コロナ過のなか、東信に行くことがなかなかできなかったのだが、この連休期間中は軽井沢に行くことにした。行くというよりは、ひょっとすると、帰るの方が自分の気持ちとしては近いのかもしれない。そこで佐久市長土呂の「お料理いけだ」を訪ねた。
佐久の今年の冬は寒かったそうだが、春の訪れは早く、例年ならこのGW期間中が見ごろの桜ももうすでに散ってしまったらしい。もっとも、この数日はその反動か、かなり冷え込んでいる。晴れてはいるが、少し風の強い夜である。
前菜は、端午の節句の時期で、兜の器が楽しい。粽の笹の葉を剝くときに、少しワクワクするのは、どうしてだろう、などと思う。
椀物は春らしく、蛤のお吸い物をいただいた。筍とわかめも季節を感じる。そのつぎには、金目鯛と鮪、白身のお造りで、たいへん美味しい。生ビールの後は、せっかく佐久に来たので、地元の「茜さす」を一合いただいた。
焼き物は、甘鯛の兜焼きで、身はふっくらとしており。皮はパリパリしてたいへん美味しい。蛤のお椀もうまかったが、今日のお気に入りの一つである。五品目は、魚そうめんで、雲丹が乗っている。緑の方はヨモギが練りこんであるそうである。
揚げ物は、旬のアスパラガスで、地元のアスパラガスを揚げて、からすみとともに食べた。塩でもいいが、日本料理のお店なので、からすみにしてみたそうである。これもお気に入りだった。
最後のお料理は、鰻と卵で、これもまた、たいへんうまかった。最近、昼にも鰻を出すようにしたそうで、関東風に蒸すのと、関西風に焼くのと選べるそうである。
最後に、土鍋で炊いた筍ご飯で食事をして、デザートに道明寺風の柏餅を食べ、ご機嫌でお店を後にしたのである。筍はきょうとのものらしい。
連休中だからか、予約は混んでいて、カウンター席だった。主はカウンターですみませんと言うが、カウンターから手際よく料理が仕上がっていくのを見るのもいいものである。