栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2025-2026」

2/24~3/2の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2025-03-06 13:16:14 | 共有クラブ

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2021)』で望田潤が推奨したロードフォンス(牡5歳)が月曜名古屋7Rのかきつばた記念(Jpn3・ダ1500m)を勝ちました。

★ロードサラブレッドオーナーズ
父ロードカナロア
母オーシュペール(ダイワメジャー)
牡 募集価格:3800万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2020100145/
JRA5勝のオープン馬ロードアクアの全弟で、白山大賞典2着ロードレガリスの甥で、母オーシュペールはJRA3勝。本馬はミスタープロスペクター4×4、Storm Bird≒ノーザンテーストのニアリークロス4×4、Nureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロス5×4など父母相似配合になっていて、競走能力を示した両親の相似配合ですから信頼度が高い配合と言うことができます。Nureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロスもカナロア産駒としてはベストな狙いです。適度に締まりがある体質で、本馬も短距離~マイルで全兄のように活躍できるとみてピックします。(望田)

■土曜小倉4R障害未勝利 ダイスアローリング(一口・望田&栗山)
■土曜小倉9R脊振山特別 ローザサンリヴァル(POG・栗山)
■日曜小倉6R1勝クラス オメガインペリアル(POG・栗山)



明日入稿のキャロ会報コラムでエフフォーリアについて書いてますが、エフフォーリアの母母ケイティーズファーストとデアリングタクトの母母デアリングダンジグには、Nearctic系のスピード血脈を引き(=1/4マイラー)、Romanの直仔Hasty Roadの血を引くという共通点があります

Nearctic系のCCっぽいスピードとRomanのパワーといえば、エピファネイアと相性抜群のゼンノロブロイ肌、そのロブロイの母母One Smart LadyもNearctic系の快速Clever Trickの娘で母系にRomanの血を引きます






★…母系にRomanをもつ

上表のように、G1を勝ったエピファネイア産駒7頭(エフフォーリア、デアリングタクト、ダノンデサイル、ブローザホーン、ステレンボッシュ、テンハッピーローズ、サークルオブライフ)のうち、サークルオブライフを除く6頭は母系にRomanの血を引いています

TARGETで検索かけてみると
母系にRomanをもつエピファネイア産駒…出走442/勝馬169/勝馬率38.2%/1走当賞金236万円
母系にRomanをもたないエピファネイア産駒…出走334/勝馬123/勝馬率36.8%/1走当賞金136万円

1走当賞金に大きな差があるように、母系にRomanをもつエピファネイア産駒は明らかに長打力を増すのです



エピファネイアがJCと菊を勝ったTT型にもかかわらず、桜花賞やヴィクトリアマイルや阪神JFの勝ち馬を出して芝マイルの新馬戦の成績も抜群で、産駒がマイル戦でも活躍しているのは、Kris S.≒Habitatのニアリークロス2×4をもち、名マイラーHabitatの俊敏さも伝えているからだと考えられます

私が血統をかじりはじめた頃は、河内ニホンピロウイナーがマイルの帝王として君臨しており、スティールハートの成功によりHabitat系種牡馬が立てつづけに輸入された時期で、ハビトニー、ホットスパーク、ハバット、ホーント、ヒッタイトグローリー、マダング、ハビアスコーパスetc…あああなつかしすぎる

それらの多くはSir Gaylord的な非力な後駆を伝えたので「Habitat系種牡馬はローカル平坦芝1200で狙え」ってな格言もあったほどで、だからエピファネイア産駒が夏の新潟外マイル新馬で上がり32秒台でキレッキレで勝ちまくるのをみると、あああHabitat的やなあ~と私なんかは思うんですよね

Habitatのしなやかさはナスキロ血脈最柔の父Sir Gaylord譲りというべきですが、その俊敏さや回転の速さは主に母父Occupy由来と考えられ、Occupyの母Miss BuntingはDomino=Mannie Himyar5×4とHamburg4×4、Hamburgの母Lady ReelがDominoと3/4きょうだいというものすごい配合なのです





