクで、ダウの下値めどは19500ドルと見ています。来週には予算教書が発表される予定ですが、通商政策や医療・税制改革など問題山積で、予算計画には程遠いようです。過去を見ると、ブッシュ政権でもおよそ1ヵ月後、オバマ大統領の時は2月に概要が示され、予算教書発表は5月でした。ワシントンの混乱ぶりからすると、今回はかなり遅れそうです。
 

【NY証券取引所中継】米銀行株に上昇余地
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏

--新しい買い材料に乏しいようですね。

そうですね。雇用統計、予算教書、FOMCとイベント待ちで動きづらい状況です。トランプ大統領の薬価批判が嫌気される一方、半導体や住宅関連が買われました。

--さて来週の利上げはほぼ確実視されつつあるんですが、市場への影響はどう見てますか。

はい、トランプラリーの主役、金融株のリーダーシップは続くと考えています。
(フリップ:短期金利上昇(利上げ)は収益に追い風)
ご覧のグラフはFRBが今後、合計1%の利上げをした場合、金利収入にどう影響するかをまとめた銀行自身(バンクオブアメリカ、シティグループ)の試算です。これから分かることは長期金利の動きより、短期金利の上昇が収益に好影響を与えるということです。

--これを見ると、一番右の「利上げなしで長期金利上昇」のほうが金利差拡大で利益が増えると思いきや、そうじゃないんですね。

はい、銀行の金利収入を考える時には、債券市場の金利差ではなく、預金金利と貸出金利の差が重要です。銀行にとって預金金利は調達コストと同じなので、低いほうが有利です。金利感応度の試算では利上げ後の預金金利と貸出金利の反応が違うことがポイントです。

--具体的にはどういう反応の違いですか。

実は利上げをしても、この低金利環境では預金金利が上がるのに1年ほどのタイムラグがあります。一方で、貸出金利は利上げとほぼ連動して上昇します。このため利上げサイクルの初期段階では、銀行の利ザヤの拡大が見込まれるため、銀行株の優位が当面続くと考えています。
 

【為替見通し】注目は「米ファンダメンタルズの見通し」
解説はソシエテジェネラル銀行の鈴木恭輔氏

--方向感のない展開でしたが、NY市場を振り返っていかがでしたでしょうか。

来週にFOMC、予算教書の発表、G20といった大きなイベントが控えていますから、様子見ムードが継続しています。ドル円は114円を挟んだ狭いレンジの推移となっていますね。

--今日の予想レンジは、113.50~114.50円です。

海外時間にはアメリカのADP雇用報告が発表されるんですけども、来週FOMCでの利上げがほぼ完全に織り込まれた状況ですので、強いインパクトを与える材料にはならないと見ています。ドル円は引き続き114円を挟んだ狭いレンジでの展開となりそうです。

--注目は「米ファンダメンタルズの見通し」です。

今後はFRBによる利上げペースに市場参加者の注目が集まりますが、持続的な利上げの織り込みを進めるためには、アメリカの経済見通しでも上昇トレンドの兆しが伴う必要があると思います。
(フリップ:米国の経済見通し↑がドル高のカギ)
ここで市場参加者の2017年から19年までのアメリカのGDP見通しの中心値を見ますと、実は今年の1月以降は大きな変化はありません。すべての年限で横ばいに推移している状況ですね。アメリカの経済の見通しを押し上げていくためには、やはりアメリカの財政政策での具体的な進展を見る必要があると思います。来週16日に公表予定の予算教書をきっかけにして、市場参加者のアメリカ経済見通しに変化が生じて、持続的な利上げの織り込みが進むことで、ドルの上昇の起点になるかに注目してます。

【日本株見通し】注目ポイントは「日経平均-ダウ」
解説はみずほ証券の三浦豊氏

--今日の予想レンジは、19250円~19450円です。

NYダウとドル円が結構方向感に乏しい動きになってますので、本日の日経平均も前日の水準を挟んだ揉み合いになるといったところで、ザラバはちょっと為替の動きにやや左右されやすいかなと思いますね。

--注目ポイントは「日経平均-ダウ」です。

(フリップ:円高でマイナス幅拡大)
日計平均からダウを引いた値というのが、日本株の米国株に対する相対的な強弱感、NY優位感を表すものと考えておりまして、この指標が上昇しますと、日本株が米株に対して優位にあるというところで、逆に下落してますと、日本株は結構出遅れてきているという指標でして、これとドル円の動きを重ねますと、円高時にはこの指標が下落しまして、円安には上昇して、マイナス幅が縮小しているというところで、円高時にはダウ以上に日経平均は下落しやすくて、円安時にはNYダウ以上に日経平均は上昇するといったところで、直近の状況を見ますと、ドル円が115円に接近すると、マイナス1200程度上昇しまして、113円程度まで円高になると、マイナス1700程度まで幅が広がるということが言えますね。

--その差から見た今後の日経平均というのはどうなりそうですか。

そうですね。足下ちょっと円高地合いというところもあるんですけれども、FOMC後はイベント通貨によりまして、円高が止まるということが予想されます。ですからドル円が114円程度であれば、日経平均とNYダウの差はマイナス1500程度というところですので、2万円といったところが1つ注目されているんですが、そこまでいくにはNYダウが21500程度まで上昇するということが必要かなというところですので、いまの動きから考えますと、2万円越えは4月ぐらいかなという感じですので、3月の1万9000円割れは押し目買いの水準といえるんじゃないかなと思いますね。
 

■【プロの眼】働き方改革は正しい方向に向かっているか?
残業時間の圧縮を軸に議論が進んでいるように見受けられる日本企業の働き方改革について、現在の方向性は正しくないのではないかと指摘する。残業時間の圧縮は、「無駄を省く」や、「ワークライフバランスの向上」には効果があるが、そもそも、アベノミクスが成長の柱と据える“生産性の向上”につながる対策なのかどうか、疑問が多い。解説は三井住友銀行の西岡純子氏。

--連日私たちもお伝えしている「働き方改革」ですが、正しい方向に向かっているんでしょうか。

「もちろん無駄な残業時間を圧縮するとか、ワークライフバランスを向上させるという意味では、もちろん重要なことだと思います。ただそれが日本経済底上げの成長戦略に本当にならったものなのかどうかって考えると、やや疑問符が付くところもあるなと思います。」

(フリップ1:日本の成長のけん引役に違い)
--成長力という意味では、生産性の向上というものがよく言われています。そこでGDP(国内総生産)をみると、その動きが分かるということですね。まずGDP(国内総生産)を労働指標で見てみましょう、ということですね。

「この4つの労働生産性、就業率、労働参加率、人口のそれぞれの伸びで、実は成長率というのは分解することができます。まず前回の景気回復局面を振り返ってみたいんですが、ちょうど2000年代前半から2008年ごろまでの動きです。」

--実質成長率、GDPがプラスになっています。

「プラスになった時のけん引役というのは、青の労働生産性の回復でした。この時はただ、企業が働き方改革を進めたというよりは、当時アジア経済を中心とした成長が非常に勢いが良かったので、結果として生産性が良くなったというのが当時の動きでございました。ところが今回はどうかと言いますと、2012年ごろからの動きをご覧いただきますと、確かにプラス成長ではあるんですが、引っ張っているのがオレンジ色の部分の労働参加率に偏っています。本来の生産性は足下でマイナス成長になってしまっていて、ちょっとここが一番厳しいなと思うところです。日本の労働市場というのは、人が減るのはもう分かってしまっていて、だからこそ生産性の回復が必要ですよ、というふうに言っているわけなんですが、現状、例えば女性であるとか、高齢者の労働参加率を押し上げるというところに議論が止まってしまっていて、それに頼りきりになってしまっている状態です。なので本来ならば残業時間を圧縮するというのは、無駄を省くという意味で、意味があることではあるんですけれども、本当に生産性を押し上げるためには何が必要かというと、投資を推し進めることによって、より一人一人の働くパフォーマンスを上げるようなことが進まないと、本質的な生産性回復にはつながらないということかと思います。」

(フリップ2:伸びない設備投資)
--現状、それは本当によく分かるんですね。コチラをご覧いただきましょう。先ほど仰ったように、生産性が上がっていた時期、設備投資が上がっていた時期、バブル景気の時は(設備投資が)良く上がっていたんですね。

「はい、そうですね。これは設備投資を、景気の谷をゼロとして指数化したものなんですけれども、今回の局面、2012年11月から追っかけてみると、当初こそまぁまぁ出ていたんですが、完全に勢いが失せてしまっている状況であります。本来ならば、投資がもっと伸びて、1人当たりの成長性、パフォーマンスが伸びるようなことにならないと、なかなか日本の成長率というのは、雇用の側面から考えると、あまり劇的な回復は見込みにくいなというふうに感じます。」

--時間の制約だけではないんだということですよね。


■【特集】中国 シェア自転車に新商機 問題も続々
中国というと自転車というイメージが強いと思いますが、いま自転車のシェアリングが人気を集めています。去年からサービスが始まったばかりですが、爆発的な普及の裏に中国ならではの問題も出始めています。
 
【中国で急拡大するシェア自転車とは】
中国・上海では今、カラフルな自転車があふれている。シェア自転車が安い利用料と手軽さで、いま都市部を中心に利用者が急増している。中国のシェア自転車はスマホの専用アプリで、誰でも簡単に利用することができる。自転車がどこにあるかは、GPSで管理されているため、アプリ内の地図ですぐに分かる。中国のシェア自転車には、個別の2次元バーコードが設置されていて、スマホをかざすと、無線通信でカギが開き、利用することができる。料金はアプリ内にお金をチャージしておき、カギをかけるまでの間の利用時間に応じて自動決済されるシステムだ。日本円で30分16円程度。毎日1時間乗っても、月およそ1000円だ。去年4月に始まったばかりだが、現在20社が参入し、利用者は延べ3000万人を超えている。そしてシャア自転車が人気を集める秘密が駐輪方法だ。一般的なレンタル自転車は指定の駐輪場に返却する必要があるが、中国のシェア自転車はGPSで管理しているため、駐輪場所に縛られない。街中の無数の駐輪スポットに止めるだけなので、事実上、乗り捨て自由なのだ。

