
(写真は、「中之条町歴史民俗資料館」)
四万温泉の二日目は、終日雨の天気予報だった
ので、奥四万湖などを巡る予定をキャンセル
して、帰路の乗換え駅の中之条の町中で終日
過ごすことにしました。



四万温泉発のバスの終点である、上の写真の
中之条駅に到着すると、駅構内に観光案内
コーナーがあり、ボランティアのオジサンが
退屈そうに座っていました。

中之条町の見どころについて尋ねると、嬉しそう
に、色々と説明してくれて、散策用の地図を
くれました。

貰った地図に従って、先ず林昌寺を目指します。


「林昌寺」は、中之条駅から徒歩約10分です。



立派な構えの山門の真っ赤な迫力のある仁王像
です。

林昌寺は、戦国時代に真田幸隆の弟・矢沢薩摩守
頼綱によって再建され、以後、真田家の庇護・
寄進を受けてきました。

境内の鐘楼の近くの16メートルもの高さの枝垂れ
桜は見事です!


本堂の屋根の家紋は、真田家の「六連銭」です!

境内には、六地蔵など、沢山の石仏・石碑が建てられています。


また、林昌寺は小渕敬三元首相の菩提寺でもあるそうです。

林昌寺を出て、緩やかな坂を暫く上って行くと、
右手に「中之条町歴史民俗資料館(ミュゼ)」
があります。


この建物は、明治18年に開校した「旧吾妻第三
小学校校舎」で、明治の洋風小学校建築です。
その後、女子尋常高等小学校を経て、昭和53年
まで町役場として使用されてきました。
(県重要文化財)
中之条町を中心とした原始・古代から中世・近世
・近代・現代までの歴史・民族資料約6,000点が、
当時の木造校舎を活用して展示されています。

町の歴史資料館なので、何か少しだけ展示して
あるのかな、と余り期待してませんでしたが、
中に入って展示物が豊富なのに驚きます!
町の博物館とは思えぬ展示品の内容で、音声
ガイド(100円)も充実しており立派です!

戦災にもあわなったそうですが、それにしても、
古代から近現代まで丹念に集められた資料は
秀逸です。

数々の資料に加え、写真パネルや解説文が当時の
様子をわかりやすく伝えています。
但し、残念ながら、開校当時の教室以外は撮影
禁止です。

有名な「ハート型土偶」のレプリカも展示されて
いましたが(本物は東京国立博物館所蔵)、
これは、JR吾妻線の郷原駅の建設工事中に発見
されたそうです。


(ハート型土偶:資料館パンプレットから)
展示物の中では、特に、沼田・真田氏の藩政を
中心とした幕末までの「近世資料」が面白く、
真田氏関係の書状、肖像画、武具、甲冑、軍旗
など、興味深く見学しました。
また、真田忍者の武具なども面白いです。

(真田氏関係の展示コーナー:資料館パンプレットから)

説明によると、1580年、利根・吾妻郡を支配した
真田昌幸は、武田・北条の滅亡後も両郡を領有し、
沼田藩・真田氏の基礎を固めました。

五代続いた真田氏は、中之条・原町・伊勢町など
の町割を完成させ、市場町として栄えさせた
そうです。
真田氏関連以外にも、武田勝頼・上杉謙信・
北条氏政などが上州の武将に送った書状も
展示されていました。
明治、大正、昭和の資料室には、開校当時の教室
が、机やイスもそのままに残されています。


・アクセス:中之条駅からバス5分 木曜休館 (200円)