で、Romanの話に戻りますが、上のようにOccupyとRomanは、Bull Dog=Sir Gallahad、Sunstar、Pennant≒Pink Domino、Ben Brushが共通するニアリーな関係

つまりエピファネイア産駒におけるOccupy≒Romanの継続クロスは、主としてHabitatの回転の速さをONにする仕掛けとして効果的といえるのだろうと

Romanはディープインパクトの母父Alzaoの母母父でもありますが、エピファネイア×ディープインパクトがあまりアベレージが高くないのは、同時にSir Gaylordのクロスも派生する(Habitat≒Lady Rebeccaのニアリークロスになると言ってもいい)ために、ただでさえTT×TTの組み合わせなのに、Habitatとウインドインハーヘアの薄手で非力な面がより伝わりやすいからだろうと思うんですよね

エピファネイア×ディープインパクトは主要4場では京都外回りの成績が抜けて良く、代表格は小倉の鬼エピファニー、菊2着のオーソクレースとアリストテレス、菊3着ディヴァインラヴ、これもHabitat≒Lady Rebeccaが伝えるものを考えると合点がいきます



ちなみにG1勝ちで唯一母系にRomanをもたないサークルオブライフですが、その3代母の父Storm Catの牝祖Rare BloomはOccupyと3/4同血の関係で、母系にStorm Catをもつエピファネイア産駒もRomanと同じぐらいよく走っています(出走75/勝馬30/勝馬率40.0%/1走当賞金273万円)

こういうのは血統表の8代9代あたりの話ですから、どれぐらい影響を及ぼしているか眉唾ではあるんですが、8代前の祖先256頭の何かは伝わりつづけていて何かは伝わっていないわけでね、エピファネイア産駒の配合・成績・走りなどを考察すればするほど、HabitatやOccupy抜きでは語れないだろうと言わざるをえないんですよね

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日曜のボツ予想~中山内1800で◎Roberto○Roberto

2025-03-02 09:24:18 | 血統予想

昨日は朝からノーザン空港と早来へ、他人の所有馬や出資馬をいっぱい見せてもらいましたが、私の一口ピック馬や種牡馬辞典ピック馬もなかなか良い馬だったので満足して帰ってきました

土曜の船橋の最高気温は20℃超、ママコチャがクロフネ産駒の夏馬体質なのはもう完全にバレていて、堂々の1人気で快勝(^ ^;)



これで最高気温20℃以上では[7-2-1-2]、昨年の高松宮は小雨が降りつづいて最高気温10.2℃と肌寒い一日でしたが、今年はさて

冨里は○シンハナーダはヌレサドクロスのレイデオロ産駒ですから中山のほうが勝ちやすそうですが、◎アルゲンテウスも典型的なシルバーステート産駒に見え中山内1800は今まで走ったことがないですがおそらくベストコースでこの2頭で



小倉は12日開催の最終日で稍重、土曜最終の結果をみても、内枠に人気馬が寄ってるとなると外枠の差し馬で穴を狙ってみたくなります
◎シュエットアムールは母シュエットヌーベルが一口ピックで、スマートファルコン産駒ながら芝1200の追い込みで鳴らした馬で、スマートファルコン産駒ですから渋った馬場で大外一気が好走パターンでした



娘も見た目に母似なので、変わるとしたらここだろう…というぐらい条件は揃ったし、格上挑戦で人気はないですが昨日も8枠2頭が9人気1着と7人気3着ですからね

NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では中山記念とチューリップ賞を、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」ではチューリップ賞を予想していますので、日曜もよろしくお願いします


http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
http://www.keibado.ne.jp

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土曜のボツ予想~40年前の名配合

2025-03-01 08:22:45 | 血統予想

グリチャを流しながらお仕事してたら音無師のインタビューがはじまり、やっぱり騎手時代の思い出の馬はオークス馬ノアノハコブネで、超Hペースで前が次々と止まりシンガリ26番手から届いてしまったと

父アローエクスプレスはPharos=Fairway4・6・6・7×4とMumtaz Begum≒Mahmoud5×4、当時としては最先端のスピード血統で種牡馬として成功

