ちょっと歴史のお勉強~~(´∀`)
〇着物の歴史と流れ〇
(紀元前)
男性は体にグルグル巻き付けるタイプの袈裟衣(巻布衣)で、女性は一枚の布に穴を開けて首をとうした貫頭衣を着ていました。男性も正装として貫頭衣を着ることもありました。着物のルーツは貫頭衣と言われています。
(古墳時代)
古墳の中から靴や服や飾りや埴輪が出てきたのですが、その埴輪を見ると様々な人々のランクや衣類が分かるのです。埴輪は仕えていた人の生き写しの役割がありました。埴輪の服装が衣+(衣辺に軍)は女性の服装、衣裳は男性の服装と分かりました。衿合わせは2種類あり、盤領は詰襟の様な感じで紐で靴紐の様に結ぶタイプで、垂領は着物と同じ合わせるタイプでサイドは紐で結ぶタイプです。ちなみに、この時は衿合わせは左前でした。髪型もすでにこの頃から日本髪の歴史が始まっていたのです。男性は美豆良という髪型で、分かりやすいのは「卑弥呼さま~」と叫ぶ芸人さんが真似する髪型です。あれが美豆良です。そして女性は島田髷で頭の上でまとめていました。
(飛鳥奈良時代)
先程にあった衿合わせですが、719年2月3日養老3年に天皇から下の百姓までが右前にする様に衣服令で右衽着装法が出されました。これは現代の着物の衿合わせと同じです。 着物のルーツは中国の呉の国から入ってきたのですが、なので現代の着物を呉服と言うのにも理由があるのです。同時に、中国からは文学や文字や陶器や芸術など様々なものが日本に流れ混んできたのです。
この時代に欠かせないのが冠位十二階ですね。これは人の役職を冠と衣服でランク付けたのです。そこで天皇の色となったのが紫です。紫は何度も繰り返し染めないとなかなか出ない貴重で大切な色だったのです。現在も天皇の色には藤色が残っているのも名残です。
紫の次は青系、赤系、黄色系、白系、黒系の順番になっており、約60種類程のランクがありました。
(平安時代)
平安時代と言えば十二単ですね。正式名称は女房晴装束で唐衣姿とも言われてます。これは、染めの文化が発達し、織と染の文化が出来上がったからとも言えます。ですが、他にも、平安時代は寒冷時代だった事もあり、重ね着をして寒さをしのいでいたとも言われており、尚、歴史上一番豪華絢爛な時代だった為に、衣服も豪華になったとも言われています。この時期に扇子が活躍しますが、扇子は日本生まれたのもので、本来は顔を隠すもの、文字を書くものでした。尚、団扇は中国から入ってきたものです。
(鎌倉時代)
この時代は武士の女性が多い時代になりました。なので、十二単では重くて直ぐに動けない為にどんどん脱いでいくようになり、十二単で下着として着ていた小袖にたどり着いたのです。武家や百姓の間では小袖が主流になりました。
(室町時代)
小袖の上に打掛を一枚掛ける姿が主流になり、小袖には細帯を付ける形になります。同時に小袖がカラフルになりはじめます。絞り染めが全盛になり贅沢な辻が花染めが生まれました。
室町時代後期以降には南蛮船や南蛮人によりカルタなどが日本に入り、様々な文様も増えました。
(安土桃山時代)
華やかになったこの時代には、様々な文様も増え、名護屋帯が人気になります。しかしこの名護屋帯は現在の名古屋帯とは別物です。名護屋帯は唐糸の組み帯で両端に房が付いています。この時代には足袋が現代と同じ形に決りました。
(江戸時代)
小袖に刺繍や色使いなど様々なものが出てきました。代表する3つの文様として、慶長小袖(絞文様の上に刺繍で生地が見えない程豪華にした着物で現代の振袖になる)、寛文小袖(伸びやかで大胆な柄が増え、現代の訪問着になる)、元禄小袖(宮崎友禅斎がもち米を糊として使用し、染めで絵を掛けるようにした。現代の小紋である。)
江戸時代には町人文化が花開いたこともあり様々なアイデアから様々な装いが生まれたのです。江戸褄模様や羽織、昼夜帯(鯨帯)、お太鼓結び、丸帯、様々な帯結びなどが生まれました。
(明治時代)
明治維新と共に裃が廃止され、女性は留袖が正装になりました。
今までは裾を引き摺って歩いていたが、外に出て歩くことも増えたため、腰紐でおはしょりをとってから帯をしめるようになりました。
(大正時代)
名古屋帯が名古屋女学校の創始者により考案されました。大正ロマンといい、アールデコやアールヌーボーなど海外から奇抜な色の染め技術が入ってきたため、モダンな着物が作られました。
(昭和時代)
着物姿が減っていく中でも、着物の流行りはありました。昭和40年頃黒羽織が一時期流行しました。
他にも袋帯や袋名古屋帯が考案されました。
(平成時代)
ますます着物姿が減ってしまいましたが、着物を楽しむ方の間では、現代に合うように楽に着れる、楽に管理出来ることから、現代の着物が生まれています。
ポリエステルの着物や帯をはじめ、デニム素材や東レシルックなど。他にも作り帯もできました。
振袖などには創作着物が増え、様々な帯結びが考案され続けています。