やっとうれしい旅立ちが予定より一日遅れで実現できそうです。
台風の欠航が前日だったためか、いつもより人であふれていました。
熊本行きの15番ロビーもいっぱいですが16番ロビーは旭川行きの搭乗を待つお客さんであふれています。
まもなく機内へ案内のアナウンスかな~?と思っていると、16番搭乗口の声が聞こえてきました。
”旭川の天候の都合で欠航と決定しました!”
ええ~!!と言うため息とも驚きともつかないどよめきの声が上がりました。
お預けの荷物は到着ロビーで受け取ってから払い戻しのカウンターに・・・と言う指示です。
民族の大移動のように無言で人の流れが出口に向かい始めました。
私は隣に座っていた男性と顔を見合わせて感想を話し始めました。
私よりも少し年配のようですが、身内の不幸ごとがあり熊本行きを待ち望んでいる一人でした。
深夜バスがあればと思っても台風通過の夜なので走っていなかったし、朝一番の7時50分を予約していたけれど、機材が間に合わず欠航となり、私の搭乗便のキャンセル待ちをしているのだと言う話でした。
昼からの葬儀には間に合いたいと言う悲痛な声でした。
キャンセル番号が30番といいます。
うまく行くと良いわねえ~と言葉を残し、私は一足先に2番Hの席で彼の搭乗してくる姿を探し続けましたが、とうとう彼は現れませんでした。
キャンセルは30もなかったのです。
みんなそれぞれのドラマを演じているのだと感じました。
家に帰り着くと午後のヘルパーさんが入って下さっていました。
「わ~、お帰り~~♪」と大声でいう母を見てヘルパーさんが驚いています。
「マサエさんは、いらっしゃいと声をかける人と、顔を見覚えてない人には無言のときの2種類だと思っていたけど、娘さんには即大声でお帰り~って言えるのねえ~!」
母の真の姿を見た思いでした。
お風呂に入れて体を見ると、床擦れも汗疹もきれいに治っていました。
皆さんが真心で介護してくださったおかげです!
すぐに支援センターにお礼の言葉を入れておきました。
野草の丘や花庭は思っていた以上に倒れて無残。
また明日でもゆっくり起こしたり、剪定したり手入れをしたいと思っています。
翌朝になると、筋肉痛がひどいのには閉口でした~
台風のために交通機関がストップで宅急便を出せず、大きな重たい荷物を二つ
持ち歩いたのです。
腕や肩や背中が痛くって・・・
母の薬をやっと自転車でもらいに行けたという半病人の体でした。
大事にしていたカリンの木が根っ子から折れ、コスモスの大株が左右に倒れて見るも無残。
起こしてやる気力もなく元気の出ない一日でした。
母が上機嫌なのが救いです。
4番目の妹がお盆の帰省でカラオケセットを母の土産に持って帰っていました。
いつでも使えるように、リビングのテレビに接続して説明書も、順番に分かりやすい言葉に書き換えて貼り付けてくれていました。
説明書の読み取りが苦手な私にはぴったりの張り紙でした。
母の十八番は何番だよってことも至れり尽くせりの妹です。
恐る恐る手を伸ばし操作してみるとたしかにオンステージという案内画面が出てきました。
選曲してくださいという指示なので、母の好きな十八番の「さざんかの宿」の番号を入れると演奏開始となりました。
曇りガラスを~~
手でふ~い~て~~♪
懐かしい切ない気持ちになってきます~
母が音を聞きつけて、大急ぎでリビングに移動してくる気配が感じられました。
私の歌う番だと慌てているようです
マイクを渡しました。
姿勢をぴんと整えて大きな声で歌い始めました。
ビックリするくらいの大声なんです。
音程は外れていますが文字をしっかり捉えて遅れないように歌っています。
最高にご機嫌です。
歌い終わると自分で”うまいうまい”と拍手をしています~
「長良川艶歌」「命くれない」「奥飛騨慕情」「雪椿」・・・
歌の好きな母だったことが分かる一時でした。
私は「矢切の渡し」「夫婦舟」「風雪流れ旅」「津軽海峡冬景色」・・・
点数が出てきます。
だんだん意地になる面白さです~
二人で2時間ほど歌い続けました。
あまり長時間だと疲れるからまた明日~~
カラオケ三昧も浮世離れしていて、暢気な母娘にピッタリのひと時でしたよ~
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もっちゃんです
tuyosi
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