いっぽう母ユトリロはPharos=Fairwayのクロスなし、母父プロントはPrince Bioのラインで、Grey SovereignとPrince BioはKalamounなどフランス血脈独特の斬れ味を生むニックスでした



母母ダラマはブサック血統らしくTeddy4×3、このダラマを1/4異系として、残りの3/4のところでPharos=Fairway5・5・7・7・8×6とNasrullah=Malindi5×4の全きょうだいクロスを重ね、とどめにUdaipur=Umidwarの全きょうだいクロス5×4で、オークスの一発追い込みだけが伝説となっていますがアローエクスプレス産駒として最高点の配合やなあ~と今でも思います

水仙はどこから入るかが難しいレースで、穴っぽいのはAngelic Song=Glorious Song3×3のコスモキャバリエかBonita Francita≒Coup de Folie4×6のカーミングライツかと思いますが、あまり高速馬場やとしんどいかもですな

今日はこれから安平方面へ出かけるので、競馬はリアルタイムではあまり見られないと思いますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではオーシャンSとすみれSを、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」ではオーシャンSを予想していますので、今週もよろしくお願いします

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2/19~23の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2025-02-27 09:53:52 | 共有クラブ

■『POG種牡馬別好配合馬リスト(2024)』で望田潤が推奨したジャナドリア(牡3歳)が水曜大井11Rの雲取賞(Jpn3・ダ1800m)を勝ちました。

ジャナドリア(牡、父ゴールドドリーム、母ターシャズスター)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2022104888/
母ターシャズスターはエスメラルディーナやコンシリエーレを産んでいるダートの名繁殖。Northern Dancerの血を全く引かないので、Nureyev≒Numberの3/4同血クロス3×4をもつゴールドドリームとの配合もよい。500キロ超の好馬体で、4月末に美浦に入厩しゲート合格。デビューは早そうで、めざせ東京ダービー&ケンタッキーダービー。(望田)

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2023)』で栗山求が推奨したディペンダブル(牡3歳)が日曜東京2Rの未勝利戦(ダ2100m)を勝ち上がりました。

★ジーワンサラブレッドクラブ
父ナダル
母アルアマーナ(ディープインパクト)
牡 募集価格:1600万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2022105685/
2代母オネストリーダーリンは名繁殖牝馬ニキーヤの半妹で、ディアマイダーリン(クイーン賞、フローラS-2着、フラワーC-3着)の母となりました。母アルアマーナはディアマイダーリンの4分の3姉で、現役時代に芝1800mで2勝。本馬はLiable≒オネストリーダーリン3×2。母は芝馬でしたが、現時点で444kgと牝馬にしては馬格があり、この部分は雄大な馬格を誇る父ナダルの影響でしょう。それだけに、どちらかといえばダートのほうが力を出しやすいタイプだと思われます。父ナダルは、母の父ディープインパクトと相性のいい「Danzig×Alydar」の組み合わせから成るAuroraを持ちます。この2つの血の組み合わせは上手く行くのではないでしょうか。(栗山)

■土曜東京7R1勝クラス イノセントキャット(一口・栗山)
■土曜京都6R1勝クラス ブルーペクトライト(一口&POG・望田)
■土曜小倉9R秋吉台特別 レッドエヴァンス(一口&POG・望田)
■土曜キングアブドゥルアジーズ7R1351ターフスプリント2着 ウインマーベル(一口・栗山)
■日曜京都8R1勝クラス シャハザマーン(POG・栗山)
■日曜小倉11R小倉大賞典2着 ショウナンアデイブ(ディープ・望田&栗山)

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新種牡馬の初年度産駒というのはまだ実績がないので、値付け的にはそれほど強気になれないもんで、だから一口ピックでは新種牡馬の産駒は意識的に狙いにいってますが、3歳でいうとナダルではプロミストジーンとクレーキング、ルヴァンスレーヴではブルックリンダンスとルグランヴァン、サートゥルナーリアではレッドキングリー、そしてゴールドドリームではジャナドリアをピックしています



