『ある日のひとこと』

『ある日のひとこと』 20-10-1〜10

もう10月になってしまった。この『もう』というのがどうしても頭に付いてしまう。多分、ほとんどの人が同じような感覚になっているに違いない。過ごした月日の1ヶ月以上もコロナのせいで完全に奪われたので、その分がズレて感じるのだ。残念ながら、本格的な秋に入ってもなお収束の気配が見えない。ここまで来ると失われた1年になる恐れが現実味を帯びて来てしまった。
20-10-1


国の農作物の自給率の低さはかなり前から問題視されていたが魚介類もすでにその仲間入りをしているようだ。日本の水産物の輸入金額はアメリカに次いで世界第2位だという。そして、50年前には100%を超えていた自給率が60%を切っている。確かに何年も前からスーパーではチリやノルウェー産の魚が並んでいた。最近の漁獲量の少なさがそれに拍車を掛けないか心配。
20-10-2


置き場所を変える危険。いつもと違う場所に置いたせいで散々探すはめになった。あるはずと思われる場所を探したが見つからず、違うところを探すがやっぱり見つからない。そうするとまた最初の場所に戻ってしまう。情けないことに変えたときの記憶が戻ってくれないのだ。そして、探し物は直接目に入るところに貼ってあった。分かりやすくしたつもりが逆になるとは・・・。
20-10-3


秋の雨。春の雨はひと雨ごとに暖かくなっていくから嬉しいけれど、秋の雨はひと雨ごとに寒くなっていくから悲しい。その後に待っている雪が頭にあるのでどうしてもそんな気持ちになってしまう。雪はまだ先にしても秋は日ごとに深まり、ストーブの助けを必要とするときもそう遠くはないはず。紅葉が落ち葉になり、カサカサと音を立てていたのが雨で濡れると寂しさは増す。
20-10-4


最近、体質に変化が出てきたのではと感じるときがある。それは卓球をしているときの汗の量が以前より減ってきた感じがするのだ。もしかしたら体質の変化というより、やる時間は同じでも運動量が減っているのかもしれない。それとも年齢と共に汗の量も減っていくものなんだろうか。子供の頃から汗っかきでずっとそれと付き合ってきたので、楽なんだけど違和感も感じている。
20-10-5


ちょっと不思議な流れと現象。北区体育館で卓球台を確保するために抽選の番号を引くのだが、これがことごとく大きな番号になってしまうのだ。この方式になって10回以上やっているのに14番がもっとも良くて、他は30番台か45番目までの40番台。抽選やくじはもう少し波があってもいいはずなのに、これほど偏るのは信じられない。つい先日引いたのは39番。
20-10-6


1976年の大丸藤井での個展以来、一度も発表のない年はなかった気がする。予定していた個展と教室展とグループ展のすべてがコロナのせいで中止に追い込まれてしまった。それを取っても失われた年と言えそうだ。個展に向けての制作はしていたので作品はそれなりに出来上がっている。しかし、それらを今年のもの今のものとして発表できなかったのが残念でならない。
20-10-7


御用学者とは『政府や有力な企業の言いなりになって真実をゆがめ、時制の動向を見て物を言う無節操な学者』(三省堂国語辞典)と書いてある。まさに今、政府は日本学術会議を御用学者団体にしようとする魂胆を明らかにした。任命拒否の会員が来年は10人になり再来年は20人になる可能性は多いにある。理由を一切示さないのは本心がそこにあると認めているわけだ。
20-10-8


続く。こうして政府が余計な首を出すと国の将来を確実に狭める。とくに学問は何物にも束縛されない自由が大事。そうしなければ新しい世界は切り開かれない。さらに、発明、発見、新説などは既成概念に捉われていては生まれてこない。ましてや顔色を窺う学者に真理の探求なんて到底無理。なぜ国の発展をそぐ行動をあえて取るのか理解に苦しむ。これは重要な問題。
20-10-9


検温が苦手。美術館やグループ展、個展などに入場するとき、丸型のピストルのような形の検温機をおでこに向けて計られるのだが、何となく緊張してしまう。そして、『えっ』なんて声を聞くと緊張はさらに高まる。高いのかと思ったら、35度台で低くてびっくりしたというのだ。そんなことが2度も続いた。低い場合も驚かれるのだから、どっちなのかわかるまで落ち着かない。
20-10-10










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