職場の本棚を整理する際に大量の本が捨てられることになり、もらってきたものの一冊だ。
コンビニに並んでいそうな目を引く題名に胡散臭さを感じる一方、中国が“復讐”したいのも頷ける歴史的事実は否定できず、そうした因果応報について論及されているのかと興味は持った。2009年と、時事的な書籍として致命的に古いのが残念ではあったが、歴史についての論及もあるはずと期待したのだ。
で、そういった勝手な期待は、ほぼ裏切られた。内容は題名以上にコンビニ本並の低俗さだった。週刊誌のゴシップと変わらないような、一方的で、シングルソースで(ソースを一つも示していない怪しげな引用も多数)、なんら検証もされていない中国非難の羅列。
新聞といえばスポーツ紙しか読まないような層を対象としたのかと疑わざるを得ない。
読むだけ時間の無駄かと思ったが、ひとつの症例(サンプル)として観察すべく、一応すべて通読した。
面白くもないが、参考にはなった。アメリカにも、こういった(産K新聞や『S論』みたいな)バイアスまみれの右曲がりな記事を売文する輩がいるということ。またそれが権威ある大学教授であるということ。その主張は自ずと国防予算獲得のロビー活動に寄与しているであろうこと。つまりアメリカにも御用学者がいて威勢の良いことを叫んでいるということ。これらの実例を知ったのが唯一の収穫か。
とはいえ、時間は有限であひ、勿体ないことをしたような気もしている。そして、いま、ふとホールデン・コールフィールドを思い出した。彼なら、こんな“インチキ”な本を、許容しないだろうな、チキショウめ。
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