雲取賞はジャナドリアとグランジョルノ、ゴールドドリーム産駒のワンツーでもありましたが、ともに母が非Northern Dancerクロス(ジャナドリアの母は非Northern Dancer)なのは偶然ではなく、ゴールドドリームはNureyev≒Numberの3/4同血クロス3×4ですからね、たとえばリオンディーズ×マンハッタンカフェが成功するのと同じ呼吸で考えればいいかと(Nureyev≒Sadler's Wells3×4・5のクリソベリルも然りでしょう)



阪急杯はカンチェンジュンガ、小倉大賞典はロングラン、ともに大外一気が決まりましたが、カンチェンジュンガの母クェスタボルタはAureole≒Alcide6×6・8、ロングランの母ノッテビアンカはゲイメセン4×5(Aureole≒Alcide6・7×8)、これも偶然ではないでしょう(カンチェンジュンガの全弟モンタルチーノもレースぶりをみるとAureole魂=Monsun魂疑惑あり)





サウジダービーで1人気に推されたミリアッドラヴも母父がVaguely Noble5×3のスマートファルコン師匠ですからね、これまではスピードの違いで外2から4角先頭みたいなケイバしかやってないですから、ずっと外前にシンフォーエバーがいる形で途中でイヤになってしまったような沈み方でしたよね

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第42回フェブラリーS回顧~黄金配合カナロア×ハーツ、名手が絞り出すHyperion

2025-02-25 19:49:49 | 血統予想

東京11RフェブラリーS
◎14.ミッキーファイト
○12.サンライズジパング
▲9.コスタノヴァ
△1.エンペラーワケア
△15.ガイアフォース
×6.メイショウハリオ
×11.ペプチドナイル
前売りオッズは3強という売れ方だが、日曜も東京はパサパサの良だろうから、ロードカナロア産駒で1400寄りのエンペラーやコスタよりも、エアグルーヴ牝系で1800~2000に実績があるミッキーファイトを上位視した。マイルを走るのは新馬戦以来だが、前走は555キロまで馬体が増えてうなるような行きっぷり。中間は坂路で50.9-37.1-24.0-11.5を叩き出し、マイラーとしてパワーアップ中とみる。ちなみに東京ダ1600のリステッドやオープンを勝ったドレフォン産駒はこれまで3頭いて、コンシリエーレ(552キロ、550キロ)、コンティノアール(522キロ)、デシエルト(522キロ)といずれも大型。サンライズジパングは母が名牝クードフォリー4×3、自身はストームキャット≒ロイヤルアカデミーのニアリークロス3×4で配合はA級だ。マイルは1F短いが、大跳びでコーナリングが悪いので東京はベストコース。前半は離されるだろうが豪快に追い込むとみてこれが相手。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を

コスタノヴァ
リレーションシップの3/4弟でファイアンクランツの3/4兄。母カラフルブラッサムはJRA3勝(芝1800~2000)。母母トロピカルブラッサムはミレイディBCH(米G1・ダ8.5F)3着でピイラニハイウェイの母。ロードカナロア×ハーツクライは重賞勝ち馬が何頭も出る有力ニックス。ナスペリオン的ストライドで東京の直線を確り駆ける馬で、根岸Sも欅Sも好内容だし、体型的にもベストは1400か。東京マイルも3戦3勝だが、この相手だと高速決着になったほうが分がある。(距離○スピード◎底力◎コース◎)



サンライズジパング
グランシエロの下で、ATCチッピングノートンS(豪G1・芝1600m)のContributerの甥。母母Serisiaはプシケ賞(仏G3・芝2000m)勝ち馬。英チャンピオンSのKing of Steelも近親。母サイマーは名牝Coup de Folieの4×3をもつ。大型でNijinsky的に伸びのある体型で、持続力ある末脚が武器。大箱向きの中距離馬で、コーナリングがよくないので広い東京は歓迎も、マイルのHペースだと後ろからになりそう。どこまで追い込めるか。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ミッキーファイト
ジュンライトボルトやグルーヴィットの半弟で、3代母エアグルーヴは秋天とオークスに勝ち子孫にドゥラメンテやルーラーシップなど活躍馬多数の名牝名繁殖。父ドレフォンは昨年のダートリーディングサイアーでジオグリフなどの父。この牝系のドレフォン産駒といえばデシエルトがいる。ドレフォン産駒にしては伸びがある体型で、ストライドで走るので東京はいいだろう。ベスト距離はおそらく1800で、マイルだと中団以降から差す形になるか。(距離○スピード○底力◎コース◎)



