あるスイス人一家を訪問
スイスは欧州の中央、アルプスに位置する国で面積は日本の九州くらい、人口は800万人。
私が日本にいたころ、スイスは小国というイメージだったが、実際は世界最高の国際競争力を持つ国だ。
精密機械、高級腕時計、はスイスの主要産業。
国民の一人当たりのGDPは42,000ドル。一方日本国民一人当たりのGDPは36,000ドル。日本よりも豊かな国スイス。
マニラにいたころ、スイス人と縁ができお宅をお邪魔する機会が有った。
彼は、服装、風格からして他欧米人と異なる気品があり、富裕層という感じだ。
英語も丁寧なイギリス英語を話される。
この一家はマニラから1時間のところにあるアラバン市に住んでいた。家を訪れるとあっと驚く豪邸。プール付き、庭園が美しい。企業家だそうで、大変な富豪だ。
なぜスイス人が豊かなのか、興味をもち調べたところ、日本と共通するものがあり、スイスに親近間を抱くようになった。
かって国際競争力のある産業がなかった地方の貧しい国スイスがなぜ、世界に冠たる最高に豊かな国になれたのか。
「嘆きのライオン」フランス革命
19世紀の欧州は戦争が多く、多くの雇い兵、傭兵にスイス人が応募し、傭兵からもたらされる外貨はスイスの主要な収入になっていた。
ある一家の兄弟、お兄さんがドイツの傭兵、弟さんがフランスの傭兵になり、ある戦場で、兄、弟が戦うという場面に遭遇。兄弟が敵になり戦闘になったとのこと。
これを知ったスイス人は嘆き、もう傭兵は止めよう、傭兵に出なくても生きていけるよう産業を作らなければいけない。 国を挙げて富国強兵に乗り出した。
この嘆きは「嘆きのライオン」としてライオンの彫刻があり、有名なスイスの観光地になっている。
そして、精密機械、ロレックスなどの精巧な腕時計を生み出し、世界でも指折りの国際競争力を持つ富裕国になった。
一方日本も、敗戦時の最貧国の時代に、民官をあげて産業勃興に力をいれ、自動車、工作機械、電子機器、世界競争力ある産業を生み出した。
スイスと日本、なにか共通点があるように思える。
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