プチ早期退職者の資産運用+αブログ

個別銘柄:エル・ティー・エス(1部昇格発表で記念売り)

 2020年7月8日に東証マザーズから東証一部に昇格となり、話題も増えてきたエル・ティー・エス(以下、LTS)について書く。
 この記事に記載してある売買は6月24日に3,429円で100株売ったところまでだったが、9月25日に6,000円でさらに100株売ったこと等についても追記してある。税金を考慮しても残る100株は恩株となっている。


読み飛ばしてもらっていい前置き

 このブログは、有望な銘柄を紹介するためではなく、私自身の投資経験に基づく知見等を残しておくため書いている(ボケ防止とか備忘録のためもあるが)。そのため、売却によって投資が終了していて、かつ参考になるような事例がある銘柄に限定して個別銘柄シリーズを書いてきた。

 具体的には、循環取引の発覚したネットワンシステムズ、MBOが発表されたニチイ学館、GC注記のIRがあったTHEグローバル社 、IPOに当たったのに売り損ねて塩漬けだったメルカリの4社だ。その他の記事でも、個別銘柄に言及しているが、記事の趣旨に合った事例として紹介するためだった。

 ただ、そのような書き方をしていると、個別の銘柄に関してツイートした比較的新しい有用な情報があっても書き残す機会がなくなるし、備忘録としても無意味になり、何年も書く可能性がない銘柄も多い。そのため、今後はある程度の情報とかネタになる内容があったら、投資終了前でも書いていくようにしたいと思う。


着目したきっかけと当時の値動き

 LTSは2017年12月にIPOで東証マザーズに上場された銘柄だが、IPO銘柄をあまりチェックしていない私は知らなかった。その後、当時定期購読していたダイヤモンド・ザイ ZAiの2018年7月号で、直近IPO株の特集の中で1ページを割いて紹介されていた。2番目の注目度で「ITやAIの導入で企業の効率化を支援する!」というキャッチフレーズが会社名に添えられていた。当時の株価は2,400円ぐらいだった。紹介されている企業内容に興味をもったので、ウォッチリストに入れておいた(ヤフーファイナンスのポートフォリオに登録しておいた)。


これまでの値動きと売買記録

 LTSの値動きと、どう考えて売買したのかを記録として書いておく。長くなったので、サマリとなっているチャート以外読み飛ばしてもらってもよい。

 まず、LTSのIPOから今年8月7日までの週足チヤートに売買記録を吹き出しで追記したものを載せておく。
出所:チャート部分は株探(https://kabutan.jp/stock/chart?code=6560&tech=1)

 ZAiで紹介された後、少し上げた(よくあるパターン)。そこでしばらくもみ合っていたが、ほどなく下げてきて2,000円付近で再度もみ合った。しかし、2018年8月初旬、第2四半期決算が悪かったのがきっかけで窓を空けて急落した。LTSの第2四半期は4~6月で、積極採用している新人の教育期間で費用増だけが先に出てくる関係で一時的なものだろうと考え、下げてきたところを1,790円で100株だけ買ってみた。買が少し早すぎたが、8月下旬に1,355円で底を打って、すぐに2,000円台に戻して行った。

 その後2,000円を挟んで荒めの値動きをしていたが、市場環境が悪化した2018年末に向けて急落して安値を更新し、1,177円を付けた。2018年末は、多くの銘柄が年初来安値を付けていた。

 2019年に入って戻したが、戻り高値は1,857円にすぎず、長期的に上値は右肩下がりだった。その後も決算で窓を空けて下げたり、少し戻したりと荒めの値動きを続けていたが、値動きが収束してきた感じがした3月下旬に1,350円で100株を買い増した。

 3月末に1,270円で底を打って7月には2,000円台を回復した。2,000円前後はもみ合いゾーンだったので、最初に買った100株は2,000円丁度で一旦売却した。普段の長期売買とは違って少し短期の売買になったが、利益は税引前で2万円強、利益率11%強,年利換算12%強になった。

 8月に入ると、またもや鬼門の第2四半期決算で窓を空けて急落した。私は決算発表の翌日、資金を捻出のためにニチイ学館を成行売し、ストップ安の1,527円で100株を買い戻した(2020.8.5のツイート)。一旦売却してあったので気持ちに余裕があったし、また一時的なものだろうと思っていた。その頃には馴染みのある銘柄になっていて期待していたし、よく観察する銘柄になっていた。

