山を歩いたりさまよったり

山歩きなど記憶から消え去らないように書き留めます。

大朝日岳

2022-10-18 10:49:30 | 日記

大朝日岳

 「東北百名山」というガイドブックを買ったのはだいぶ昔。2000年発行となっているが、この表紙を飾るのが大朝日岳からの写真だ。
行きたい、できれば紅葉の時期に、できれば小屋泊りで朝の写真を撮りたいと思っていたが、何分遠くて実現できなかった。山仲間のSさんに、この写真を見せて、どうや?と探りを入れたのが3年前。天気などで2年だめで、今年は早くからスケジュール調整して実現した。前日出発して登山口に近い道の駅で仮眠して登ることにした。新潟で高速から一般道に入ってすぐに、これからコンビニはほとんどないだろうから、と食料を買った。が、かなりの田舎道でもコンビニが有るわあるわ。富山よりコンビニ密度高い!山形県に失礼しました!道の駅でテントを建てようとして、ポールを間違えて持ってきたことが判明し、結局テントにくるまって寝る羽目になった。星がきれいで静かだから問題ない。Sさんは車で寝る。朝方、テントから顔だけ出して星の観察していたら、オリオン座付近に流れ星ほど速くなくて飛行機より速いかと思うスピードで光が動くがコンマ何秒で消えてしまう。これが何度も、一分に2~3個、合計10個以上観察された。これは何だろう?後日yahoo知恵袋に質問したが誰も教えてくれない。
 登山口はいろいろあるが、周回できるコースがいいというSさんの意見で中ツルコースで登ることにした。車酔いもあって歩き始めのSさんの足がもつれて心配。沢沿いの道は危険一杯で、最悪引き返すつもりでスタート。つり橋を4回も渡る。Sさんもだんだん調子を取り戻したが、沢沿いの道は、滑ったらただでは済まない感じで、二度と来たくない道だ。山小屋の管理人から昨年滑落してヘリで搬送された話を聞いた。緊張のあとは急な登りがいやになるほど続いたら頂上だ。頂上では50才くらいの100名山挑戦中の明るい女性グループの歓迎を受けた。このコースから来たの?と「物好きね」という言葉は隠して驚かれた。曇で紅葉ももう少しだったが、素晴らしい景色だ!八幡平の山のような伸びやかさがあって、飯豊連峰に続く山並みは厳しさを感じさせる。人気の山で昨日の土曜日、小屋は超満員だったらしい。幸い今日はほぼ満員といったところ。小屋の外で食事をとって、シュラフに入った頃には他の登山者はほとんど静かでランプをつけている人もいない。我々も寝るしかない。良く寝た!と目を開けたらまだ今日だったので、無理に目を閉じたりして。
 朝、カメラを持って頂上に向かうが、残念ながら期待したご来光プラス朝の景色とはならなかった。小屋に戻って食事後の下山は仙台から来た同年配のグループと最後になった。彼らはメジャーなコースで下山。我々は鳥原山コース。途中雨に遭ったが、おおむね曇り。最後のブナ林の急坂を下り、昨日通った登山口近くの分岐点に到着してほっと一息ついた。
 昨日も入った長井市の気持ち良い風呂に今日も入って、道の駅で食事して真夜中過ぎに自宅に帰った、といっても全部Sさん運転。
大朝日の前々日に白山に登った疲れが残っていたのか、帰りの車の眠さ半端なく、Sさんには申し訳ないことをした。いつものごとく。
今年の山は北海道と併せて、満足だ。このあとしばらくあっくりした日を過ごした。

油断ならない

高度感はないが、濡れている岩をズリッとなったら、、、

水はきれいだ

やっと見えた

紅葉も少し

振り返って見る

時間たっぷりかけて到着、女性に取ってもらって笑顔。

小屋が見える

ご来光を狙って

やっと雲の上にお日さんが

谷に日が当たって

いい感じ

いい感じ、その2

帰りに紅葉の綺麗な湿原があった

ブナ林を過ぎるとほどなく登山口

 

 

 

 


