野田氏が雑誌で『アウトドア相談室』を設け、読者とやりとりしたものを単行本化したもの。
大会の遠征に持っていくのに、気楽で、楽しくて、しかも役立つような本として選んだ。
正しいチョイスだった。
ある意味、アフォリズム集のような含蓄ある内容だが、軽いエッセイとして肩の力を抜いて読める。
情けない質問をする読者には容赦なく「下らないことを聞くな」とか「馬鹿め」と容赦ない。
そんな対応をしても爽快な気持ちで読めるのは、野田氏が権力をも恐れず不合理に反抗しているからであり、しかも常にユーモアに満ちているからだろう。ついでに言うなら、とてもドライな視点を有している。これが知の土台に支えられているから、笑い、頷き、唸らせられる。
特にメモするでも付箋を貼るでもなく通読してしまったが、これは案外、消費して終わりの本ではないと感じている。
今後、格言集のように、ぱらぱらとめくって、ときどき拾い読みしていくのも良いと思う。
