私は長年の王子ホールディングス(旧、王子製紙)の株主だが、今年から新設された株主優待で、ネビアのトイレットペーバーのセットをもらった。
王子ホールディングスの株主優待
株主優待の案内は、株主総会の案内と一緒に6月上旬に届いた。3月末で1,000株以上、半年以上継続保有の株主が対象で、王子ネピア商品カタログギフトから選べるようになっていた。選んでいたネビアのトイレットペーバーのセットが段ボール箱に入って 先日届いた。
非常に手触りのよい「おしりセレブ」も入っていたので使ってみたが、温水洗浄便座の水分を拭うだけなので、ありがたみをあまり感じなかった。「鼻セレブ」は風邪や花粉症の季節にはありがたみを実感できるが。
9月末で5,000株以上の場合、「王子の森」へのメッセージを送ると、その数に相当する本数の苗木を植樹してくれるという優待もある。私は3,000株しか保有していないので、残念ながら対象外になる。
なお、株主優待は今年からで、昨年の12月25日に新設が発表された。
王子ホールディングス株の売買状況
2005年来の株主で売却したことはないが、月足チャートと売買履歴を以下に示す。
2005年当時、王子ホールディングス(2012年9月までは王子製紙)は、比較的高配当の株式だった。12円配当で配当利回りは2%超だった。私の保有株だと2%を超えていたのは電力株やNTTドコモなど限定的で、トヨタやNTTなど多くは2%未満だった。最近は高配当銘柄が増えたのに対して、王子ホールディングス(以下、王子HD)は、ほとんど配当を増やしていないので、とおにかすんでしまったが。
王子HDは、土地を日本一保有している企業でもあった(日本国内に19万haで大阪府の面積に相当する社有林)。私はその頃、日本政府がインフレ政策に走り、政府の借金を目減りさせる手段にでるのではないかと懸念していた。もしそうなれば、森林主体でも膨大な土地の価値が評価され、王子HD株は資産防衛に役立つだろうと考えていた。結果的にはそうなっていないが、今でもその懸念は拭えていない。
配当と土地持ちという点に着目してウォッチしていたが、2004年の高値から下げてきて、2005年に入って600円割れ(配当利回り2%超)水準で底を打ったように見えた。それで2005年2月に590円で1,000株買った。4月に再度下押して安値を付けた後は底堅い動きだったので 、2005年7月に568円で1,000株買い増した。これで累計投資額は100万円を超え、当時の私の株式資産の中では準主力銘柄と言っていい状況になったので、仕込みは終了だった。
その後は順調に上げて2006年2月に800円台になったが、保有理由からしてそう簡単に売る気にもならず、放置しておいた。しかし、その後は長期に渡って低迷し、2018年まで高値更新することはなかった。現在でも2005年当時と同水準の株価なので、投資として成功しているとは言い難い。
2012年8月には250円で1,000株買い増した。あまりにも安すぎると思ったからだ。当時の日本は悪夢の民主党政権の末期だった上、米中の景気先行き懸念、欧州債務問題とギリシャのユーロ離脱懸念などで株式市場はかなり低迷していた。ほとんどの銘柄が安すぎると思える水準になっていた。この頃、うまく資金投入できた人は、2012年末からアベノミクス相場で大きく儲かっただろう。
逆に言えば、この頃投資を始めた人は本人の知見やテクニックとは関係なく、誰でも簡単に利益が出たと思う。色々考えながらやったにしても、運よく利益が積み上がった面が強い。資産運用に運は付き物だし、相場環境の影響も大きい。コロナショックを契機に投資を始めたような人も同様に儲かっただろう。実力以上の成果になっているはずなので、その後の安直な投資行動で積み上げた利益を失うことがないかちょっと余計な心配をしているところだ。
最近の王子HD
今年の5月13日に2021年3月期の決算と、2022年3月期の業績予想を発表した。
2021年3月期の業績予想は4月20日に上方修正済みだったが、2022年3月期の経常利益が前期比44.5%増で3期ぶりに過去最高益を更新する見込みというのは好材料だった。株価は、これを好感して年初来高値を付けた。
しかし、翌日には早くも大幅反落した。配当は14円(配当性向20%弱)のままだし、自社株買いもない。ちょっとした株主優待なんかよりも、増配や自社株買いの株主還元を積極的に行わないと人気は出ないと思う。
とはいうものの、私にとっては株の方ではあまり利益が出ていないので、株主優待新設はちょっとうれしい出来事だった。日本一の土地持ち企業の面もあるので、今後も基本的には長期保有を続けるつもりだ。ただ、もし4桁に載せるようなことがあれば、一部売却して250円で買った分は恩株にしておいてもいいかなと考えている。
なお、最近、外資(特に中国)に水源地や森林を大規模に買われてしまっているという問題があるので、それに対抗する気持ちで継続保有しておきたい銘柄でもある。また、王子HDは、二酸化炭素を吸収・固定する広大な森林を国内のみならず海外にも保有していて、ESG関連銘柄としても期待できる。王子HDの森林に関する情報は、例えば以下にある。興味があればご一読を。