よい子の読書感想文 

読書感想文42

『1973年のピンボール』(村上春樹 講談社文庫)

 行きつけの、地元の古書店に行った。ベンヤミン『暴力批判論』を手にする。開くとアンダーラインと書き込みだらけ。前にもこれに気づいて買うのをためらったのを思い出した。
 次に手にしたのはカミュの創作ノート。いまいち食欲をそそらない。
 ぶらぶらしながら何気なく『天声人語』の文庫版。60年代末期・70年代初頭のものを棚から抜く。当時の世相をもっと知りたい。しかし…あの熱い時代の伝聞に接する度、ある羨望と現実の冷たさの乖離に悩まされる。
 それに、最近、濃いものを食しすぎた気がする。胃を悪くして、ソバやうどんが欲しくなるような気分だ。私はコンビニで手持ちぶさたに煙草を買うふうな心持ちで、久々に春樹を手にしていた。

「一九七三年九月、この小説はそこから始まる。それが入口だ。出口があればいいと思う。もしなければ、文章を書く意味なんて何もない。」
 そうだ。出口が必要なのだ。しかし、瓢々と語られていくこの物語は、深刻さを軽快に、無意味を意味ありげに(否、意味を無意味げに?)、タイピングされた後、二ヶ月経ち、
「そして一日、窓の外を通りすぎていく十一月の日曜日を眺めた。何もかもがすきとおってしまいそうなほどの十一月の静かな日曜日だった。」
 と、終わってしまう。
 私もふと、窓の外を見る。偶然ここにも、私の「十一月の静かな日曜日」がある。
 そして出口は…

コメント一覧

ワッタ
乙一、酒見賢一、今度読んでみますね。
だんだん読むジャンルが固定されてきてたんで、開拓する良いチャンスです。
ふぁな
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=sodre
酒見賢一著書で好きなのは、処女作?『後宮小説』と『語りべの事情』ですかね。

『後宮小説』は、たしか第一回ファンタジーノベル大賞受賞作品だったと思います。
アニメ化もされました。

村上春樹著書で最近読んだのは…



『ねじ巻き鳥クロニクル』だと思います
ふぁな
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=sodre
昨日読んでいたのは乙一の『GOTH 僕の章』です。

こちらは角川文庫で出ております。

『GOTH 夜の章』の続き?みたいなものです。

作者は27、8歳で、この作品は第三回本格ミステリ大賞受賞作品も納められております。

ちなみにデビュー作は『夏と花火と私の死体』と言う題名で第六回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞されました。
ワッタ
このスペースは本に関することならいくらでもご利用ください。

その作家のは読んだことがありません(汗)
どこの出版社から出てますか?

最近の読書傾向はこのブログにある通りですが、昔は太宰治やサリンジャー(代表作『ライ麦畑でつかまえて』)に熱中してました。
ふぁな
本のお話はこちらでよかですか?(^O^)

ワッタさんはどんな感じの本を読まれるのでしょうか?

酒見賢一とか乙一って読まれますか?
ふぁな
本のお話はこちらでよかですか?(^O^)

ワッタさんはどんな感じの本を読まれるのでしょうか?

酒見賢一とか乙一って読まれますか?
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