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かつては男社会の牙城だったが、今では女性将校も珍しく無くなったのが軍隊。現代世界最大最強の米軍も数多くの女性兵士がいて、彼女らが主人公や重要人物として登場する映画も制作されている。その中で私が印象的と感じた作品が、『G.I.ジェーン』(97制作)と『将軍の娘/エリザベス・キャンベル』(99制作)。2つの映画のストーリーは全く異なるが、女性兵士が主役若しくは準主役となるのは時代の反映だろう。
私行きつけの紅丸系の大手スーパーでは『G.I.ジェーン』のポスターを張っていて、この映画を知ったのもそのためだった。女性が活躍する映画ということで紅丸系スーパーは協賛していたようだが、「彼女は、そして、女性を超えた」というコピーだけでウンザリ、結局私はТVで見た。
主人公のオニール大尉に扮したのはデミ・ムーア、彼女を徹底的にしごく鬼上官役が『ロード・オブ・ザ・リング』ブレイク前のヴィゴ・モーテンセン。海軍特殊部隊の訓練に当たり、オニールが髪を落しスキンヘッドになり、男たちと寝起きをともにするシーンがあり、美人女優がそれをやるのはやはりインパクトがあった。鬼上官のしごきぶりをアップした動画も見られる。
コピーだけで作品の結末は想像がついたが、私が興味深いと感じたのはオニールに対するマスコミの反応。彼女に“G.I.ジェーン”の綽名を付けたのこそマスコミで、彼女は実は同性愛者などというデマを報じる。オニールにはちゃんと男の恋人がいたが、マスコミがでっち上げをすれば、人々はそれを信じるのだ。
2004年、イラクのアブグレイブ刑務所における捕虜虐待が発覚する。捕虜虐待兵士として、この時有名になったのがリンディ・イングランド上等兵。この女上等兵以外にも捕虜虐待を行った男はいたのに、彼女がクローズアップされたことに何処か意図的なものを感じたのは私だけではないだろう。イングランドは上層部から心理作戦として虐待行為を行い、それをし続けなければならないと教唆されていたらしいが、上層部はお咎めなし。結局は雑魚が裁かれたという印象がぬぐえない。
特に私が面白いと感じたのはデヘイヴン上院議員の存在。男女差別雇用撤廃法案を唱えるこの女性上院議員の要請でオニールは、屈強の男の志願者さえ60%は脱落すると言われた最難関の海軍特殊部隊 (実在のSEALsをモデルにした架空の偵察部隊) の訓練プログラムに挑むことになったのであり、自ら志願したのではない。しかし、当のデヘイヴンは軍隊と全く無関係なのだ。
男女差別雇用撤廃法案を唱えてもデヘイヴンは女性の味方では決してなく、女性活動家としての売名行為と己の野心のための提案が実態であり、オニールは上院議員に利用されたのだ。女を食い物にする女は日本にも珍しくないし、メディアに登場する女たちの多くはそれだろう、と私は見ている。
男女差別反対、雇用平等…など聞こえはよいが、デヘイヴンのしていることはお為ごかしそのものであり、そのためには同性を徹底利用する。この女上院議員に比べたら、オニールをしごく鬼上官の方がずっと正直だ。
尤も男女平等や差別反対を訴えるのであれば、それ相応の義務が伴うのは書くまでもないはず。デキる女が男女平等を口にするならまだしも、ロクに稼げない女が唱えるのは大迷惑そのものだし、地道に働く女性の足を引っ張る行為に過ぎない。ネットでもその類の女が徘徊しており、彼女らがいう「女性や母親が一人前に働ける社会」など、所詮は専業主婦へのコンプレックスの裏返しなのだろう。平たく言えば、「おひとり様」のやっかみ。
『G.I.ジェーン』のような映画が制作されたのは、女性もやればできる…といった軍部とハリウッドによるタイアップ公報の一環だろうか。米軍も徴兵ではなく志願制であり、男だけでは軍隊が成立しなくなってきたのやら。そして上院下院ともに軍に志願する議員の子女は殆どいないという。
その二に続く