事務局長通信

生活困窮者自立支援法改正に関わる参考人質疑メモ

5月24日、参議院厚生労働委員会の傍聴メモです。

○豊中市社協、勝部麗子さん。
*豊中の取り組みを中心に
・基本理念・定義を明確化したことはより問題が明瞭になる。
・自立相談支援事業の努力義務化は相談の窓口が広がり、早期発見につながる。
・専門職の力量がより求められる中、ケアする人をケアすることやその処遇改善が大事。
・福祉事務所がない自治体における対応は課題
・家計改善支援も充実が必要

○北九州ホームレス支援、奥田知志さん。
*ホームレス支援を30年以上続けている立場から
・制度は必要だが壁になることが多い。人を属性で見ずに個々に支援できるかが重要(個々人にサービスがついていく)。
・経済的貧困のみならず社会的孤立に注目している。「house」だけでは十分でなく「home」が大切。縁の切れ目が金の切れ目に。他者との関係をどう保てるか。
・断らない相談、あいまいさ(柔軟に対応できる)をもつことも大事。

○日本女子大、岩永理恵さん。
*研究者の立場から
・経過を振り返ると国会で議論されていること自身がまず大きなことだと思う。
・対象者に迫って行くときに生活保護における捕捉率を見ていくことが重要。
・利用者の視点から制度検証してみること。専門性の向上を目指す場合にスーパーバイズできる人の養成の視点も持っておくべき。
・生活保護基準の見直し(水準均衡方式の行き詰まり)、算定方式が複雑で現場のワーカーもついていけない。
・手持ち金の扱い、扶養範囲の扱い高等教育や修学支援は教育扶助に盛り込む等、様々な課題がある。

○生活保護問題対策全国会議、尾藤廣喜さん。
*生活保護問題に関わる弁護士の立場から。
・法案には入っていないが、生活保護基準引下げは問題。最貧困層との比較での決定や前回の引き下げで用いられた厚労省独自基準など見ても一貫性がない。
・63条、78条の取り扱い、ジェネリック薬の原則化もこれまでの考えさせも根本的に変えるものとなる
・大学進学等への支援は厚労省が調査したデータも示されてきちんと議論すべきではないか。
・いざという時に支える制度、希望を支える制度として名称も含めて議論していくべき。

4人の参考人の方の発言はとても示唆的で、実際の支援活動やそれを支える制度設計のありようなどについていろいろ考えさせられました。利用者の人権保障を前提に、現場をほんとうの意味で支えることのできる仕組みの確立と政治が求められます。

(実際の様子は下記から)
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php


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