【中国のシェア自転車、問題も続々・・・】
しかし新たな問題も・・・。目の前に駐輪スペースがあるにもかかわらず禁止区域に止められた自転車。また往来の邪魔になったのか、自転車が無造作に積み上げられている。利用者急増の裏で、マナーを守らない利用者も多く、自転車が川に投げ捨てられたり、壊されたり、公園で山積みにされるなど社会問題化している。各社は管理スタッフを各地に派遣しているが、対応しきれていないのが現状だ。
それでもシェア自転車の成長性に目をつけ、1300億円以上とも言われる莫大な投資資金が流れている。上海のユーバイシクルは、先月、シェア自転車事業を始めてばかりだが、投資ファンドを中心に40億円の資金を集めた。注目を集めるのは、「自転車を課すだけにとどまらない、消費行動に結び付くサービスが期待されているからだ」、と余社長は語る。
早くもアメリカのシリコンバレーやシンガポールへの進出も取りざたされている。中国版シェア自転車は世界に広がる新たなビジネスとなるのか。


・「中国 シェア自転車に新商機」について

--マナーの部分はありますが、西岡さん、どうご覧になりましたか。

《三井住友銀行/西岡純子氏》
「やっぱり環境対応ということでも、必要ではあるんだと思います。」

--そしてさらに先を見据えた動きもあると・・・。

《森田キャスター》 「そうですね。ユーザーのデータが採りやすい。行動する、移動するデータの取得が容易になったので、そのほかの商業用サービスの利用に役立てられる。ビッグデータですね。」
 

■日経朝特急

営業短縮、小売に拡大
小売業界で営業時間を短縮し、人材を確保する動きが広がっている。(ルミネ、阪急阪神百貨店、イオン、いなげや、すかいらーく、ロイヤルホストなど。)ファッションビル運営のルミネは来月4月から旗艦店を含むおよそ8割の店で閉店を30分早める。営業時間を伸ばして来店客を集めていたスーパーも見直す。営業短縮の動きは外食業界が先行していたが、深刻な人材不足を受け、小売り各社も働きやすさを重視する戦略に転じる。
 

社債発行、18年ぶり最高、低コストで成長賃金
2016年度の日本企業による社債の発行が、18年ぶりに過去最高を更新する。起債総額は1年前に比べ6割増の11兆3000億円になる見通しだ。日銀のマイナス金利政策導入で社債利回りが低下、低いコストで資金を調達しやすくなった。
 

・ 「社債発行、18年ぶり最高」について

--過去最高というのはなかなかの数字になりますね。

《三井住友銀行/西岡純子氏》
「そうですね。日銀のマイナス金利政策のいくつかの効果のうちの1つだとは思います。」

--その社債で調達した資金の先というのはどうご覧になりますか。

「日本経済底上げのためには、国内向け設備投資が本筋だと思いますけども、M&Aであるとか、結局、外にお金が出ていっているというのが、多くの資金フローだと思います。」


地銀再編で金融庁が異例の指針
金融庁は地銀の再編に対する初めての指針を打ち出す。顧客の利益を重要な要素に位置づける点が特徴だ。人口減で地域経済が縮む中、地銀の再編が相次いでいる。その際に経費削減や業務効率化で健全性を高める銀行の都合だけに留めず、再編で生じた原資を、利用者の利便性や顧客企業の価値向上に充てる顧客の視点を求める。顧客への配慮が後回しにならないよう、警鐘を鳴らす。
 

中国、企業減税6兆円
中国で企業減税6兆円が打ち出された。中国の肖財政相は昨日、去年秋の就任以来初めて会見し、今年3500億元規模の企業減税を実施すると明らかにした。製造業や中小企業を対象にする見通しだ。個人を対象にした所得税減税も検討する。中国の税収の伸びが鈍る中、景気対策の軸足を、副作用が目立つ金融緩和から、減税を柱とした財政出動に移す。
 

■日刊モーサテジャーナル

新たな入国制限、評価分かれる
トランプ大統領が新たに署名した入国制限に対する大統領令について、各紙が一面などで大きく報じている。ワシントンポストの社説の見出しは、「 New words,same tune 新しい言葉を使っているが言っていることは同じ」と批判的だが、ウォールストリートジャーナルは、一定の評価を示すなど見方が分かれている。
ウォールストリートジャーナルは、「入国制限そのものが不必要だ」と前置きしながらも、「修正版はより合理的だ」、と指摘。その理由として、中東の過激派組織「イスラム国」と共に闘うイラクを対象から外したこと、また商業目的やアメリカ国籍との2重国籍者、さらにアメリカで長期にわたって働いたり、学んだりしている人を、制限から外したことなどを挙げている。記事は、「トランプ大統領は自分の間違いをほとんど認めない人間だが、今回の修正には譲歩が見られ、良い兆候だ。」、と伝えている。
 

米ニューヨーク、外国人訪問者が減少へ(USAトゥデイ)
トランプ大統領による入国制限の影響で、観光地として世界的な人気を誇るニューヨーク。そのニューヨークをを訪れる外国人の数が今年9年ぶりに減少する見通しだ。ニューヨーク市がまとめた試算によると、今年ニューヨークをを訪れる外国人の数は、去年から2.1%減少と、208年以来初めてマイナスに転じる見通しだ。ニューヨーク市の広報担当者は、「トランプ大統領の入国制限がイメージ悪化をもたらしていることが背景にある」、と分析。実際、トランプ氏が最初に入国制限を出した直後8日間の国際線予約は、その前の8日間と比べて6.5%減少したという。ニューヨークを訪れる人が消費する金額の50%は外国人によるもので、ニューヨークの経済や旅行業界に影を落とすかもしれない。
 

米ユーチューブTV、まもなくサービス開始(USAトゥデイ)
グーグル傘下の動画共有サイト「Youtube」が、地上波やケーブルテレビで放送されている番組を、インターネットで配信するサービス「ユーチューブTV」を今後数週間のうちに始める。「ユーチューブTV」は月額35ドルで、ABCやCBSなどの大手ネットワークを含めた40以上のチャンネルをスマートフォンやタブレット端末、パソコンから視聴が可能。またクラウド上に無制限に録画もできる機能も備えている。記事は、「アメリカで最近、生中継でコンテンツをストリーミング配信するサービスが登場していることを紹介し、ユーチューブTVは価格的にも機能面でも競争力がある」、と分析。テレビ視聴の変化が予想される中、本格的な競争が始まりつつあるようだ。
 

・ 米入国制限の真の目的は?

--トランプ大統領の移民規制ですけれども、入国制限、あまり変わらないんだという論調もありましたね。

《三井住友銀行/西岡純子氏》
「そうですね。これは譲歩だという表現もありましたけれども、もとより大統領令に指定された7ヵ国についても、サウジアラビアはすでに外されていたわけですので、商業目的であるというのは当初より明らかなのではないかなと思います。」
 

■今日の予定

16年10-12月期GDP(改定値)
1月国際収支
2月景気ウォッチャー調査
中国2月貿易統計
米2月ADP報告
 

■ニュース

米貿易赤字拡大↑9.6%
ドル高などの影響でアメリカの貿易赤字が拡大です。商務省が7日に発表した1月の貿易統計によりますと、国際収支ベースでみた貿易赤字はおよそ485億ドルで前の月に比べ9.6%増加しました。輸出の伸びが鈍った一方で自動車や原油などを中心に輸入が増え、赤字額は2012年3月以来、4年10ヵ月ぶりの水準を記録しました。国別では対中国の赤字がおよそ13%増えた一方、対日赤字はおよそ16%、対メキシコはおよそ10%、それぞれ減りました。また、対ドイツの貿易赤字も8%減少しました。
《米貿易赤字額 484億9200万ドル(前月比9.6%増)》
・ 対中国の赤字 313億 400万ドル(13%増)
・ 対日赤字    54億7300万ドル(16.2%減)
・ 対メキシコ赤字 39億4800万ドル(10.1%減)
・ 対ドイツの貿易 48億8300万ドル(8%減)
 
 
OECD 日本の成長見通しを上方修正
OECD=経済協力開発機構は7日、最新の世界経済見通しを発表し、今年の日本経済の成長率を前回の予想から0.2ポイント上方修正のプラス1.2%と予想しました。円安を背景に鉱工業生産や輸出が堅調に推移すると見通しています。
 

ブラジルGDP↓3.6%
ブラジルの地理統計院は7日、去年1年間のGDP=国内総生産が前の年に比べ、マイナス3.6%だったと発表しました。2年連続のマイナス成長で、統計が始まって以来、最長の景気後退を記録しています。農業や家計消費、工業などの落ち込みが大きく、全体を押し下げました。一方、地元メディアによりますとエコノミストなどは今年は景気後退から脱し、プラス0.7%を見込んでいるということです。
 

米ナビスタ- トラック需要低迷で赤字拡大
アメリカの大型トラックメーカー、ナビスターが7日発表した去年11月から1月期の決算は長距離輸送トラックの需要の弱さを背景に赤字幅が拡大しました。また、売上高は1年前に比べ、6%近く減少しました。ただ、ナビスターは今年後半には大型のトラック需要も回復すると見込んでいます。またGMと共同で再参入する中型の商用トラック市場にも積極的に新モデルを投入するとしています。
《ナビスタ- 11-1月期決算(前年比)》
・ 売上高16億6300万ドル(5.8%減)
・ 最終赤字6200万ドル(1.9倍)
・ 1株損失76セント(予想より悪化)
 
 
都が4年前に調査 築地で基準超の有害物質検出
築地市場の敷地内で行われた4年前の土壌調査で、環境基準を超える有害物質が検出されていたことがわかりました。東京都が4年前に築地市場で行った土壌調査で、環境基準の2.4倍のヒ素、それに環境基準の1.6倍のフッ化物が検出されました。都は、これまでこの事を公表してきませんでした。「現在はアスファルトで覆われているため、健康に影響はない」としています。都は近く条例に基づく土壌調査を行うことにしています。一方、豊洲市場への移転問題をめぐり今月3日に記者会見を開いた元東京都知事の石原慎太郎氏が報道各社に文書を送り、移転延期を決めた小池知事を改めて批判しました。石原氏は「豊洲市場は安全で小池知事こそ移転させない不作為について責任がある」として、小池知事に対し、法的措置を取る可能性を示唆しました。
 

北陸新幹線延伸 京都-新大阪「南回り案」で大筋合意
北陸新幹線でルートが決まっていない京都から新大阪の区間について、与党の検討委員会は、京都府南部の京田辺市を経由する「南回り案」を採用する事で大筋合意しました。東海道新幹線の北側を通る「北回り案」に比べ、「南回り案」は、建設費が300億円増えますが、新駅設置などで、地域経済への波及効果が高いと評価されました。
 

