よい子の読書感想文 

読書感想文399

『トレイルランニング』(鏑木毅 えい出版社)

 トレイルランニングには少し興味があった。先輩が『ウルトラトレイル・マウントフジ』のドキュメンタリーを録画してくれて、深夜ひとりで観ていてその気になってしまった。いつか『UTMF』に出ようと思った。そのために長期的なステップが必要であるのはわかっていたが、手頃なレースに出るタイミングがなく、いきなり上級者向けのレースに出て、身の程を知った(700人中37番だったが後半に年配の人たちに抜かれ敗北感しかなかった)。
 そもそも練習の仕方やロードとの走り方の違いを知らない。勉強したくて検索し、本書を選んだ。
 写真や図解を多用していて、わかりやすく、また楽しかった(先日のマラソンの本はこれに比べたらひどく不親切な編集だった)。思えばトレイルは写真が絵になるのだ。景色もそうだし、斜面を駆け下るランナーのフォームは、これまたエキサイティングだし大変参考になる。
 著者が紆余曲折を経て、決して若いとは言えない年齢で上位に入り出したのも、私を勇気づけるし、失敗を経てきているから、説得力がある。読んでいてすぐに、鏑木毅というランナーを好きになった。
 トレイルランニングの練習に行く前夜に大半を読んだので、『明日はこれをやってみよう』『このイメージで駆け下りてみよう』と想像してわくわくした。読んでから走ったためか、下りがとても速く、楽しくなった。
 トップランナーながら、山を大切にすること、歩いたり写真を撮って楽しむことも説いている。それもそうだよなーとカメラ持参で走った。トレーニングしつつ遊んでいるようなお得感が得られた。
 ロード中心に走っている私には課題は多いが、大会が楽しみである。ハウツー本でこんなに『買って良かった』『これからも読むだろう』と思える本は珍しい。
 せっかくの内容に変換ミスによるおかしな文章が幾つかあったのは残念だ(たまにこういう出版社がある。校正しないのかできないのか校正員の能力が低いのか、とても疑問だ)



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