 ところが、翌日も勢いよく続落したので、今度はセゾン情報システムズを売却して資金を捻出して1,350円で100株難平買いした(2020.8.6のツイート)。セゾン情報システムズは投資資金回収済みの恩株状態で割と持っており、業績は回復して配当もいいので売るのは惜しかったし、一般口座の売却益が増えるのもいやだった。しかし、フルインベストメントを基本にしているので仕方ないところだ。

 その後もやけに下げ続けるなと思っていたら、9月に立会外トレードというのがあった。9月10日の終値で値決めするようになっていて、1,123円に決定した。翌9月11日、私は下げ止まりを想定して残っていた資金で1,142円で100株買い増した(2020.9.11のツイート)。9月13日には一時1,126円まで下げたが、そこを底に戻していった。

 2020年1月には2,000円を回復した。私は、その直前、日経のニュース(好業績見通し関係だったと思う)でストップ高の1,980円を付けた1月21日に100株だけ売却して利食いした。かつてストップ安で買った分をストップ高で売ったので満足した(2020.1.21のツイート)。またもや短期の売買になったが、利益は税引前で4.5万円弱、利益率30%弱、年利換算63%強になった(管理上1,527円での購入分)。

 1月30日に突然10%以上急落した。調べてみたが、特に悪いニュースはないようだった。地合いが悪いにしても、普通の利食いにしては下げが急過ぎた。隠れた材料があるのか、単に短期筋が投げただけなのか分からなかった。一部だけでも利食いしていてよかったと思った(2020.1.30のツイート)。

 2月7日に発表された決算では今期経常利益を10.8%増益に上方修正し、来期も17.4%増益見込みとした。それを好感して株価は窓を空けて14%ほど上げて年初来高値を更新した。1月30日に10%以上急落した時は押し目買のチャンスだったが、調べて特にニュースがなさそうでも、何か隠れているのかと思って怖くて買う気になれなかった(2020.2.10のツイート)。

 2月14日には2,284円の高値を付けたが、コロナショックでの急落に巻き込まれ、3月27日に870円の大底をつけた。私はコロナショックでの急落時に銘柄入れ替えや買い増しを色々したが、あの状況で新興株に資金を追加投入する勇気はなかった。しかし、この会社の業務内容はデジタルトランスフォーメーション(DX)のコンサルから開発・導入、ビジネスプロセスマネジメントまでの包括的な支援がメインであり、アフターコロナにマッチしていた。その点が評価され、かつ5月15日に発表された第1四半期の業績(進捗率が43.7%)が良かったため急騰していった。

 6月22日には終値でしっかり3,000円を超えてきた。コロナショックで900円割れまで下げたのがウソのようだった。アフターコロナにマッチした銘柄になっていたし、第1四半期業績での進捗率がよかったので通期業績の上方修正期待が強いのだろう。利食いの誘惑を感じる水準だったが、我慢した(2020.6.22のツイート)。

 6月23日の引け後に東証一部昇格と立会外分売の決定が発表され、翌日は株価が急騰した。6月半ばからやけに強かったのは、一部昇格の話が漏れてたのかなと思った。申請はしていたんだろうけど、一部昇格を目指す話は目にしていた記憶はなかった。一部昇格だとインデックス買いも期待され、先回り買いが入る。一方、立会外分売の価格決定に向けて価格が抑えられる懸念もあった。私は、一部昇格を記念して朝一で100株だけ利食いした。3,495円で売れた(2020.6.24のツイート)。

 管理上の1,350円買った分を売却したので、税引前で利益は21万円強、利益率157%強、年利換算126%強の好成績となった。これまでの売却益の累計で、税金を考えなけば残り200株は恩株になった。今後は、じっくり利益を狙っていきたいところだ。


最近の情報と今後の見通し

 少し時間が戻るが、6月23日の一部昇格決定の正式なお知らせは以下だ。
東京証券取引所市場第一部への上場市場の変更の承認に関するお知らせ | 株式会社 エル・ティー・エス

 同時に株主数を増やすための立会外分売も発表された。
 7月1日~3日のいずれかで実施となっていたが、結局7月1日に実施で、分売価格は2,749円(割引率2.52%)となった。


 7月に入ってからは2,500円~3,000円を中心とした値固めの動きをしていた。
 7月31日に証券リサーチセンターからホリスティック企業レポート エル・ティー・エスが出た。無料で読める結構詳細なレポートだ。

