株式投資を長年やっていると誤発注してしまうことがある。二つほど印象に残っている誤発注について書く。
フジコー株での売注文株数誤り
ジャスダック銘柄で知名度はないが、フェルトメーカのフジコーを割安だと思って10年以上保有していた。途中から業績が落ち、減配もして、PBRが低いだけの銘柄になっていた。ところが2年ほど前、イナゴが取り付いて急に上がり始めた。調べたが、特段のニュースは見つからなかった。元々は3,000株を保有していたが、5株併合されて600株になっていた。300円刻み売上がろうとして、まず3,600円で100株売り、次に3,900円で売る時、100株のつもりが間違えて500株と入力してしまった。
この頃、東証の方針に沿って売買単位を100株に揃える動きが各社であって、持ち株数とか売買単位が頻繁に変わっていた。そのため、つい間違えてしまったのだった。ネットでの注文で確認画面も出ていたはずだが、間違えたつもりもないので安易に確認ボタンをクリックしていたのだと思う。その日の内に約定通知が届き、売買代金が異様に大きいので、その時点で誤発注に気が付いた。
その後、フジコーは5,840円まで上げた。予定通り300円刻みだったらきれいに売上がれていた。今は3,000円割れまで下げているので、3,900円の売そのものが失敗だったという訳ではない。
ソニー株での買注文株数誤り
もう昔の1992年8月、ソニーを100株買うつもりで1,000株買ってしまったことがあった。当時、まだネットはなく、プッシュホンでの注文ができるようになっていた頃だ。その頃は1,000株単位が基本だったが、ソニーのような値嵩株は100株単位だった。この時も注文内容の確認メッセージが流れたはずだが、安易に確認のボタンを押していた。
その後、プッシュホンで約定を確認した時に間違いに気付き、慌てて900株を成行売した。その後、証券会社の担当者に連絡を入れると、差金決済になるから一旦1,000株分の購入代金を入金するよう言われた(当時の大手証券会社は恐ろしいことに前受金制度ではなかった)。差額の出金は、その翌日になるとのことだった。
仕方なくコア貯蓄としていた公社債投信を300万円分解約し、手元資金と合わせて支払った。全額入金が必要だと知っていたら、慌てて売らなかったのに。狙いすまして指値したソニーの株価3,350円(2分割前)は、そこが大底だった。その後はその株価を一度も下回ることなく上昇を続け、2000年のITバブルでとんでもない高値(10倍超)をつけた。
残していた100株は、ケチが付いた株なので長期保有する気になれず、半年で3割ほど上がったところで売ってしまい、その後の上昇は享受できなかった。