今日から彼岸入り 「ぼた餅」と「おはぎ」の違いは?
2024年の秋のお彼岸は、国民の祝日「秋分の日」でもある9月22日(日)を中日(ちゅうにち)とし、前後3日間を加えた7日間になります。
初日の19日(木)は「彼岸入り」、最後の25日(水)は「彼岸明け」と呼ばれます。
呼び方の違いはどんな理由によるのでしょうか。
ぼた餅とおはぎの呼び分けについては、春のお彼岸には春に咲く牡丹(ボタン)の花に見立てて『ぼた餅』と呼び、
秋のお彼岸には秋に咲く萩(ハギ)の花に見立てて『おはぎ』と呼んだという説が、多く語られているようです。
餅とあんを用いた菓子を、牡丹と萩の花に見立てた記述として、1712(正徳2)年の『和漢三才図会(わかんさんさいずえ、寺島良安著)』に、
――牡丹餅・萩餅・保太毛知・波岐乃波奈云々、いわゆる牡丹餅および萩の花は、形色をもつてこれに名づく――とあります
萩の花(萩餅)がおはぎと呼ばれるようになったのは、京都の宮中の女房詞(にょうぼうことば)で、萩の頭に丁寧語の『お』をつけて、
おはぎになったからといいます。これは、まんじゅうが『おまん』、せんべいが『おせん』になるのと同じ用例です
江戸時代から春秋の彼岸には、ぼた餅を作って仏前に供え、近隣や親類とぼた餅を贈り合う風習がありました。
供える理由は、昔から小豆には邪気を祓(はら)い、病を除(よ)ける効果があるという民間信仰があったことが、先祖の供養に結びついたのだと思われます