中国 外貨準備3兆ドル回復
中国人民銀行は、2月末の外貨準備高が前の月から69億ドル増え、3兆51億ドルだったと発表しました。増加は8ヵ月ぶりです。中国は人民元相場の急落を防ぐための外貨準備を元手にした為替介入を控え、代わりに海外送金や外貨両替の規制強化で資本の流出に歯止めをかけ、相場の安定を図ったものとみられます。
 

物流倉庫火災 アスクルが住民向け説明会
先月、埼玉県・三芳町の物流倉庫で起きた火災について、ネット通販大手のアスクルはきのう、近隣住民向けの説明会を開きました。アスクルは、火災による環境への影響について調査していることや、近隣住民が医師の検診を受けられることなどを説明しました。出席者によりますとアスクルは、住民対策を優先するとしていて、倉庫の復旧にはあと1年ほどかかると説明したということです。
 

三越伊勢丹社長に杉江氏
百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスは大西洋社長が業績悪化の責任を取って退任し、後任に4月1日付で杉江俊彦取締役専務執行役員を昇格させると発表しました。任期途中のトップ交代は異例です。百貨店業界を取り巻く環境が厳しさを増すなか、杉江氏が不採算店舗の閉鎖など構造改革をどう進めるかが課題となります。
 

米商務長官 中国通信大手ZTEに罰金1,300億円
アメリカのロス商務長官は7日、中国の通信機器大手「ZTE」におよそ1,300億円の罰金を科すと発表しました。ZTEはアメリカで製造された部品を使った通信機器を北朝鮮とイランに違法に輸出していたとされています。ロス長官は「トランプ政権はアメリカの安全確保と労働者保護を目的に強力な貿易政策を実行する」としています。
 

北朝鮮とマレーシア 2国間で出国禁止の応酬
北朝鮮の金正男氏が殺害された事件をめぐり、北朝鮮外務省はきのう、国内に滞在するマレーシア人の出国を一時的に禁止すると発表しました。これは、朝鮮中央通信が伝えたものです。一方、マレーシアのナジブ首相は対抗措置として、マレーシアに滞在する全ての北朝鮮国民の出国を禁止すると発表していて、両国の対立は、緊迫の度合いを増しています。
 

自民党 森友学園理事長の招致応じず
学校法人「森友学園」への国有地売却問題で自民党と民進党の衆議院国対委員長が会談し、民進党は学園の籠池理事長らの国会への参考人招致を求めました。ただ、自民党は「民間人の招致は慎重に対応すべき」として応じませんでした。野党は籠池氏のほか、売却当時の財務省幹部などの招致も要求しています。
 

清宮人気がけん引 センバツ 経済効果228億円
今月19日に開幕する選抜高校野球大会の経済効果がおよそ228億8千万円に上るとの試算を関西大学の宮本勝浩名誉教授がまとめました。このうち、プロ野球が注目する強打者、早稲田実業の清宮幸太郎選手の出場に伴う効果は、およそ34億2千万円で、清宮選手見たさに来場する観客は、前回から6.3%増加の56万2千人と推定しています。
 

「国際女性デー」にあわせ ウォール街に少女の銅像
きょう8日は、国連が定めた「国際女性デー」ですが、ウォール街でもこれを盛り上げる試みが行われているようです。ウォール街と言えば「チャージング・ブル」=雄牛の像が観光客にも人気ですが、「国際女性デー」にあわせその目の前に新たに少女の銅像が設置されました。「恐れない少女」と名付けられたこの銅像を設置したのは企業に女性の登用を促すアメリカの大手資産運用会社で、少女の銅像は「現状に挑戦する前向きな姿勢」を表現しているとのことです。新たな人気の観光スポットになるかもしれません。
 

■【コメンテーター】三井住友銀行/西岡純子氏

・ 米貿易赤字が拡大

--米貿易赤字が拡大、これはまた気になってきますね。

「そうですね。アメリカのトランプ政権の通商政策の詳細がまだはっきり分からないだけに、どこの国に対する赤字が拡大しているのか、ということはやはり指標としても非常に注目度が高いと思います。」

--以前より気になるようになってきましたけれども、今そういった注目すべき指標でいうと、やはり上位に挙がってきましたか。

「そうですね。トップ3の中には必ずアメリカの貿易統計というのは入ってくると思いますし、それがほかの国にどういう影響を与えるかという意味では、例えば中国の外貨準備であるとか、為替やお金の出入りに関する指標については重要度が非常に増したのではないかと思います。」
 

・ 中国、外貨準備が3兆ドル回復

--為替介入から、また今度は規制の強化へと、必死さがなんだか伝わってきますね。

「そうですね。あの手この手で必死なんだと思います。当初2010年からは中国に入るお金が細ったというのが、特徴的な動きだったんですけれども、ここ元は中国に入るお金だけではなくて、中国からお金が流出しているという、ネットでも資金の流出超になってしまっているという状況なので、中国の当局としてはいかに資金流出を防ぐのかといういことで、今後も細心の注意を払っていくんだと思います。」

--これは海外からの投資が減っているというだけではなくて、国内からも資金が出ていっているという・・・、国民自身が信用していないところがあるというふうに言われていますよね。

「そうですね。人民元そのものに対する信用度も反映しているのかもしれないです。」


・ きょうの経済視点 「行動様式の変化」

「連日、宅配サービスの様々なサービスが変わるかもしれないという話が出てますけども、一見ちょっとサービスのダウングレードのような印象がありますけれど、人の行動様式というのは、出方によってだいぶ変わるもんだなというふうに思います。例えばスマートフォンがここまで普及した時というのは、最初はここまで普及するとは思っていなかったですし、人々の行動そのものを変えたという、画期的なものだったというふうに思います。こういった宅配サービスもおそらくやり方・工夫次第で、人の行動様式を変えるぐらいの勢いがあると、十分ダウングレードにならずに、新しいサービスを提供するということにもなるんじゃないかと思います。」

--ピンチをチャンスに、ということですよね。しかもちょっと便利ということに私たちが慣れてしまいましたからね。サービスがちょっと過剰になっていることに慣れている感じもします。実は無かったら無かったで大丈夫かもしれないということで、便利さとコストを考える時かもしれません。
 

2017.3.7 Newsモーニングサテライト

2017年03月07日 15時05分50秒 | MS
■マーケット

NYダウ 2万1000ドル割れ
週明けのニューヨーク株は終日マイナス圏での取引。指標も少ない中、地政学的リスクなども投資家の動きを鈍らせたようです。株価が最高値圏にあることで利益確定の売りも出やすい地合いではありますが、北朝鮮のミサイル発射がリスク回避のマインドを誘発し、株への資金流入も限られました。リスク回避の動きは円高要因ですが3月利上げの思惑もさらに高まり、結果ドル円は上下に振れる動き。今週の雇用統計が利上げの最終的な判断材料になるとの見方が強く市場の関心は早くも週末に向かっているとの声も聞かれます。ニューヨークの株価終値です。ダウは51ドル安、2万954ドル。ナスダックは21ポイントの下落の5,849。S&P500は7ポイントマイナスの2,375でした。

【NY証券取引所中継】米機関投資家動向
解説はホリコ・キャピタルマネジメントの堀古英司氏

--週明け様子見のようですね。

今日は10年物国債の利回りが一時2.5%を超えたことによって、為替市場でドル高に振れたことなどが嫌気されまして、ダウは一時90ドル以上下げる場面がありました。ただその後は、今は引けにかけてどんどん下げ幅を縮小しているところです。

--さて去年末時点の大手機関投資家の株保有状況が公表されたそうですね。

(フリップ:大手機関投資家の保有状況(16年12月末時点))
・ 買い トランプ銘柄(JPモルガンなど)
・ 売り 大手ハイテク株(バフェット氏がアップル株買い増し)

はい、先月、最新の状況が発表されました。これはトランプ大統領に決まってから初めての保有状況ですけれども、予想通りと言えば、予想通りなんですが、トランプ銘柄が買われて、そうでない銘柄・セクターが売られるということになってます。トランプ銘柄のほうでは代表的なのは銀行で、JPモルガンとか、バンカメとか、PMCファイナンシャルズなどが買われる結果となってます。一方でトランプ氏に経営トップなんかが批判的だった大手ハイテク株が結構売られる中、アップル株はウォーレン・バフェット氏が大量に買い増していることが明らかになりました。

--そうですね。そのほかに特徴的な動きはありましたか。

はい、航空株です。航空業界はかなり再編が進んできて、供給サイドが絞られる一方で、今後、景気回復への期待から需要が伸びるだろうということで、その辺に目を付けているんだと思います。
 

【NY証券取引所中継】保険株に注目
解説はホリコ・キャピタルマネジメントの堀古英司氏

--週明け、スローなスタートになりましたね。

そうですね。10年物国債利回りが一時2.5%を超えたこと、これに伴うドル高などを受けて、調整色の強い展開となりました。ダウは結局50ドル近くの下げとなって終わっております。

--さてトランプ相場でここまで上昇が目立つ金融セクターなんですが、その中でも注目の業種があるようですね。

はい、私は特に保険セクターが恵まれた環境にいると考えております。保険会社というのは基本的に毎月保険料収入が入ってきて、これは運用するほうですので、金利が高いほうが運用という環境では恵まれているということですね。それから規制緩和がこれから期待できますけれども、例えば「システム上重要な金融機関」から保険会社が外されるとか、こういう動きも起こってくることが期待できると思います。

--ただ金融セクター自体は既に株価は相当上昇してしまっていませんか。

(フリップ1:保険株に割安感)
ええ、ただ保険に関しては特にここ数年出遅れてきた業種ですね。S&P500指数の今年末のバリエーションの予想ですけれども、PERで見て18倍ちょっとなんですけども、保険に関しては13倍なんですよね。銀行は最近上がっていますけれども、これでも14倍を超えてますので、やはり割安というのが突出していると言えると思います。

--保険と言ってもいろんな種類がありますよね。生保とか、損保とか、特に注目はどこですか。

私が注目しているのはモーゲージ・インシュアランスと言われる住宅ローンの保険会社なんですよね。これは金利が上昇し始めますと、住宅ローンの借り換えを起こりにくくなります。そうすると保険をずっと持っててくれると、解約が起こりにくくなるということで、非常にこれは環境がいいんですよね。もちろん貸し倒れが急増したりすると、マイナスなんですけれども、今回は減税が実行される可能性も高いですので、これも可能性としては低いんじゃないかということで、いま最もスウィートスポットにある業種と見ております。

