副腎皮質腫瘍の原因遺伝子についての総説
Best Pract Res Clin Endocrinol Metab 2020; 34: 101428
コルチゾール産生腫瘍では半数以上で
ACTH 受容体の下流にある cAMP-PKA 経路の異常を認める。特に PRKACA (PKA αサブユニットをコードする遺伝子) の体細胞性変異は 42% 以下で認める。変異した PKA は恒常的なリン酸化活性を持つようになり、細胞増殖を促進する。
アルドステロン産生腫瘍では半数以上で球状層の細胞に発現するイオンチャネルや Na/K ATPase の変異を認める。特に KCNJ5 (K チャネルをコードする遺伝子) の体細胞性変異は40%で認める。
アルドステロン分泌刺激であるアンジオテンシン II と高カリウム血症はそれぞれGタンパク共役受容体を介して、あるいは直接的に球状層の細胞を脱分極させる。これにより電位依存性Ca チャネルが開口して細胞内に Ca が流入するとアルドステロン合成酵素の遺伝子(CYP11B2) の発現が促進される。
デオキシコルチコステロン産生腫瘍の原因遺伝子については記載がない。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7427505/