カフェ・ボナフェ@西池袋、午後16時。
榎本クリニックの理事長先生ご夫妻のお気持ちによる、
クリニックの患者さんへの心づくしの癒しの演奏でもあり、
この街の寛ぎスポットでもあり。
思えば、8年半くらいの間、
このカフェで、毎週金曜日、演奏をさせていただいてきました。
芸術劇場も近く、東京音大、立教大学、メトロポリタンホテルなど、
豊島区の中で一番音楽の香りのするエリア。
ティータイムに、ピアノの生演奏をゆっくりお楽しみいただける場所でもあり、
また、ミュージックチャージがないので、
遠方からも スケジュールをご覧になってお気軽に訪ねてくださる方もいらっしゃり、
ありがたいことに、本当に出会いのたくさんあった場所でした。
長い間、本当に、どうもありがとうございました。
そして、
このたび、クリニックの拡大に伴い、カフェが近くに移転することが決まりました。
残念ですが、新しい店舗には、この素晴らしいグランドピアノはスペースの問題上設置することができず、
新しいアップライトピアノで、また演奏に参加させていただけるかどうかは、
今日の時点では まだはっきりと決まっていません。
↓35年くらい前に製造された、YAMAHA G3。
内装の木の反響の素晴らしさも相俟って、ふくよかで、あたたかく、存在感のある音がします。
そして、とても気を遣って打鍵しないと、大音量の刺々しい無神経な音が鳴ってしまう、コントロールの難しい楽器です。
患者さんたちは、とても繊細なので、この空間とピアノに慣れていないピアニストが演奏すると、
耳をふさいだり、出て行ってしまったりしていました。
こんな難曲をこんな速さで弾けますよ!ということと、
聴く人の心持に寄り添って弾くことは、まったく違うことで。
そして、もちろん大人しく抑えて弾くのではなく、
優しい音で、艶やかに、伸びやかに演奏しなければ、何も伝わらないのです。
そういうことを、ひとつひとつ、それぞれの現場で、毎日学びます。
とっても愛着のある名器。
Cシリーズとは、またぜんぜん違う音と、タッチ。
そしてなんと、
オーナーが、移転にあたってこのピアノを手放すというお話をしてくださり、話し合いの結果、
それでは、長年愛情を持って弾いている私に、ぜひ引き取らせていただけたら、という運びに相成り、
我が家にやってくることになりました。
大変です、そりゃ、たいへん。
大きいです。
私の部屋には、もちろん入らないです。
でもね、ピアノとの出会いの方が、大事なんです。
だから、ちょっとがんばらなくちゃ。
ありがたいことに、お世話になっているスタジオなど、様々な案を提案してくださって、
もろもろ検討中です。
*7/3(金)、7/10(金)、7/17(金)の演奏で、この場所とこのピアノでの演奏は最後となります
よろしかったら、遊びにいらしてくださいね*