(写真は、「蔵の街」の巴波川の遊覧船)
前回の「奥の細道」の「室の八島」の帰り道の
話です。
(室の八島については、「奥の細道:室の八島」を
見てね。)
歌枕の地「室の八島」の見物を終わり、東武
宇都宮線で野州大塚から「栃木」へ向かい、
「栃木」でJR両毛線に乗り換えて小山まで
行き、小山から湘南新宿ラインで横浜へ
帰りました。
「室の八島」--(徒歩)-→ 東武・野州大塚
→(東武宇都宮線)→ 「東武・栃木=JR・
栃木」 →(JR両毛線)→ JR・小山
→(湘南新宿ライン) →横浜
「室の八島」の見物が思ったより早く終わった
ので、「栃木駅」で、東武線からJR両毛線に
乗り換える際、だいぶ時間的にゆとりが
出来ました。
そこで、急遽、栃木駅の前のメインストリートを
歩いて、速足で、「栃木・蔵の街」を見物する
ことにしました。
栃木市は、町の西側を「巴波川(うずまがわ)」
が流れ、町並みの真ん中を「日光例幣使
(れいへいし)街道」(注)が通っています。
栃木の町は、江戸時代には「日光例幣使街道」の
宿場町として、また「巴波川の舟運の町」として、
幕末から昭和初期に、北関東の商都として大いに
栄えました。
(注)「日光例幣使(れいへいし)街道」:
徳川家康の日光東照宮に参拝するための朝廷の
勅使が、毎年、京都から派遣されました。
コースは、京都から中山道を通り、中山道の
倉賀野宿の先から別れて、栃木市の市街地に
入り、更に、小山と今市の間の脇街道である
日光壬生道に合流して日光に向かって
いました。
日光例幣使のメンバーは、江戸時代に入り
生活困難に陥っていた公家達だったので、
この時とばかりに、沿道の宿場で金品を強要
したため、行く先々の宿場からは煙たがられて
いました。
栃木駅で下車するのは初めてです。
(栃木駅)
栃木駅前の大通りを、「蔵の街」を目指して、
ぶらぶらと歩いて行きます。
駅前の大通りを暫く歩くと、写真の様な、
雰囲気のある立派な蔵が点在しています。
しかし、この日は、予想外の猛暑で、炎天下を
ふらふらと歩いていたら、余りの暑さに
ギブアップです!
歩いていた蔵の街の道路脇に、遊覧船の看板が
あったので、歩いての蔵の街見物を諦めて、
涼しそうな舟からの蔵の街見物に、急遽、
変更します。
「巴波(うずま)川」の「蔵の街遊覧船」に
乗ります。
「巴波川」(うずまがわ)は、歴史ある蔵が
立ち並ぶ景観の中を流れています。
上の写真の黒い木の階段が舟乗り場です。
猛暑の中、乗客は、この舟に乗るのは2度目
だという中年のオジサンと2人だけでした。
川の鯉に、舟からエサをやることができる
みたいで、そのオジサンは、1袋100円の鯉の
餌を買っていました。
コロナ対策のため、2人は背中合わせに座ります。
緩やかな流れの中には、鯉がたくさんいて、
エサをあげるとものすごい勢いで寄ってきます。
(エサをやるオジサンの側は、鯉がもの凄い
3密状態?です)
(エサをやらない私の側は、前頁の写真の
様に、鯉もソーシャルディスタンスを
保っています?)
写真の様に、木材の廻船問屋(かいせんどんや)
だったという蔵の黒い板塀が続く風景で、
川沿いの柳の枝も風になびき、なかなか風情が
あります。
船頭さんが、舟からの蔵の街並みの説明をしたり、
船頭小唄を唄ったりしてくれます。
遊覧船から上がって、巴波川沿いの長~い塀の
「塚田歴史伝説館」(700円)に入ってみます。
入館の際、検温を受けたうえで、氏名、住所、
電話番号を記入します。
塚田家は、江戸時代後期から、巴波川(うずま
がわ)の舟運を活かし、木材の廻船問屋
(かいせんどんや)を営んできた豪商です。
当時は、木材を筏(いかだ)に組んで、巴波川を
江戸・深川の木場まで、三日三晩かかって運んで
いたそうです。
巴波川沿いに、120メートルに及び巡らされた
上の写真の塚田家の黒塀と白壁土蔵は、
「蔵の町・栃木」を代表する景観となって
います。
“うずま川悲話”という伝説に基づく大掛かりな
ロボット芝居が、ここの伝説館の売り物だという
ことだったのですが、残念ながら、入館者が
2人以上のときしか公演しないとのことでした
・・・
中へ入ると、“三味線おばあさん”のロボットが
三味線の弾き語りをしていました。
入館時に、現在の入場者は私一人だけだと聞いた
のですが、入館してみると、私以外にもう一人
先客のオジサンがいて、熱心に三味線を聴いて
いました。
なあ~んだ、このオジサンと私と2人いるから、
“うずま川悲話”のロボット芝居が見られる
じゃあないか、よかった!
”ご一緒にロボット芝居を見に行きませんか?”
と声を掛けようと、近づいて、よく見ると
そのオジサンは人形でした・・・
広い館内には、からくり人形山車など、色々と
面白いものがありました。
(映画「路傍の石」のロケ風景)
塚田歴史伝説館を出て、最後に、上の写真
「とちぎ山車(だし)会館」(500円)に
入ります。
展示室の山車と、マルチ映像の「とちぎ秋祭り
(隔年開催)」(撮影禁止)を見物してから、
栃木駅に戻り、JR両毛線で小山に出てから、
湘南新宿ラインで横浜に帰りました。