独り言コラム第6弾!
タイトル「人ってこんなもの?」
時間がある限り、色々な事柄について自分が思うことなど
「独り言コラム」を執筆しております。あくまでも独り言です!
独り言コラム 006
「人ってこんなもの?」
俳優生活を長く続けていると、仕事のオファーが殺到するくらい
運が良ければ絶好調に活躍できる時期が一度や二度あるものなんです。
僕にも一時期そんな運の良い時期がありました。
一年を通して休みが7日間だけだったり・・・
点滴をしながら撮影現場に行ったり・・・
過労で入院してはスケジュールに穴を開けるわけにはいかず
強引に病院を退院したり・・・
スケジュールも朝から深夜までビッシリ!
それだけの仕事をしていれば、当然といえば当然なのかも知れないが
芸能界で活躍する芸能人たちが誰もが一度は通る悩み、
というものを僕も経験した。
一度も話をしたことのない知らない友達が増えていたり(笑)
地元の商店会の八百屋のおじさんやコロッケ屋のおばさんが
急にやさしく声を掛けてきたり・・・。
でも撮影現場への移動の車中で「握手して下さい」「サイン下さい」と
僕の知らない一般の視聴者から声を掛けて頂けるのはやっぱり嬉しかった。
が、しかし一番困ったのは、この「サイン下さい」の言葉。
当時、僕は自分自身が勘違いしないように
サインを頼まれても書かないようにしていた。
「サインをする時はもっと一人前に成ってから」と心に決めていたからだ。
あれはちょうど「スケバン刑事」というドラマに出演していた頃だった。
ある日、地元駅前で背後から「内藤!」と僕の名前を呼ぶ声!
振り返ると何処かで見たことのある顔。
「あっ!ひょっとして中学時代にとなりの教室にいた人かも?」
でも、その人とは中学時代、まったく接点のない人だった。
なのにすごく親しげに接してくる。
「いつも見てるよ~!」
そしてお決まりのセリフ。
「サインでも貰っとこうかなぁ~。書いてくれよ」と・・・。
僕は丁重にお断りをしたが、その直後!
「お前ナニお高く留まってんの!天狗にナッテンジャねぇ~よ」と逆ギレ!
また別の日には駅前で同じクラスだった
クラスメートのAくん、Bくんとバッタリ!
Aくんが「内藤、頑張ってるなぁ~。嬉しいよ」と暖かい言葉。
そしてお決まりのセリフ。
「サイン頂戴よ」
前回のように、お断りして逆ギレされるのも嫌だったので
すんなりサインを書いて渡した。
すると、Aくんの隣にいたBくんが
「オマエ変わったなぁ~。そんなサインなんかして、ナニ芸能人ぶってんの!」
と捨てセリフ。
サインを断れば逆ギレされるし、サインを書けば捨てセリフを言われる。
一時期、俺はどうしたらいいのか、わけが分からなくなっていた。
「スケバン刑事」の放送が終わり、次の新番組が放送されるまで
約3ヶ月くらいテレビ番組に出演していなかった時がある。
その時は流石に人の態度というものに笑ってしまった。
駅前で偶然、サインをしたAくんとバッタリ!
僕は軽く会釈をしたが無視された。
商店会の八百屋のおじさんも、コロッケ屋のおばさんも
急に声を掛けてくれなくなった。
「人ってこんなもんかぁ~」
そうなんです。多分、人ってこんなもんなんですね。
もっと面白いのが、3ヵ月後、新番組の放送が始まって間もなく
またまた商店会の八百屋とコロッケ屋のおじさんとおばさんが
急に優しく声を掛けてきたことだった。
誰の人生にも浮き沈みというのはあるもの。
調子の良い時、例えば事業が上手く行ってる時は人が群がり
業績が悪化してくると急に人々が散ってゆく。
失礼な言い方かも知れないが、
少なくとも僕はこんな低レベルな価値観しか持てない凡人にはなりたくない。
そして自分自身も僕の人生が調子良い時、悪い時に関わらず
人に対しての接し方を一定に保つように心がけたい。
内 藤 典 彦
「独り言コラム」 次回予告 007 「タイトル未定」
2006年01月中旬頃掲載!
お楽しみに・・・
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Otherのページに掲載されております。
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