--なるほど、分かりました。頭金が足りない人のための保険でもあるということですね。

はい、そうです。
 

【為替見通し】注目ポイントは「米3月利上げ織り込み過ぎ?」
解説はソニーフィナンシャルホールディングスの尾河眞樹氏

--まずNY市場を振り返っていかがでしょうか。

アメリカの利上げを織り込んでいく中で、ドルが上昇したわけなんですけど、やはり死生学リスクが要因になって、ドル円の上値も限定的という形になってます。

--今日の予想レンジは、113.30~114.30円、注目ポイントは「米3月利上げ織り込み過ぎ?」です。

(フリップ1:3月利上げ、織り込みすぎ?)
FF金利先物が織り込む3月の利上げの確率が96%まで上昇していると言ことで、ほぼ100%織り込んでいるという状況ですね。先週FOMCメンバーが相次いで3月の利上げを示唆するような発言が続いた。フィッシャーさん、FRB副議長、イエレン議長までもがダメ押しという形で、最後にドーンとこういう形になっているということで、若干織り込ませすぎたかなという感じはしてます。

--そうした中で雇用統計にもより注目が集まってますね。

(フリップ2:米雇用統計、予想通りなら115円も)
そうですね。市場の予想通り、だいたい20万人ぐらいの雇用があるとか、失業率も4.7%ぐらいですとか、賃金が上がっているということが確認できますと、今度来週のFOMCで発表されるドット・チャート、これはFOMCメンバーによる政策金利の予想ですけれども、これが上方修正されるんじゃないかという期待につながって、ドル円も一時的に115円とか、そういうところを試しに行く可能性というのが十分あると思うんですよね。ただ仮にこれだけ折り込んじゃっているので、悪い数字、10万人を割れるとか、なってしまいますと、ドーっとドル安になる可能性がありますので、注意が必要ということだと思います。

【日本株見通し】注目ポイントは「法人企業景気予想調査」
解説はインベストラストの福永博之氏
 
--今日の予想レンジは、19200円~19450円です。

このところ円高傾向などが日本株など主力株の重しとなっています。またNY市場も上昇が一服しそうな状況となっており、東京市場もそうした状況に引きずられそうですが、新興市場が連騰を続けておりますので、下支えになることも考えられそうです。一方で、週末にはメジャーSQやアメリカの雇用統計の発表を控えておりますので、一時的に株価が大きく変動することも考えられ、取引終了前の値動きには注意が必要と思われます。

--注目ポイントは「法人企業景気予測調査」です。

足下の業績に対する期待は高まっているものの、なかなか上昇できない東京市場ですが、今後の方向性を決めるうえで、10日に発表される法人企業景気予測調査がカギになるのではないかと思われます。

(フリップ:日本株は企業の景気予測がカギ)
中でも1-3月期の現状判断に加えて、4-6月期の見通しが前回の調査を上回るかがポイントになりそうです。 前回12月の発表はトランプ大統領が誕生した直後の調査で、政策などが読み切れず、1-3月期の見通しが悪化していることに加え、4-6月期の見通しがマイナスとなっています。仮に1-3月期や4-6月期の見通しが前回を上回ったり、プラスに転じたりするようですと、株価の押し上げや下支えになることが考えられる反面、前回調査を下回ってさらに悪化したり、横ばいになったりするようですと、売り材料にされることも考えられ、週末のSQ算出前の発表だけに、下落方向で株価変動要因になった場合は19000円割れも見えてくるため、注意がしたいところですね。


■【プロの眼】3.15ショックはあるのか?
日銀金融政策決定会合、オランダ総選挙、FOMC、米議会債務上限期限と3月15日は重要イベントが重なっている。一部では3.15ショックが起きるという一部の懸念は本当か。起きた場合、起きなかった場合のドル円の水準も含めソニーフィナンシャルホールディングスの尾河眞樹氏が解説する。
 
(フリップ1:3月15日の注目イベント)
日銀金融政策決定会合
オランダ総選挙
アメリカのFOMC
アメリカの債務上限期限

--テーマは「3.15ショックはあるのか?」。これはもちろん「3月15日」なんですが、 こちらをご覧ください。たくさんのイベントが同時にやってくるんですね。ここで一部では1.15ショックというものがあるのではないかと囁かれています。

「そうですね。私は個人的にはあまり波乱はないんじゃないかなと思っているんですけれども、あえて注意するとすれば、オランダ総選挙と米FOMCということになると思いますね。」

--特にこのオランダ総選挙というのはどういったところがポイントになりますか。

(フリップ2:オランダ議会(第2院、150議席))
「これはもともと反イスラムやEU離脱を主張している自由党のウィルダース党首、オランダのトランプと呼ばれている人ですけれども、ここの議席が注目です。今は12議席なんですけれども、世論調査によりますと28とか、30とか、結構、急にドーンと支持を伸ばしているというような状況でして、第1党になってしまう可能性がある。第1党になったとしても、過半数の75議席を取ることはできませんので、どこかと連立を組まないといけない。でもどこも組むのは嫌だと言っているので、彼らが主張しているEU離脱というのは、なかなか実現できないんじゃないかという、割と楽観的なムードが広がっているんですね。だからあまり今は言われていないんですけども、ただここがすごく議席を伸ばしてしまいますと、これはフランスの大統領選の前哨戦と言われていて、同じEU離脱を主張している極右政党のマリーヌ・ルペンという方と非常にタッグを組んでいるような状況になっていますので、ルペンさんの勢いが増してしまう可能性がある。ですのですごく議席を増やしてしまいますと、フランス大統領選に対する不安ということで、ユーロ円が下落したり、ドル円が下落したりというリスクがあるというところでは注意が必要だと思いますね。」

--要するの反EUの動きが広がってしまう影響を懸念するということですね。それから先ほど解説もありましたが、FOMCですね。

「これはだいぶもう利上げを織り込んでしまっているということで、利上げ自体はもうあまりサプライズではない。今度はドット・チャートが上方修正されないとか、あるいは出てきた内容・声明文が割とハト派だったりしますと、今度はドルが下落するというリスクにつながるということですね。」

--これは想定外のそういったサプライズ、ネガティブサプライズが起きたときというのは、どこまで円高が進みそうですか。

「そうですね。オランダの選挙は間接的な要因という意味では、そんなに・・・、まあ一時的だろうし、距離感的にも2~3円というところであれば、110円手前ぐらいというところまでを見ておけばいいのかなというふうに思っています。」

--110円手前ほど・・・。ではそれほどサプライズなく、穏やかにすぎた場合はどこまで見ればいいですか。

(フリップ3:イベント無事通過なら118円台も?)
「今度はテクニカル要因になるんですけれども、114円96銭というところが注目のポイントになっておりまして、ここを超えてきますと、ダブルボトムというチャートの形状が完成するような形になりますので、目標値としては、115円をしっかり超えてきますと、118円32銭というところが目標値として挙がってくる。ここ前一気に来る可能性はあるかなと思います。」

--それだけ重要なイベントがたくさん同時に来るので、何となく上下幅も広くなるのかなという感じがありますね。

「はい、ボラティリティには注意が必要ということですね。」
 

■日経朝特急

ヤマト運輸、27年ぶり全面値上げ
ヤマト運輸が9月末までに宅配便の基本運賃を引き上げる方針を固めた。これは長尾社長が日本経済新聞の取材で明らかにした。全面値上げは消費増税時を除くと27年ぶりで、アマゾンジャパンなど大口顧客と交渉に入った。現在は無料の再配達については、荷主と共同で削減に取り組む一方で、協力を得られないなら、運賃体系に反映しなければならないとして、有料化に含みを持たせた。
 

金利追う、国債へ
個人向け国債の今年度発行額が倍増。発行額は9年ぶりに4兆円を突破し、リーマンショック前の2007年度に迫った。日銀のマイナス金利政策で預金の魅力がなくなり、個人マネーの受け皿となった。ただ裏で支えたのは、財務省が個人向け国債を販売する証券会社に支払う事務手数料、いわゆる販売促進費で、来年度、この事務手数料が縮小することを見込んだ駆け込み需要の側面が強く、来年度は反動減となりそうだ。
 

中国生産能力減、火力発電や建材も
中国経済をかじ取りする国家発展改革委員会は、生産能力の削減を柱とする供給側の構造改革の対象範囲を、石炭と鉄鋼から、火力発電や建材、非鉄に拡大する方針を示した。去年、対象となった石炭や鉄鋼の価格は乱高下していて、世界の市況に影響を与えるのは必至だ。
 

おサイフケータイの間口が広がる
ソニーは電子マネー機能を実現するフェリカのスマホでの採用を後押し。iPhone7に続き、格安スマホ専業メーカーでの採用も決まった。2020年に利用者数を2016年と比べて2倍の2000万人に増やすのが目標だ。
 

■日刊モーサテジャーナル

米国盗聴問題、米国紙はトランプ批判
当時のオバマ大統領に盗聴されたとするトランプ大統領の発言を巡り、米各紙は引き続き大きく取り上げている。ニューヨークタイムズやワシントンポストは、トランプ氏に対して批判的な論調だ。
NYタイムズは、「大統領が何の根拠もなしに大人気なくツイッターで暴言を吐いている。アメリカの民主主義の健全性が危険な状況にある。」、とトランプ氏の発言を厳しく批判。
ワシントンポストも、「今回の発言がトランプ大統領に対する国民の見方が変わる転機になる。」、としたうえで、「アメリカでは裁判所から令状や命令を取得して初めて盗聴できる規則になっているため、もし盗聴の事実がなければ、大統領自ら偽ニュースをでっち上げたことになるし、盗聴の事実があったとしても、盗聴されるだけの理由があるわけで、どちらに転んでもトランプ大統領は問題を抱えることになるだろう。」、と報じている。
 

アメリカの貿易におけるライバルは、中国でなくドイツか
トランプ大統領は対中国の貿易赤字は問題だとして、中国批判を展開しているが、ウォールストリートジャーナルは、「貿易の面でアメリカの本当のライバルはむしろドイツだ。」、としている。記事は、「中国はこれまで低賃金の労働力によって、アメリカの製造業の賃金に下向きの圧力をかけてきたが、一方のドイツは製造業において、まさに直接的な競争相手だ。」、と指摘。記事で紹介された専門家によると、ドイツとアメリカ双方の輸出上位10品目を比べると、機械や電子機器など9品目が重なっている。ドル高ユーロ安を追い風に勢いづくドイツ。記事は、「(ドイツの国際収支の黒字について、)今月開かれるG20財務相中央銀行総裁会議でアメリカが批判する可能性がある。」、と見ている。
 

