佐久平にある「お料理いけだ」は、最近のお気に入りだ。佐久という土地にありながら、全国から取り寄せた食材を活かした、なかなか凝ったものを出す。コロナウィルスの自粛が解けた6月のある日、佐久まで足を延ばして、訪ねてみた。八寸は海老の揚げ物、卵の黄身の味噌漬け、子持ち昆布などで、見た目も涼しげである。

その次は、鱧椀で梅が入っている。この店の出汁の味が好きで、満足だと思う。前に主の池田氏に佐久で鱧とは珍しいと言ったら、いまどきいいものはどこでも手に入りますからと言われたことを思い出した。

刺身は、関アジと本マグロと金目鯛の炙り。金目鯛の炙りは好きな食材なのだろうか、よく出てくる気がする。海から遠く離れた佐久でも、大将の言う通り、良い魚を入れればうまいと思う。


焼き物に時不知のハラスで、そんな時期かと思う。北の海を回遊していた鮭は脂がのっていて美味しい。

5品目の料理は、蓼科牛の山椒焼きで、ジューシーな赤身の肉と、ピリリとした山椒のたれが美味しい。


雲丹とじゅんさいの後、料理の最後はひろうすが出た。ひろうすの上には鱈子が載っている。

漬物と赤だしで土鍋で炊いた炊き込みご飯を頂いた後、食後には、自家製(だと思う)のあんみつを食べた。炊き込みご飯はたっぷりとあり、美味しくてお変りもしたのだが、余ってしまった。そしてそのご飯は翌朝の朝ごはんとして持って帰ったのである。

お料理いけだの大将は、地元の出身で、休みの日には、八ヶ岳などに登っているそうである。都会で店を持つことも考えたが、地元に戻ってきたとのことである、家族でやっているアットホームな店である。そして、佐久の人にとって浅間は心に山という大将と、少し浅間山に縁がある家人とは、何やら浅間山について話して盛り上がるのである。