piano 竹内直子

in other words, "I LOVE YOU".

TOOTS THIELEMANS@BLUE NOTE TOKYO

2006-01-29 | オンガク。
フレーズを、パッと空に丸く放り投げるような時がある。
少し拗ねてもじもじしたように。
どんな楽器の奏者にも聴き当たらない、TOOTSの奏でる音の様が、2006年の冬に、いまだつやつやと東京に存在した。御歳83才である。

こんなに畏ろしく、こんなに優しい人はいないと、彼の音をじっと見つめながら固唾を呑んだ。

今回の東京公演最終日のラストステージ、アンコールの演奏は、本当に夢を見ているように美しく、青空にすうっと抜けていった。丁寧で、あたたかくて、叙情的で。ことばで表すのはおこがましく難しいことだけれど、彼の音はあたたかい青色がすると思う。
わたしの中で、この曲は、もうこれで打ち止めにしたいと思った。他のこの曲はもう耳に入れたくない、そう思うような演奏だった。
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