伸ちゃんのブログ

ひたちなか市にある、お寺の住職のブログ
毎朝の境内の一コマと坊主の一言を毎日更新中

仮の宿り

2008年06月24日 | Weblog
くもり空でまだ涼しいですが、昼間は暑くなるようですね。

昨日も静岡あたりではひどい雨が降ったようですね。九州もひどかったですもんね。
ここ茨城はそういう点で災害が少ないところですね。
気候も極端なものはないですし、地元の方からも「住んではいいところだ」とよく聞きます。
生まれ育ったところはやはりいい所です。誰においても自分の故郷は思い入れがありますから、特別な場所ですよね。
ですから故郷で何かあるととても動揺してしまいます。

『浮世は仮の宿り』という文はなぜか私の心に妙にむかしから引っかかっています。多分高校の古文(苦手な教科)で教わったと思いますが、「どうせこの世は仮の宿り」という言葉はいろんなつらい時に、ふと心にうかびあがり、自分を助けてくれました。
よ~く調べてみると新古今集で西行法師と遊女の有名なやり取りから出た言葉がのちに観阿弥の謡曲・江口につかわれたものなんだそうで、仏教の思想を取り入れたものだったんですね。知りませんでしたが、嫌いな古文でこの言葉だけはなぜかずーと記憶にあったんですね。不思議。

ですから、今は寺に住んではいますが、終の棲家(ついのすみか)とは思はないようにしています。
岩手で生まれ東京で学生生活をし、強烈な修行の場があり、今は茨城。いつも自分は流れていくもので、場所に執着しないようにしています。
いろんなところで災害があります。自分の故郷じゃないから関係ないや、という感覚にはなりません。「仮の宿り」という感覚が逆にどこにおいても同じように大切な場所なんだと思わせてくれるのかもしれません。
学校の勉強って大切ですね~。嫌いな教科でも自分に引っかかるものがちょっとでもあれば、それが人生に影響しちゃうんですから。
嫌いな古文でしたが、先生の顔はいまだによく覚えてるんですよね。
ほんと不思議。

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1 コメント

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他を知る。 (910)
2008-06-24 17:35:13
私は水戸で生まれ水戸に育ち、一度は他の地に一年半位住んでいましたが、ずっと地元で他を知りません。水戸っぽという表現がありますが、私もそういう意味では保守的な水戸っぽなのかも知れません。他を知る事の意義を分かっていながらもなかなかチャンスがなく、学生時代も水戸で過ごしました。だから今は、多くの人と出会い、様々な話を聴くのが楽しみでもあり憧れでもあります。ブログを拝見し他を知る事ができ感謝です。でも・・・やっぱり水戸が好き。です!
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