アメリカの銃販売減るも、少数派の購入増(ワシントンポスト)
銃社会のアメリカで去年11月の大統領選を機に銃の販売が大きく減少。ただその一方で、黒人や性的少数者による銃の購入が増えている、と記事は伝えている。記事によると、「去年12月のFBIによる銃購入時の身元調査の件数は280万件で前年比約15%減。「銃規制に反対のトランプ氏が勝利したことで、駆け込み需要が大きく減ったためだ。」、と記事は解説している。その一方で、大統領選を境に、LGBTや黒人の銃の購入は増えていて、それを裏付けるように、大統領選後、全米アフリカン・アメリカン銃協会に新たに7000人以上が加入したという。記事は、「人種差別や性差別の懸念が広がっていることが背景にある。」、と見ている。
 

・ 「アメリカの貿易におけるライバルは、中国でなくドイツか」について

--ユーロ安でドイツが・・・、という話がありましたけれども、これは日本もそうですし、複雑な問題ですよね。

《ソニーフィナンシャルホールディングス/尾河眞樹氏》
「そうですね。ただユーロドルの下げというのがかなりこれまで大きかったというのと、これからさらに下がる可能性が高いわけですよね。政治リスクなんかもありますし・・・。ということを考えますと、ピーター・ナバノさんというトランプ政権の通商問題の方は、何度も今年に入ってからドイツを批判してますから、今後批判が強まっていく可能性はあると思いますね。」
 
--ただドイツとしても、ECBが緩和をしているというところで、そろそろやめたいということは言っているわけですよね。ユーロ安を誘引するという意味では・・・。

「そうなんですけれども、ただユーロの上値というのはずっと政治要因とかもありますので、重い状況が続きそうということだと思います。」


■今日の予定

豪中銀政策金利発表
OECD経済見通し
ブラジル16年10-12月期GDP
米1月貿易収支
 

■ニュース

米新大統領令 入国禁止対象からイラク除外
アメリカのトランプ大統領は6日、テロ対策として打ち出したイスラム圏7ヵ国からの入国禁止令を修正し、対象とする国からイラクを除外した新たな大統領令に署名しました。(ティラーソン米国務長官)「イラクはイスラム国との戦いで重要な味方だ。新しい大統領令はアメリカと同盟国の安全保障を強化する」新たな大統領令で、中東の過激派組織「イスラム国」との戦いで協力しているイラクを除いた6ヵ国の市民を対象にアメリカに入国するための新たなビザの発行を一時的に停止します。すでにアメリカの入国ビザや永住権を持っている場合は入国規制の対象から外します。また、シリアからの難民について「期限を設けず受け入れを停止する」との従来の方針を改め他の国の難民と同じように受け入れ停止期間を120日間にとどめます。今回の大統領令は署名から10日間の告知期間を設け、16日から実施します。
 

米GM オペルと欧州金融事業を売却
アメリカのGM=ゼネラルモーターズが傘下のオペルとヨーロッパの金融事業を22億ユーロ=およそ2,600億円でフランスの自動車大手PSAグループに売却すると発表しました。オペルはGMが88年間傘下に置いていたドイツを拠点とするブランドでイギリスではボクスホールというブランドを展開していました。PSAは今回のオペル買収でヨーロッパ市場でのシェアを17%まで拡大し、フランスのルノーを抜いて2位に浮上します。一方、GMは今回の売却で得る利益を自社株買いなど、株主還元に充てるとしています。さらにGMはホンダとの共同出資会社で開発を進める水素燃料電池車のシステムをPSAに供給する可能性も明らかにしています。
 

米製造業受注↑1.2% 予想上回る
アメリカ商務省が発表した1月の製造業受注は前の月に比べ1.2%の増加で、市場予想を上回りました。内訳をみると、耐久財が3ヵ月ぶりのプラスとなったほか輸送機器は6.2%増えました。
・ 内訳:耐久財↑2.0%、輸送機器↑6.2%
 

ギリシャGDP改定値 下方修正
ギリシャ経済に暗雲が立ち込めています。ギリシャ統計局が6日発表した去年10月から12月期のGDP=国内総生産の改定値はマイナス1.2%で速報値から下方修正されました2015年の7月から9月期以来の大幅なマイナスで、ギリシャに対する追加融資の交渉に影響を与えそうです。
 

韓国国政介入事件 「朴大統領がサムスンから収賄」明記
韓国の国政介入事件を調べていた特別検察官チームは朴大統領がサムスングループから賄賂を受け取ったとする捜査結果の最終報告書を発表しました。特別検察官チームの報告書では「朴大統領が崔順実被告と共謀し、賄賂を受け取った」と明記されました。サムスングループの事実上のトップ、李在鎔被告は、グループ内の企業合併で政府の便宜供与を受けた見返りに、およそ43億円の賄賂を朴大統領らに贈ったとされています。しかし李被告は贈賄について完全に否定していて朴大統領も「不正な依頼は受けていない」と否認しています。
 

東京都が試算発表 東京五輪 経済効果は32兆円
東京都は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックによる経済効果が全国で32兆円に及ぶとの試算を発表しました。試算の対象は2030年までで、開催後に想定される大会施設の利用や観光需要の拡大などのいわゆる「レガシー効果」が今回初めて盛り込まれました。またサービス業や建設業を中心におよそ194万人の雇用が増えると見込んでいます。
 

“超大型機”A380 全日空ハワイ便の新デザイン発表
全日本空輸は、2019年の春からハワイのホノルル線に導入する予定の超大型機エアバスA380の機体デザインを発表しました。A380の特別塗装として、2,000作品を超える応募の中から選ばれたのは「ウミガメ」のデザインです。全日空の東京ーホノルル線は年間の搭乗率が90%を超える人気路線です。ただ、現在この路線の国内シェアは10%にとどまっています。全日空は、従来よりも座席数の多いA380の導入にあわせ、ファミリー層を意識したデザインにすることでシェアをおよそ2倍に拡大したいとしてます。
 

世耕経産大臣 米ロス商務長官と初電話会談
世耕経済産業大臣はきのう、先月28日に就任したアメリカのロス商務長官と初めての電話会談を行いました。会談では、来月中旬にも日本で開かれる日米経済対話の初会合に備え、できるだけ早くアメリカで意見交換することで一致しました。世耕大臣は来週にも訪米する方向で調整しています。
 

ヤマト運輸宅配便 取り扱い数が過去最高に
ヤマト運輸は、2017年3月期の宅配便の取り扱い個数が、2月までの11ヵ月間で17億1,000万個を超え3月分を加えた1年間の累計で、過去最高を更新することが確実になったと発表しました。アマゾンなどインターネット通販の取り扱いが急増したことが要因です。ヤマト運輸では従業員の負担を減らすため引き受ける荷物量の抑制を検討するなど、労使協議を急いでいます。
 

中国 国防予算 初の1兆元を突破
中国財政省幹部はきのう、2017年予算案の国防費が1年前に比べ7%増え、1兆400億元余りになると明らかにしました。国営の新華社通信が伝えたもので中国の国防予算が史上初めて1兆元の大台を突破することになります。国防予算の伸び率は鈍化していて前年に続き2年連続の1桁となりましたが規模はアメリカに次ぐ世界第2位です。トランプ政権も大幅な国防費増額を目指していて、米中の軍拡競争の恐れも出ています。
 

金正男氏殺害事件 国外追放の北朝鮮大使 北京到着
北朝鮮の金正男氏殺害事件をめぐり、マレーシアから国外追放通告を受けた北朝鮮の姜哲大使が、北京に到着しました。姜哲大使は、北朝鮮の金正男氏殺害事件をめぐり、マレーシア側を繰り返し非難し、謝罪要求にも回答しなかったため、マレーシア政府から国外追放通告を受けていました。北京には経由地として入り、きょう以降、北朝鮮に向かうとみられます。これに先立ち、姜哲大使は、マレーシア出国の際に、遺憾の意を示しました。(北朝鮮・姜哲大使)「40年以上の歴史を持つ友好的な二国間関係に大きな害を及ぼす、マレーシア政府による極端な措置に深刻な懸念を表明する」また、北朝鮮は対抗措置として、現在、本国に召還されているマレーシアの駐北朝鮮大使に国外追放を通告しました。
 

北朝鮮ミサイル発射 安倍総理「さらなる挑発もありうる」
北朝鮮がきのう、日本海へ向けて、弾道ミサイル4発を発射したことを受け、安倍総理大臣は北朝鮮によるさらなる挑発の可能性を指摘し、「アメリカや韓国など関係国と緊密に連携していく」と強調しました。今回の発射は、今月から始まったアメリカ軍と韓国軍の合同演習に対抗する狙いがあるものとみられます。また、日米韓3ヵ国の要請を受け、国連安全保障理事会は緊急会合を近く開催する方向で調整に入りました。
 

仏 ジュペ元首相 不出馬を表明
フランスの大統領選挙の新たな候補者として期待されていたジュペ元首相が6日、大統領選には出馬しないとの意向を表明しました。共和党が擁立するフィヨン氏が身内の金銭問題で支持を下げる中、フィヨン氏に代わる候補として注目されたジュペ氏ですが、「自身では党の結束は図れない」と説明しました。直近の世論調査によりますとジュペ氏が出馬した場合、「フランスのトランプ」と評されEU離脱を主張するルペン氏に勝利できると見られていました。
 
 
■【リーダーの栞】日本航空 大西会長 「エモーショナルデザイン」
2010年に経営破綻をした日本航空をわずか2年で再上場にこぎつけた大西賢会長。今回紹介するのは認知科学の第一人者と言われるドナルド・ノーマン氏が書いた「エモーショナル・デザイン」(ドナルド・ノーマン著/新曜社)。大西会長はこの本と出会い感情に訴えかけることの重要性を再認識したといいます。
 

■ビジネス書最新ランキング(2月27日~3月5日)

1位 はじめての人のための3000円投資生活(横山光昭/アスコム)
2位 嫌われる勇気(岸見一郎/古賀史健/ダイヤモンド社)
3位 会社四季報業界地図(2017年版)(東洋経済新報社)
4位 アメリカ本国を驚愕させたプルデンシャル生命の「売る力」(プルデンシャル生命保険フェイスブック(日出ずる国の営業運営事務局/プレジデント社)
5位 やり抜く力(アンジェラダックワース/ダイヤモンド社)
 