ウポポイ訪問

2022-10-14 20:31:29 | 日記
ウポポイ訪問
2022/9/11  快晴
私の叔父二人(明治か大正生まれ)が北海道に口減らしのために渡ったことが北海道に対して特別の思い入れをしている理由かもしれない。
昨年、北海道を計画しているときに、旅の本として選んだのが「チーム オベリベリ」だった。amazonに注文して届いた本の厚さにびっくり。今まで私が読んだ本でこんな厚いのは初めて。厚さ4.5cm!ほんの少し読んだだけでつんどくにしていたものを今回は携行した。オベリベリ、帯広を当初そう呼んでいたそうだ。本は北海道の中でも手つかずだった帯広に最初に入植した人たちの話だ。本が重くて閉口し1/3しか読めなかったものの開拓時の苦労や様子が少しは感じられたかな。入植した人たちは、厳寒の地で過ごす知恵や鮭の捕獲を教わったり、アイヌの人たちと概ね友好的な関係を気づいていたように描かれている。北海道ドライブの最中、小説のことが思い出されて面白かった。北海道といえばロマンチックな景色が広がるというイメージだが、実際は(生産性の観点からは)不毛な土地がほとんどなのだ。
さて、ウポポイは昨年?オープンした「民族共生象徴空間」というまがまがしい説明のついた国立のアイヌを紹介する施設である。アイヌ関連の施設としては阿寒湖と屈斜路湖を訪ねたことがあるが、ウポポイはさすがに国立、広くてきれいでのんびりできる公園でもある。中央に資料館があって周りにアイヌの生活を体験出来たり見学できたりする建物が配置されていた。民族資料館というと展示品に埃がかぶっていたりでげんなりすることが多いが、さすがに新しい施設なのでそれはない。レプリカが多いせいか?
ウポポイは想像していたより頑張っている感じを受けたが、やはり物足りない。絶滅したのが”物”であれば、展示で説明可能かも知れないが、消えゆく民族の記憶を残す時に、道具や技術や歴史を伝えるだけでは全く不十分だ。民族の”文化”を伝えるのは不可能だが、少しでも迫れるとしたら、芸術の力に頼るしかないのではないかと思うのだが、ここのところが不十分だと感じた。

民族共生象徴空間という言葉にも引っかかった。アイヌを駆逐してきた歴史はそろそろ忘れて、未来志向でともに歩こうじゃないかという、阿部元首相が言いそうな主張が聞こえてくる。真珠湾でも対韓国でも未来志向という口当たりの良い言葉が使われ、未来だけ見て過去は忘れようという幼稚な思考がここでも感じられる。世界的な先住民族へのリスペクトの動きに対して、日本もアイヌ民族を放置する訳には行かなくなり、建物は立てたが民族問題は決着済みだよとつぶやいているように思えて不快だった。深読みしすぎでしょうか?

翌日、二風谷のアイヌ資料館を訪ねたが、余計なものがなかったので、こっちの方が気に入った。知里幸恵の銀のしずく記念館も気になったが、古びた資料を見るに忍びなく訪問しなかった。


雨竜沼湿原

2022-10-14 08:27:09 | 日記
雨竜沼湿原
2022/9/10 #612 快晴
雨竜沼湿原のさらに奥にある南暑寒別岳を予定していたが、3日間の晴天で休みなく登ったので、足ではなく消化器に疲れが出て、今日は雨竜沼までのお手軽登山とした。埃っぽい道が延々と続いた(せっかく洗車したのに)道を走らせて着いた駐車場ばかでかく、はすでに30台くらい停まっていた。
丁寧な入山届を書いて登山開始したが、山道で出会った人は数人。あの車の人々はどこに?、すぐに着くと思っていた雨竜沼は結構遠かった。あれだけの車があったのに、登山者とはほんの数人にあっただけ。北海道は広い?去年は会津の雄国沼、今年は尾瀬と湿原を歩いたが、雨竜沼は格別だった。どう格別か、よくわからない。ただだだっぴろいのだが広さから言えば尾瀬の方が断然広いだろう。雄国沼のような美しい変化もなく、ただただ道が延々と続く感じが、北海道らしいとしか言いようがない。とにかく楽しくなる湿原だ。南暑寒別岳には登れなかったが満足満足。気持ちよく下山した。

駐車場の車は倍以上に増えていて、ナンバーを観察した結果、道外ナンバーは3台のみだっだ。なんと富山ナンバーがもう一台。コロナの影響が大きすぎ?

