柴田是真

久しぶりにものすごく良い展覧会に行ってきました。
柴田是真という漆工家の展覧会が2月7日まで三井記念美術館で開催されています。
たまたま美の巨人たちを見たところ、とにかくすごい内容だったので。

漆は盆や器といったものが思い浮かびますが、想像を超えています。
青海波塗と呼ばれる塗り方は波の模様がとにかく細かくて迫力があります。
紫檀塗はまるで紫檀のように見える塗り方で、本物の紫檀みたいでした。
現代の漆作家の方が再現した青海波塗や紫檀塗をみると、柴田是真はまるで別物のようにすごいです。
すごく難しい塗り方だと思うので現代の作家も、かなりの技術があるはずなのですが・・・
レベルが違うというかSMAPのダンスとマイケル・ジャクソンのダンスを比べてしまったような、そんな感じです。

「柳に水車文重箱」はため息がでます。
印籠や文箱などすべてがお洒落です。
江戸の粋というものでしょう。
必要なくても手元に置いておきたい、そんな作品が目白押しですよ。

艶の加減だったり、漆を重ねてその凹凸で模様をみせたり、とにかく「すごい」としか言葉がでません。
漆絵も見逃せません。
「富士田子浦蒔絵額」は絶対に見た方がいいですよ。
これだけの大作で細かいところまでしっかりと描かれています。
ずっと見ていたいです。

美の巨人たちで見たのですが、細い線を描くのにゆっくり引かないと描けないそうです。
ゆっくり描かれた線の筈なのに、スピード感がありました。
漆は耐久性があるので現在も色鮮やかです。

美術品というより工芸品だからでしょうか？
技もすごいし、発想もお洒落で気が利いているし、肩肘張らずに楽しめました。
もっともっと伝えたいことがあるのですが、伝えきれません。
是非とも見に行ってもらいたいです。
超お勧めです。