■【コメンテーター】ソニーフィナンシャルホールディングス/尾河眞樹氏

・ 米国・新たな大統領令・6カ国対象に入国規制

--トランプ大統領、入国禁止れの修正、新たな大統領令と・・・。

「そうですね。まぁ有言実行というか、今まで言ってきたことを実施しているんですが、少しマイルドな感じになってますね。イラクを除外するなど、ということですけれども、ただ、出来るところからやっていくということになりますと、どうしても保護主義的なところが前に出やすいんですけれども、来週いよいよ予算教書という形になるか、概要という形になるか、予算の概要が出てくるということですので、その辺りが出てきますと、少しポジティブな話が出てくるのかなと思います。」

--でもそれはあくまでも大統領としても要望であって、それを具体化するのには、まだまだ手順があるわけですね。

「そうですね。共和党案というのは4月15日が期限ということですので、まだちょっと時間がかかりますよね。」

--ですから実行するとしたら、それを揉んだ後の秋以降、そこまでマーケットの期待をつなげるかどうかというところですね。
 

・ 「仏 ジュペ元首相 不出馬を表明」について

--このニュースを受けまして、一旦ユーロ売りになりましたものね。

「そうですね。今のところ世論調査では、決選投票ではルペンさんが負けるという話になっているわけですけれども、ジュペさんも出ないということですし、他の候補がいろいろスキャンダルも出てきていますし、かなり混とんとしているようですので、まだ決め打ちはできないかなというふうに思いますね。」


・ きょうの経済視点 「為替報告書」

「4月はフランス大統領選に注目なんですけども、もう一つ、為替のほうで注目されるのは、アメリカの財務省が提出する為替報告書。トランプさんは、就任したら真っ先に中国を為替操作国に認定するというふうに言っているわけなので、これは最初に出てくる報告書ですから、本当に認定してしまうのかどうか。でも自国通貨買い介入をやっているわけなので、これは認定されるのはおかしな話ではあるんですけれども、万が一認定されたりしますと、人民元高ドル安のあおりで、円高ドル安になったりするリスクもありますので、注意が必要というとこだと思います。」
 

2017.3.6 Newsモーニングサテライト

2017年03月06日 15時35分25秒 | MS
■マーケット

米雇用統計 25万人増も
週末の株価は引けにかけて粘りを見せ揃って小幅高。来週の会合での利上げがほぼ確定的になったものの、大きな波乱はありませんでした。先週はイエレン議長の講演前からFRB高官による早期利上げの示唆が相次ぎ、市場もある程度織り込んでいたようです。サービス業の景況感が良好な数字だった事も利上げを正当化させる材料だったかもしれません。トランプ政権の政策への期待が継続する一方、株価の水準感を見る株価収益率が今年の予想利益ベースで17倍台後半と2004年以来の高水準に上昇し、割高感への警戒感が消えていないのも確かです。金曜日の終値です。揃って小幅に反発、ダウは2ドル高の2万1,005ドル。ナスダックは9ポイント上昇の5,870。S&P500は1ポイントプラスの2,383でした。

【月曜恒例、アメリカの専門家インタビュー】
次の利上げの時期を見極めるためにも重要な2月の雇用統計が今週金曜日に発表されます。専門家は「非農業部門の雇用者数が25万人程度増加する」と予想しています。

《マニュライフ・アセット・マネジメント/ネイサン・タフト氏》
「ここ数ヵ月、雇用指標は良好なので、雇用者数は24~25万人増加するだろう。一方、平均時給はこれまでと同様、前年比2%前後の上昇だろう。平均時給の伸びは比較的緩やかだが、FRBの目標達成には良い傾向だ。」

タフト氏は力強い雇用指標が後押しとなり、FRB=連邦準備制度理事会は今月、利上げに踏み切る可能性が高いと見ています。ただ、年後半にかけ指標の改善は頭打ちになる予想していて、年内の利上げは3月を含め2回にとどまると指摘します。

「雇用者数の増加幅が10万人を下回れば、3月の利上げを見送るだろうが、雇用者数10~30万人増加すれば、FRBは3月利上げに踏み切るだろう。3月の利上げの後は、9~12月に実施するだろう。現在指標が強いということは、これ以上改善しないとも考えられる。今後の経済指標は落ち込み、年内の利上げは2回にとどまると予想する。」
 

【為替見通し】注目ポイントは「米3月利上げ観測」
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏

--まずは先週の動きを振り返っていかがでしょうか。

先週のドル円は序盤に一時110円台に軟化する場面もありましたが、トランプ大統領の議会演説を無難に通過すると、下値を切り上げ、アメリカのFOMCメンバーの相次ぐ利上げ示唆発言を受けて、114円台へ上昇しました。現在は113円台の後半で推移しています。

--今日の予想レンジは、113.20~114.40円です。

本日に限れば、注目材料に乏しく、値幅も方向感も出にくいと思います。

--注目ポイントは「米3月利上げ観測」です。

先週はFOMCで投票権を持つ3人の地区連銀総裁のほか、2名のFRB理事と正副議長が利上げに前向きな発言を連発、3月利上げ観測が一気に高まりました。今週は、今晩のミネアポリス連銀総裁の講演を最後に、FOMCの要人が発言自粛期間に入るので、アメリカの経済指標に注目です。今週末の雇用統計がよっぽど悪い結果にならない限り、下値は堅そうですが、大半の市場関係者が既に3月利上げを織り込んでおり、よほど強い数字でなければ、大幅なドル高にもなりにくそうです。市場はむしろ次回のFMOCで更新される政策金利予想に注目しており、当面はいわゆるドットチャート待ちのレンジ取引が続きそうです。

【日本株見通し】注目ポイントは「3月SQ前後の動き」
解説はDZHフィナンシャルリサーチの東野幸利氏

--今日の予想レンジは、19330円~19490円です。

週末の欧米株が小動きでしたので、様子見ムードが強い展開だと思います。アメリカの利上げがほぼ確実視される状況でも、ドル円相場が114円台から円安方向に上値が重く、既に織り込んでいるといった状況ですので、やはり週末のアメリカの雇用統計、あるいは来週のFOMC後の議長会見の内容を確認するまでは、さらなる円安株高といったイメージはちょっと描きずらいと思います。ただ日経平均は取引時間中の高値、年初来高値を先週時点で更新していますので、小型株から特に金融を中心とした大型株への変化を見越した買い、あるいは好業績株、月末の株主優待、配当取りを意識した個別物色は期待できると思います。

--注目ポイントは「3月SQ前後の動き」です。

(フリップ:日経平均3月SQ後10日間は上昇傾向)
今週は先物オプションの決済日であるメジャーSQがあります。過去5年間の3月のSQ日を基準に、日経平均がその前後でどう動いたかを平均値で見てみますと、SQ前は少し弱含む場面もありますけれども、SQ後の10日間前後は比較的上昇する傾向があります。年度末で決算対策の売りが前半で一巡するほか、概ねSQが終わった後、11日以内に権利付き最終日を迎えることが多くて、配当取りを目的とした買いが上昇の要因になりやすいということです。最近は配当を引き上げる企業が増えてますので、今年も海外市場に波乱がなければ、期待できるのではないかなと思っております。


■【エマトピ】好調なベトナム経済のリスクは?
6%台と高い成長のベトナムは内需関連を中心に株価も堅調です。アメリカのTPP離脱も影響は一時的で、TPPが頓挫しても各国と個別にFTA=自由貿易協定を結べば問題ないとの雰囲気から繊維関連株の株価も戻っています。今後、リスクとして意識されそうなのが自動車セクター。来年にはASEAN域内からの完成輸入車の関税が撤廃される事になっていて、輸入車に価格競争力がつけばメーカーもタイやインドネシアなどに生産拠点を移すことも考えられるため注意が必要と見ています。解説は岡三証券竹澤晴彦氏
 
【内需がけん引】

--ベトナムの経済はどのような状況でしょうか。

「住宅、自動車、電化製品の販売が好調で、去年のGDP成長率は6.2%でした。製造業を中心に海外からの直接投資が続いており、投資が雇用と所得を増やし、消費の増加につながっていく循環が見られます。株価を見ても、主要株価指数のVNインデックスが9年ぶりの高値を付けています。」

(フリップ1:ベトナム9年ぶり高値)
「小売りや住宅、インフラ開発といった内示セクターが好調で、小売りセクターはこの1年で60%も上昇しました。」


--堅調なんですね。そうした好調なセクターではやはり日本の企業にも影響がありそうですね。

(フリップ2:イオン・パナソニック・ホーチミン国際空港)
「はい、例えば、小売りでは2014年以降、イオンモールの出店を続けているイオングループが誇張なビジネスを受け、金融部門やサービスといった関連会社の進出を進めているほか、住宅関連で言えば、パナソニックがコンセントやブレーカーの工場を新たに造るといった動きが見られます。また先日、ホーチミン国際空港の拡張に1000億円規模の投資を行うことが発表され、今後、日本の建設・建築技術が注目されることは確実と見られています。」

【今後のリスクは?】

--ただ新興国としましては、やはりアメリカで年数回の利上げが見込まれている中で、やはり影響は受けませんか。

(フリップ3:対ドルで最安値更新)
「そうですね。アメリカの利上げを見込んで、通貨ベトナム・ドンは昨年から史上最安値を更新してきています。このところの資源価格の上昇もあって、物価上昇率は政府目標のプラス4%を上回る5%台前半に上昇しています。金利は今のところ低く抑えられていますが、今後アメリカの利上げに引っ張られる形で、ベトナムの金利が上昇すれば、住宅販売を始め、国内景気を冷やす可能性も意識されています。」

--アメリカと言えば、トランプ政権のTPP離脱の影響は出ていますか。

(フリップ4:TPP頓挫の易経は限定的)
「はい、ベトナムはTPPの発効に非常に前向きに取り組んでいただけに、恩恵を受けると見られていた繊維関連の株価は、トランプ政権発足後に下落する場面もありました。ただEUとのFTA(自由貿易協定)が来年に発効するなど、各国と個別にFTAを締結していくという選択もあるため、株価への影響は限定的となりました。」

--では他に、リスクとして注意が必要なことというのは何でしょうか。

「皮肉にも自由貿易が国内の自動車セクターのリスクとして意識される可能性もあるのではないかと見ております。実は去年からASEAN諸国からの完成車の輸入関税が順次引き下げられていまして、来年2018年に撤廃されます。去年のベトナムの新車販売台数は過去最大とはいえ、まだ30万台程度です。関税が撤廃され、輸入車に価格競争力がつけば、ベトナムで工場を展開する自動車メーカーが今後タイ、インドネシアに生産を集約していく可能性もあり、注意が必要と見ています。」
 

