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よい子の読書感想文 

読書感想文870

『富士山1周レースができるまで~ウルトラトレイル・マウントフジの舞台裏~』(鏑木毅 福田六花 ヤマケイ新書)

 鏑木毅さんを師と仰ぐ私としては、必読の書であったろうが、読むのが遅くなってしまった。
『ウルトラトレイル・マウントフジ』については、長らく大会オフィシャルDVDでイメージを膨らませ、2019年に念願を果たした。さらに2020年、鏑木さんが主催する『チーム100マイル』に入会、直にその指導を受けてきた。
 指導を受けるに当たって、その理論を知るために必要と思われる著書は読んできた。そういう経緯で漏れていたのが本書だったわけだ。
 今回、手にしたのは、この大会に対して、少し初心に戻れたら良いなという希望的観測のためである。
 あれほど憧れたのに、2019年の29位の後、表彰台(10位まで)を目指した2020、2021年は新型コロナ禍で中止。やっと開催された2022年は万全の練習を経てきたのにもかかわらず胃腸トラブルでリタイア・・・
 エントリフィーの値上げも重なり、この大会への情熱は失ってしまっていた。あまりに報われない年月を過ごしてしまって、立ち直れなくなってしまったといっていいだろう。
 もしかしたら、『ウルトラトレイル・マウントフジ』を、また走りたくなるかなと本書を手にしたわけだが、大会立ち上げの情熱や苦労は、既知の話も多く、新たに感動する読書ではなかった。
 その大変さを詳しく知ることができ、有意義ではあった。しかし、実行委員の対価を求めぬ情熱とは裏腹に、商業主義化してきた近年の『UTMF』を知っているため、複雑な印象を受けてしまったのは否めない。
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