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佐久平の「お料理いけだ」へ再訪した。佐久平の国道141号沿いにあるこの店は、最近、なかなかお気に入りの日本料理の店である。もう少し訪れたいところではあるが、コロナの蔓延による自粛によって、東信に帰れなくなり、しばらくぶりの訪問である。浅間山を愛する主の料理は、たいへん美味しくて、軽井沢へ戻ると、必ず足を延ばして訪れている。
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前菜は、いが栗の前菜で、焼き栗の周りをじゃが芋で包み、揚げそうめんで、いが栗を模している。見た目も凝っているが、栗とじゃが芋と、揚げたそうめんが、なかなか美味しい。秋が、もう来たのだなぁと感じる。そろそろ、走りの松茸がでているらしく、松茸と鱧の土瓶蒸しをいただいた。今年の初物である。夏に行けなかったので、今年は鱧を食べられないかと思ったが、何とか食べることができた。
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そう言えば、亡くなった米朝師のまくらで「骨へんに豊と書いてはもと呼んだひとがいる」というのがあったが、よく骨切りされているので骨が触ることもない。お造りは鯛と本まぐろと穴子、焼き物はかますの塩焼きである。鮪も鯛もよいが、穴子がよい。かますの焼き物が、とても 味いのだが、付け合わせのさつま芋も美味しい。こういうところにも季節を感じる。生ビールの後、佐久の地酒「佐久の花」を一合いただいた。
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いくらの飯蒸し、うざくと続いた。家人はいくらが大好物なので、飯蒸しを見るとうれしそうな顔をした。秋を感じさせる季節になったとはいえ、まだまだ、残暑が厳しいので、さっぱりと、鰻をうざくで食べるのもいいものだと思う。炊き合わせの後、最後に土鍋で炊いたきのこの炊き込みご飯と、赤だしで食事になった。
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前にも書いたことがあるが、私はここの出汁の味がたいへん好きで、炊き合わせなどは本当に好みだと思う。デザートにナガノパープルの大福を食べて、また、もう少し秋が深まったら来たいものだと思ったのである。
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