伸ちゃんのブログ

ひたちなか市にある、お寺の住職のブログ
毎朝の境内の一コマと坊主の一言を毎日更新中

この新鮮な気持ちを

2008年07月11日 | Weblog
雲が多く湿気があります。でも空だけ見るといい感じの朝です。

寺の増改築の仕事に若い職人さんが加わりました。まだ20代だそうで、
寺での仕事は初めてらしく、興味津々(きょうみしんしん)という感じです。
私も卒塔婆を改築現場で書いているのですが、書き上げた卒塔婆の束をじ~っと
ながめてはうなってみたり、境内をながめまわしたりと、休み時間は本人も楽しそうです。
長年寺にいると新鮮な目であらためてまわりを眺めるということがないので、
若い職人さんが感じる境内というものは、こちらにとっても参考になります。
初めて寺に来たときは自分はどう感じたのかな、と思ってしまいました。

中学生か高校の国語の授業で「この新鮮な気持ちを」というタイトルの文章が
教科書にあったのが印象に残っています。いつも新鮮な目で周りを見渡しすことの
大切さを綴ってあったとおもいます。理系でしたので、国語は苦手でしたが、
タイトルだけは「いいな~」という思いがあり、今だにあの時の授業がすこ~しですが記憶に残っています。

慣れというものは恐ろしいもので、いくら最初は感激するようなことでも、時間がたつと当たり前になってしまいます。
今度はそれ以上のものを感じたくなっちゃうんですよね。

“知足(ちそく)”…足ることを知る。満足していること。わずかなもので満足し、分に安(やす)んじて、欲張らないこと。

佛教では自分の持ち分に満足し安んじて欲張らないことが人生の理想とされています。
欲には際限がありません。欲をかくことは、自分自身を否定的にみます。自分を認めることはしません。
自分の周りも認めることはできません。とても貧しい心になってしまいます。
今ある自分自身を認めること。その中で懸命に生きること…、私もこの環境の中で懸命に日々を送っていくことが大切なことなんだなと、若い職人さんの目を通してあらためて感じてしまいました。(長くなってすみません)




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1 コメント

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改めて・・・ (910)
2008-07-11 11:08:38
初めてお客さんの身体を触った時の気持ちを思い出しました。毎日何人もの身体を触っていてもその全てが違いますが、初めての時の緊張は少しづつ薄れているのかもしれません。この一瞬を大切に今と向き合う事を忘れないでいようと改めて肝に命じて過ごしてみようと思います。若い職人さんもいつか親方になれるよう応援したいですね。今の新鮮な気持ちを忘れずに。
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