■米IT企業 移民制限に猛反発 その理由とは
アメリカのトランプ大統領が就任後わずか1週間で発令した移民の入国制限に、アメリカの世論は二分され大きな議論となっています。特に強く反発しているのが巨大なIT企業でした。
 
1月27日、移民などの入国を制限する大統領令に署名したトランプ大統領。シリアやイランなどイスラム圏7ヵ国からの入国を一時的に禁止する内容でした。これに対し大規模なデモが都市部を中心に発生、大統領令の違法性を巡り、裁判所の判断を仰ぐ事態となった。企業からも、アップルのクックECOは「アップルは移民なしに存在できない」、グーグルのピチャイCEOも「偉大な才能が米国に入ってこなくなる」と一斉に批判しました。こうしたIT大手を中心に127社が、大統領令に反対する意見書を裁判所に提出した。

何故アメリカをけん引するIT業界が強く反発するのか。その理由を探るため、意見書に名を連ねたカリフォルニア州サンフランシスコのIT企業「ストライプ」を取材した。
ストライプ創業者の1人、ジョン・コリソン氏(アイルランド出身の移民)。ストライプの成長のカギは、独自のオンライン決算システムを世界に展開できたことだ。このシステムを使えば、130以上の通貨で決済ができるという。創業からわずか7年、今では企業価値が1兆円を超えるまで成長。そのストライプは大統領令が出された直後、「誤った政策である」との声明を出した。

《ストライプ創業者/ジョン・コリソン氏》
「人道的に誤りというだけでなく、アメリカ経済にも多大な損害を与える。移民こそアメリカ経済の原動力だからだ。」

実際、ストライプの従業員642人のうち、約3割が外国の出身者。この多様性が成長の源なのだという。

《コリソン氏》 「製品開発で例えばヨーロッパ市場と日本市場では課題が異なるだろう。アメリカ人だけで世界中に求められる完璧な製品を作ることはできない。多様な労働力を確保することが経営者として最優先にすべきことだった。」

しかし政策に批判的な声を上げることは企業にとってもリスクを伴います。実際、アメリカを代表するビール「バドワイザー」には不買運動が起きました。きっかけはBudwesiserのCM。ドイツ移民だった創業者が差別に直面しながらも、バドワイザーを作り出す様子を描いたCM。アンハイザー・ブッシュ・イベンブがプロアメリカンフットボールの決勝戦スーパーボウルで放送し、共感を呼びました。しかし移民制限を支持する人の間で不買運動が起きたのです。

急成長中のストライプにとって、政治的リスクは考えなかったのでしょうか。

《コリソン氏》 「黙って見過ごすことなんてできなかった。移民の子であるスティーブ・ジョブズが(多くの雇用を作った)巨大企業を立ち上げた。移民を制限すると、次のジョブズは生まれてこない。」

アップルを立ち上げたスティーブ・ジョブズ氏も父親はシリア出身。実際、アメリカで企業価値が10億ドルを超える企業の51%は移民が創業したというデータまであります。年間100万人が移り住むと言われるアメリカ。移民を吸収して成長を続けています。

企業などの反発を受け大統領令は裁判所から一時差し止めの命令が出ていますが、トランプ大統領は新たな大統領令の発令に意欲を燃やしています。新たな大統領令では、中東の過激派組織「イスラム国」の掃討作戦で共闘しているイラクを対象から外すことなどを検討している模様で、近日中にも署名する見通しです。
 

■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(期間:3月3日~5日、対象:番組出演者34人)

(1) 今週末の日経平均予想
予想中央値(19600円)、先週の終値(19469円)

《楽天証券経済研究所/香川睦氏》
(19800円予想)
「アメリカの追加利上げ観測の高まりを契機に、ドル円が再び上昇し、週末の雇用統計も日本株の「春相場」入りを後押しする。」

《マネックス証券/広木隆氏》
(19200円予想)
「雇用統計前のポジション調整で、手じまい売りに押される。」
 

(2) 今週末のドル円予想
予想中央値(114.50円)、先週の終値(114.00円)

《東海東京証券/佐野一彦氏》
(114円予想)
「FRBの3月利上げ濃厚で、ドル円の支えになる。」

《ソニーフィナンシャルホールディングス/尾川眞樹氏》
「アメリカの雇用統計が予想通り堅調なら、ドル円が115円円付近まで上昇する可能性がある。」


(3) 米利上げ時期予想
3月(94%)、5月(6%)
先週はFRB高官などの発言などから、今月の利上げの可能性が急に高まってきた。今月利上げするとみているのが94%、先週から85ポイントの上昇。

(4) モーサテ先行指数
   (42.6に低下)
 

■【特集トーク】押し寄せる欧州政治リスク
イギリスのEU離脱交渉やフランス大統領選挙を控え、先行き不透明感が広がるヨーロッパ。2月中旬から欧州各国を訪れていたニッセイ基礎研究所の伊藤さゆり氏にヨーロッパの政治リスクを聞きました。

【現地はどう見ている?】
(フリップ1:欧州の注目イベント)
3月15日 オランダ下院選挙
3月末(予定)イギリスEU離脱交渉開始
4月23日 フランス大統領選挙第一回投票
5月 7日 フランス大統領選挙第二回投票
17年 秋 ドイツ連邦議会選挙

--テーマは「押し寄せる欧州政治リスク」ということで、ヨーロッパでもまさにこれから大きなイベントがご覧のように目白押しとなっています。ちょうど伊藤さんは2月の中旬から2週間、つい先日まで・・・。

「そうですね。3日に帰国しました。ロンドンとパリ、ブリュッセル、フランクフルト、4都市を回ってきました。そこで現職の閣僚、元首脳、エコノミストなど、かなり幅広い方々からいろんな意見を伺うことができました。」

--どういったご様子でしたか。

「これまで毎年、欧州を訪問しているんですけど、今までで一番の先行きの不安・不透明感というのを感じました。この政治的なイベントを控えていることが重く心理にのしかかっているというムードでした。」

--中でもイギリスというのは実際どういう雰囲気でしたか。

(フリップ2:英国民投票後も堅調に推移)
「実はイギリスの経済は、8ヵ月前に離脱を選択したということなんですけれど、経済状況は決して悪くないといことなんですね。コチラにGDPの動きが出ていますけれども、年後半にかけてむしろいささか加速したというようなことでした。これは離脱を選んだことによるポンド安が観光、輸出にプラスに働いたということもあるんですけれども、現実にロンドンの街を歩いてみると、以前にも増して活気があって、パリはテロの影響かと思ったんですけど、少し観光客が少なように感じましたので、少し対照的なぐらい(ロンドンは)活気があったという感じですね。」

--ブレグジットへの懸念というのは、それほど抱いていないということなんですか。

「一般市民の間では現実に景気はそれほど落ち込んでいないし、それから政府の離脱戦略というのが、『EUとは広範なFTAを締結します』、それから『域外との間でも、やはりFTAを締結して、真のグローバルブリテンを目指します』というような、いわばいいとこ取りのシナリオを描いていますので、そこへの期待もあって、あまり心理が冷え込んでいるという感じはありません。ただやはりいろんなお話を伺った通商の最先端にいる実務家の方であったり、金融商品を開発しているような方々、それから規制当局の方々、こういう方に言わせると、離脱戦略というのは政治家主導で描いたんだけれど、とても2年では処理できないような、膨大な作業が必要になってくる。非常に非現実的だというようなことへの懸念があって、その部分というのがやはりこれから先、離脱を選んだ現実というのが一般市民の心にものしかかってくるのかなという気がしました。」

--そうですね。ですからEUと当事者のイギリスと、そこの温度差というものもあるんですね。

「そうですね。いいとこ取りのシナリオが実現するかどうかというのは、まずはEUがそういう協議に応じてくれるかどうかというところによって決まってきます。」

--EUもやはり厳しい姿勢で臨むというところ、もっと違うところに今の意識はあるわけですね。

「そうですね。その点は私は事前に感じていた以上でした。やはりイギリスのEU離脱選択をきっかけにして、それからアメリのトランプ大統領選択というのも手伝って、やはりEUの県内では反EU、反ユーロ、反移民というポピュリスト勢力が勢いづいていますので、こういういろいろな政治イベントを乗り切るためには、そういう勢力の勢いを削ぐことが非常に大事というところで一致しているんですね。そういう意味ではイギリスにいいとこ取りのシナリオを認めるわけにはいかない。例えば、ドイツの連銀とか、ドイツのシンクタンクなどでは、多少、短期の損失があったとしても、やはりEUの結束を守る、単一市場を守るということを第一に考えようということを、かなりはっきりと仰っていました。」

--だから結束のほうをいま重視しているということですね。

「そうですね。経済的な、短期的な利益よりも結束だということですね。」

【欧州におけることし最大のリスク】

--EU離脱懸念がヨーロッパ各国に広がりを見せていますが、番組の出演者はヨーロッパのどのイベントに注目しているのか。

《モーサテサーベイ:ヨーロッパにおける今年最大のリスクイベントは?》
フランス大統領選挙(68%)、ドイツ連邦議会選挙(9%)、英国EU離脱交渉開始(3%)、オランダ下院選(3%)

--やはりフランス大統領選というのには、もうイギリス以上のリスクというのを感じているんですね。

「はい、やはり創設メンバーの国でドイツと共に統合を引っ張ってきた。さらにユーロを導入しているということが決定的な違いというところはありますね。イギリスはもともと半分EUから離脱しているようなところもあったという表現を皆さん使われていました。」

(フリップ3:第1回投票ではルペン氏が首位?)
--では最新の調査を見ていきましょう。その動向ですけれども、第1回投票ではルペン氏が首位になるというふうに見られています。1回目はマクロン氏・フィヨン氏を抑えてルペン氏というふうに見られていますが、ただ第二回の決選投票では、ルペン氏が進んだとしても、マクロン氏もしくはフィヨン氏のほうが勝つであろうと見られている。
 

(フリップ4:ルペン氏は決選投票で敗北か?)
ルペン氏(38%)vsマクロン氏(62%)
ルペン氏(42%)vsフィヨン氏(58%)
 

「だいたいいろいろなサーベイ調査でも、4対6ということで、いわゆる中道の候補、あるいは2大政党からの候補が勝つだろうというのが大方の見方ですね。」
 
--ただ今、フィヨン氏が厳しい状況にあるということで、実は元首相のジュペ氏の名前が再び出てきていると・・・。
 

「そうですね。もともと共和党の候補として有力視されていたのがジュペ氏だったわけですけれども、想定外でフィヨン氏が選ばれた。ところが不正資金疑惑ということで、相当足を引っ張られている状況ですので、やはりジュペ氏を公認候補にすべきではないかという議論が出てきています。」