 


旭岳

2022-10-14 08:17:24 | 日記
旭岳
2022/9/9 #611 快晴
 
夕張の宿を早朝に出て旭岳ロープウエイ駅まで走る。途中コンビニで昼食と抹茶用のお湯を分けてもらおうと思っていた。まだあるだろうとコンビニ一軒を見送ったのが間違いだった。結局あの一軒だけだった!ところで、北海道のコンビニはセイコーマートというのが多く、これは24時間営業をしていない場合があり、営業時間に注意しないといけないのは前回身に染みたが、これも北海道らしいなと思ったものだ。今回、ローソンとか大手コンビニの数が大幅に増えている感じがした。地元コンビニ!負けるな!結局ロープウエイ駅でパンなど軽い昼食しかget出来ず、湯ももらえなかった。残念。
旭岳はロープウエイで登るので皆比較的軽装備で登っている。池までならハイヒールか?そんな感じなのでなめてかかったが、小さい火山礫のせいで"歩きにくいこと半端じゃない。高さのわりに疲れるなあ。頂上直下、女性の方は特に足場の確保に難儀している。ここを越えたら、大雪山のもう一つの主峰黒岳を見渡せる見渡せる絶景が待っていた。前は層雲峡から黒岳、間宮岳、北陳岳などを巡るコースを歩いたことを思い出した。あの日も晴天だった。黒岳以外の頂きは同定できなかったが。前の記憶を思い出しながら眺めるのは良いものだ。旭岳は紅葉が日本で一番早く訪れるとかで、緑の斜面のところどころ、赤が目立った。最盛期にはさぞや美しいだろうなぁ。
物足りない感じもしたがゴンドラ駅から、ソフトクリームを舐めながら正面の旭岳を眺めて満足した。

今日の宿は旭川。夕暮れてから街を散策したが、半袖しか持ってこなかったのが失敗!寒い寒い。


夕張岳

2022-10-14 08:05:37 | 日記
夕張岳
2022/9/8 #610 快晴
 
夕張岳には二度振られている。一度は道路が不通、一度は天気のために。今回は是が非でも登らなくては。夕張の農家ユースホステルも三度目だ。お気に入りの宿なので連泊とした。ここの朝食を食べたかったので、朝食を食べてから出発とした。ボリュームが多くて食べきれなかったので、一部をラップにくるんで山に持って行った。これがうまかった。朝食のために登山開始が少し遅れるが、暗くなっても宿に戻るだけなので大丈夫と踏んだ。登山口まで一時間余りかかって、駐車場に到着。車は三台しか停まっていない。こんなに良い天気なのに、噂の名山なのに。
登山開始から間もなく分岐となる。夕張岳を守る会の本拠となる山小屋を見たかったので、登りは小屋を通る馬の背道。結構ワイルド感がある道でアップダウンでへこたれた。先が思いやられたところに、大岩が目の前にそびえて、あれを登るのか?とさらに萎えかけたがこの岩を巻いたところが展望台だった。向こうに見えるのは?と地図を広げたら明日行く大雪旭岳らしい。背丈の高い笹を切り開いた道をほぼ水平に進んでいたら、私を熊と間違ったのか、ぎょっとした顔の青年とすれ違った。木道が見えてきて、湿原になっているところに出た。ここらへんに固有種のユウパリコザクラが咲くんだろう。山奥の湿原、最高の気分。つい小走りになってしまった。下山してきた人を捕まえてしばらく話を聞いた。秋田から来たという上品な年配者だった。話を聞くと私よりグレードの高い山を登っているらしい。感心しながら話を聞いた。今日山に入っているのはさっきの青年と3人だけだった。木道が終わると、夕張岳がぽこっという感じで鎮座している。夕張岳頂上への最後の登りだ。疲れた体に最後の登りがきついが、お社を過ぎたらじきに頂上だった。ここでは頂上だけでなく見渡す範囲全部を私一人の独占だ。
また抹茶プラス大福でお祝い。頂上から下に広がる伸びやかな斜面に所々にニョキっと生えた鋭い岩が、なんとなく北海道の大地の息吹みたいに思えた。北アルプスのように高く鋭い山々に囲まれているわけではないが、深い山に来たなあという感慨は得難いものだった。

名残惜しい気もするが、登山道で熊が待っているかもしれないとの、少しの恐れも抱きつつ下山にかかった。比較的快調に降りて、今度は分岐から冷水コースを下ったが、誰もいないブナの林を思い出にふけったり、時々声を出してみたり、まとまらないことを考えたり、ゆらゆらと歩くのは快適だった。思いのほか早い時間に下山した。良い山なのに、もっと登られても良いなぁ。登山口まで寂しすぎる夕張の町から長い林道を通るアクセスの悪さもあるかもしれない。何はともあれ、今回の目的は達成した。登る強い気持ちがあればすでに登頂していたはずで、そんな自分へのリベンジだった。