 私もさっとしか読んではいないが、業績見通しの情報が目を引いた。
 レポートの予想だと、EPSは2020.12期は62.0円、2021.12期は99.2円、2022.12期は142.6円となっていた。四季報だと20.12は59.1円、21.12は72.6円なので、よくなっていた(2020.8.1のツイート)。

 四季報にない2022.12期のEPSの予想があり、それが正しくて、成長性もある程度維持しているとしたら、成長株としてPER30倍で4,278円が目処になる。もし高めに買われてPER50倍を想定すると7,130円という計算になる。
 私としては、次に利食いを検討するのは5,000円をイメージしている。もちろん途中で変えるかもしれないが。


 8月3日は急騰して3,000円を回復したが、マイナーな証券リサーチセンターのレポートではなく、みん株に掲載されたフィスコの社長インタビュー記事が効いたのだろう。少し前、マネックスのビデオセミナーで女性のアナリストの人だったかが推奨銘柄にあげていた。何かと話題になる。(2020.8.3のツイート)

DXの「新本命」が東証一部へ「エル・ティー・エス」樺島 弘明社長インタビュー


 8月7日の昼、LTSは第四半期決算を発表した。
決算短信 2020年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

 この発表を受けて後場から一時ストップ高の3500円まで急騰した。通期計画に対する営業利益の進捗率は63.8%となったが、5月15日発表の第1四半期の進捗率が43.7%だったので、驚くほどの内容でもないと思った。ただ、一部昇格で新たな参加者が増えているので、好感した人が増えたのかもしれない。通期業績の上方修正はいつやるのだろうと思った(2020.8.7のツイート)。

 過去の値動きを知っている人から見れば、鬼門の第2四半期決算でよかった点も評価されたのかもしれない。ただ、決算説明資料を読めば、第2四半期で落ち込むのは積極採用の影響だとかいう話も分かる。2023年度見通しもあり、信用するかは別にして、営業利益は2019年実績の4倍近い数字があげられている。

2020年12月期 第2四半期決算説明資料


 長くなったが、昔の情報から先週末のツイートに関連した内容までを書き終えた。
 読んで頂いた方に少しでも参考になる情報があれば幸いです。



【2020.9.25追記】

 上の記事で「次に利食いを検討するのは5,000円をイメージしている」と書いたが、8月24日に急騰して軽く超えてきた。8月末頃から上げ足を速めていたが、デジタル庁の期待もあってか勢いを増してきた。先週発行の四季報秋号でも夏号と比べて予想EPSは2020.12期は59.1⇒66.4円、21.12は72.6⇒83.7円、予想経常利益が350⇒400百万円、430⇒500百万円とアップしていた。

 今の市場のテーマに合っているし、業績見通しもいい。急騰しているときに早く降り過ぎるのも嫌だが、連日の急騰で買われ過感も強い。悩ましいところだった。それで、9月28日期限で一段高めの6,000円丁度での指値売注文を出しておいた。今の勢いで一気に到達すれば売れるし、一旦調整して日柄整理をするようならまた考えようと思った。

 その結果、勢いは強いままで9月25日の午前中にあっさり売れてしまった。個別管理上は2019年8月6日に1,350円で購入した分を売却したことになる。税引き前で売却益は46.4万円、利益率343%、年利換算302%という久々の好成績になった。

 残るは100株のみとなった。さすがにそろそろ調整してもいいと思うのだが、やがては高値更新していく銘柄だとも思っている。個人的に次のめどは、上の記事に書いたホリスティック企業レポートの中の2022.12期のEPS 142.6円が正しいとして、高成長株でPER50倍を想定して7,130円と言う感じだ。業績見通しは当然変わっていくし、状況次第でどう判断するかも変わるので、あくまでも現時点のイメージだ。テンバガーを狙ってみたい気もするが、多分、我慢しきれないと思う。



【2021.4.13追記】

株価は、先の6,000円での売却の翌週2020年9月28日週)に6,150円の最高値を付け、反落して行った。下げ続けた株価は、2021年3月9日に3,150円で大底を付け、反発している。

 現在の株価は4,200円前後だ。最高値までは遠いが、業績そのものは順調に拡大している。上で参照した証券リサーチセンターのホリスティック企業レポート エル・ティー・エスの更新版(2021年4月2日版)があったので、業績見込みの部分だけ、記録として貼っておく。


 2023年12月期にはEPSは200円を超える見込みなので、PER30倍としても6,000円という計算になり、やがて最高値更新も十分あり得ると思っている。
 ただ、私としては既に恩株軍団の一つとなっているので、追加購入する気にはなれないでいる。

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