--万が一、ジュペ氏が出てきた場合というのは、どういう情勢・関係になりますか。

「私は基本的にはルペン氏の得票が4割ぐらい。それから中道の勢力、あるいは右派の勢力で6割という大きな構図は変わらないと思っています。」

--ただやはりこの大統領選への危機意識というのは、非常に現地では強かったですか。

「そうですね、やはり仮にルペン氏が選ばれたならば、これはEU統合の終わりだというような表現まで聞かれましたし、それからECBなどではユーロ離脱という公約を掲げていますので、この方が選ばれることに対する警戒感というのは非常に強かったです。ただそれをあまりシグナルを出してしまうと、政治介入になるということにもあって、そこも1つ悩ましいところということですね。ECBとしてはこのショック、これまでもイギリスの離脱やアメリカの大統領選挙を乗り越えてきたんだから大丈夫だという思いの一方で、やはりユーロ分裂が意識されるというリスクに対して、十分に対処できるだろうかという悩ましさもあるようでした。」
 

■日経朝特急

三越伊勢丹ホールディングス、大西社長辞任へ
三越伊勢丹ホールディングスの大西社長が3月31日付で辞任することが分かった。傘下の事業会社「三越伊勢丹」の社長も同時に辞任する。消費者の百貨店離れが進む中、事業の多角化を目指す構造改革で成果を上げることができなかった。後任は週内をめどに社内から選ぶ方向で調整する。
 

ギリシャ融資「不確実」
債務危機に陥ったユーロ圏の国を支援するESN(ヨーロッパ安定メカニズム)のレグリング総裁が、日本経済新聞のインタビューに応じ、ギリシャへの追加融資に向けた交渉について、今月20日のユーロ圏財務相会合での合意は「可能性は排除しないが全く不確実。今後2週間の進捗を見極める必要がある。」と語った。
 

携帯販売、待ち時間短く
NTTドコモなど携帯大手は、全国の販売店で使う営業支援などの情報システムを刷新する。ドコモはタブレット3万台超を導入、ソフトバンクはAI(人工知能)を活用して、待ち時間や説明時間を半分に減らす。人手不足をITで補い、顧客サービスを改善。格安スマホへの流出を防ぐ。
 

■日刊モーサテジャーナル

トランプ大統領「オバマに盗聴された」
アメリカのトランプ大統領が「オバマ前大統領に盗聴された」と驚きの主張を展開したことについて、アメリカの新聞各紙は一面で大きく報じている。ただトランプ大統領が根拠を示さなかったことから、各紙は、真偽は分からないと、このつぶやきを比較的冷静に受け止めている。
トランプ大統領のツイッターの発言によると、去年10月、当時のオバマ大統領がトランプタワーの通信を傍受したとのこと。トランプ大統領は、「オバマ大統領はどこまで落ちぶれたのか」、と激しい言葉で批難した。
一方、オバマのスポークスマンは即座に否定。ワシントンポストによると、アメリカの大統領選をロシアが妨害した疑いについて、捜査している複数の当局者が、盗聴された事実はないと証言しているという。
 

米3月利上げか、FRB議長が強く示唆
FRBのイエレン議長は3日、雇用と物価の動きが想定どおりと確認できれば、政策金利の一段の調整が適切になると発言。フィナンシャルタイムズは、3月利上げはほぼ確実との論調だ。イエレン議長の発言を、3月利上げに向けた、今までで最も強いシグナルだと解説。
一方、ウォールストリートジャーナルは、「早期利上げの背景には、FRBが持つ資産の縮小、いわゆるバランスシート調整を巡る議論をしばらく封印する狙いがあるのでは」、と分析している。
小幅な利上げで時間を稼ぎ、金融引き締めのいわば本丸、バランスシート調整は長期金利の急上昇を招く恐れがあるため、より慎重に対応したいというFRBの考えがにじみ出ているとの見方だ。
 

ロボットがアメリカ経済の救世主?(週刊投資新聞バロンズ)
「 THE NEW AMERIKAN WORKER アメリカの新たな働き手はロボットだ 」との見出し。アメリカの企業はもっと多くのロボットを使うべきとの論調だ。アメリカの製造業がアメリカ国内に留まるのであれば、コスト削減のため、ロボット活用を増やさざる得ないとの見方は一般的だが、バロンズは、「コスト削減の面だけでなく、高い品質を確保し、海外との競争に打ち勝つためにも、ロボットの活用は必然だ」、との見方を紹介。「アメリカの自動車業界は多くのロボットを使うことで、再び国際競争力を獲得することができた。ロボットを増やせば、シェアが拡大し、最終的には質が高い雇用が増える。」、と訴えている。
 

・ 「米3月利上げか、FRB議長が強く示唆」について

--今月の利上げ、先ほどサーベイでも一気に94%と織り込みましたね。ということでこれはやはり利上げを織り込ませたい、急ぎたいという思惑がやはりあるんでしょうか。

《ニッセイ基礎研究所/伊藤さゆり氏》
「そうですね。去年は結局、年初に新興国の波乱があって、年半ばはブレグジットで、結局、利上げを思うようにできなかったということがありましたけれど、今年はここまで比較的、経済指標は世界全般、強い状況が続いていますし、逆にこの機を逃すと、ヨーロッパの政治不安が本格化して、また足を引っ張られるリスクもあり、ということで、ここはいいタイミングというふうに判断しているのではないでしょうか。」

 
■今週の予定

3月6日(月) 米1月製造業受注
3月7日(火) CECD経済見通し、米1月貿易収支
3月8日(水) 16年10-12月期GDP(改定値)、米2月ADP雇用報告
3月9日(木) 1月毎月勤労統計、中国2月消費者物価指数、ECB理事会
3月10日(金) 米2月雇用統計、米2月財政収支
 

■今日の予定

参院予算委員会で集中審議
2月社名別新車販売
豪1月小売り売上高
米1月製造業受注


■ニュース

イラク軍 モスル奪還作戦が進展
アメリカ軍の援護を受けているイラク軍が行っている中東の過激派組織「イスラム国」の拠点、イラク北部の都市=モスル奪還作戦が進展しています。イラクの高官が5日発表した声明によりますと、イラク軍の精鋭部隊がモスルにある政府庁舎を掌握しつつあるということです。モスルをめぐってはイラク軍が去年10月から奪還作戦を開始し、激しい戦闘が続いていました。
 

BMW クルーガーCEO 「生産体制の見直しあり得る」
ドイツの自動車大手BMWのクルーガーCEOはイギリスのEU離脱の影響やメキシコでの生産に批判的なトランプ大統領の政策次第では生産体制の見直しもあり得るとの見方を示しました。これはドイツの大衆紙とのインタビューで明らかにしたもので、メキシコで行う主力セダン=3シリーズの生産を中国へ、イギリスで行う小型車=ミニの生産をオランダに移す可能性を示唆しました。
 

中国 17年経済成長率目標 「6.5%前後」に引き下げ
日本の国会にあたる中国の全人代=全国人民代表大会で李克強首相は、2017年の経済成長率の目標を「実質で6.5%前後」にすると発表し、目標を3年連続で引き下げました。2017年の中国の経済成長率の目標は実質で6.5%前後と、去年の6.7%よりもさらに低い成長を認めるものとなりました。目標の引き下げは3年連続となります。また、李克強首相は貿易自由化を進める方針を示し、保護主義が台頭するアメリカをけん制しました。アメリカのトランプ大統領は対中国の貿易赤字を問題視していて、中国指導部は警戒を強めています。
 

安倍総理 「憲法改正」に強い意欲
安倍総理大臣はきのう自民党大会で演説し、憲法改正について強い意欲を示しました。(安倍総理)「自民党は憲法改正発議に向けて具体的な議論をリードしていく。戦後一貫して日本の背骨を担ってきたわが自民党の歴史的使命ではないか」安倍総理はこのように述べ、憲法改正の発議に向け具体的に取り組んでいく考えを強く示しました。また、今回の党大会で総裁の任期を今までの連続2期6年から3期9年に延長することが正式に決定しました。これにより安倍総理は最長で2021年の9月まで続投することが可能となりました。
 

両陛下 タイ前国王を弔問
タイの首都・バンコクを訪問している天皇、皇后両陛下は、去年10月に亡くなったプミポン前国王の遺体が安置されている王宮の祭壇に花を手向け、深く頭を下げられました。その後、弔意を示す記帳をされました。両陛下は1964年に昭和天皇の名代としてタイを訪問するなどし、プミポン前国王と親交を深められました。両陛下は、ベトナムとタイの日程を終えてきょう、帰国されます。
 

■【コメンテーター】ニッセイ基礎研究所/伊藤さゆり氏

・ ECBが直面する難しい“かじ取り”

--アメリカの3月利上げが見えてくる中で、トランプ氏への警戒もありますが、ECB理事会はどう動きますか。

「もう4月から量的緩和、資産買い入れの額を減らして、12月まで継続することは決まっていますので、新しい決定はないだろうと思います。アメリカは緩やかな回復で、緩やかな利上げという方向で、これはユーロにとってもユーロ高圧力が緩和するので、ありがたい状況、追い風なのかなということですね。あとはインフレ率が2%に直近で達しましたので、そういう意味ではドイツなどは少しでも早く出口に向かうべきだという主張ではあるんですが、全体としてはまだ回復が弱い中で、金利が上昇することへの警戒も強いので、なかなかその辺りは難しいところなのかなと・・・、様子見を続けざるを得ないということだと思いますね。」

--金利上昇への警戒感というのがあって、銀行へのストレステストもまたやるんですか。

「そうですね。今回は定例ではなく、新しいテーマごとのストレステストということで、特別に行うということのようですね。」
 

・ きょうの経済視点 「リスクをチャンスに」

「ヨーロッパでずいぶんこの言葉を聞きました。EUの統合も相当危機にさらされていて、EUに懐疑的なトランプ大統領、それからブレグジットということで、ただ、このリスクをチャンスに変えて、統合を強めようということなんですね。今、日本も含めて、非常に外部要因とか、政治要因にさらされやすい、不透明な時代なので、こういう発想で工夫が必要かなということを改めて感じました。」

--フランス大統領選で言いますと、ルペン氏が例えば、万が一勝つということだってあり得るわけですよね。

「だけれど、なかなか憲法の改正、それから議会の議席配分ということを考えると、思う通りの公約を実現するのは難しいということも事実です。冷静に対処すべきかなと思いますね。」