公式ラップで比較すると、昨年は12.0-10.8-11.1-11.7-12.3-12.5-12.4-12.9=1.35.7、今年は12.2-11.1-11.7-12.2-12.2-12.2-11.7-12.2=1.35.5

昨年はドンフランキーが引っ張ってイグナイターが追いかけたんですが、今年はミトノオー、サンデーファンデー、ウィリアムバローズと中距離路線の馬たちによる先導で淡々と流れた感じ

コスタノヴァはスタートはイマイチでしたが、その後のペースが速くないので難なく先行勢の直後に押し上げられたし、キングさんとしては人気薄の先行3頭はおそらく直線で止まるだろうから4角でその外に持ち出せればOK

満を持して追い出されると、ビュンと加速するというほどではなくとも、ずっと同じフォームで同じ脚色でゴールまでしっかり駆け抜けたという、実にHyperion的な好位抜け出しの勝利やったと思います

カナロア2頭は距離適性としては1400寄りという見立てやったんですが、馬体重どおり筋肉豊富なエンペラーワケア、血統どおり芝馬のような体つきのコスタノヴァ、やっぱりコスタのほうがマイルで我慢がきくんじゃないかとはパドックを見て思いましたね

仮にマイルが少し長かったとしても、許容範囲を超えたところでの踏ん張り頑張りこそがHyperionの真骨頂なのだ、ということは当ブログでは何度も書いてきたし、この大一番のテン乗りでコスタノヴァのHyperionらしさを存分に引き出したキングさんはさすがというしかなかった

「パドックで一頭あげるならばサンライズジパング」と書いておきましたが、まさに音無先生渾身の仕上げで惜しい2着でした

レースでは予想どおり後ろから、でもペースがあまり速くないのでそんなに離されずついて回れたし、そのぶん馬群が密集したのでいつものように大外を回したらロスになりそうでしたが、そこはベテラン幸が絶妙のイン差し

「ストライドで走るから大箱向き」「コーナリング加速がよくないから広いコース向き」ってなことを我々もよく書きますが、中京やといつも大外を回しつづけるしかないサンライズジパングが最内に突っ込めたのは、ようはコーナーの数とRの大きさなんですよね

ミッキーファイトも馬体重550キロどおりの肉付きで、これならマイルで追走に戸惑うことはないだろうと思われたのですが、今日のペースだとむしろ噛み気味なぐらいで、しかもずっと馬群が固まって進んだので、外枠からずっと外4を回らされることに

もうちょっと流れて縦長になったほうがレースはしやすかったかもですが、まあこれぐらいは走るだろうという想像どおりの走りは見せてくれたし、コスタノヴァの頑張りがそれ以上に素晴らしかったと称える以外にないです

<ワンターン大箱ダートマイルにおける本格的なスピードを競うレースで、最近はStorm Cat(レモンポップ、カフェファラオ、モズアスコット、レッドルゼル)とKingmambo(ペプチドナイル、レモンポップ、レッドルゼル、エアスピネル)の血が強い。スピードが出る締まった馬場だとStorm Catの軽いスピード、良馬場だとNureyevのパワーが優位、というイメージだ>

全頭血統解説の導入文ではこのように書いたのですが、直近10年のフェブラリーSにおいて、勝ち時計が1分35秒台のときは、コスタノヴァ、ペプチドナイル、レモンポップ、インティ、ゴールドドリーム、コパノリッキーと、キングカメハメハやゴールドアリュール経由でNureyevをもつ馬が勝つケースが圧倒的に多い

いっぽう高速決着となった22年(1.33.8重)、21年(1.34.4良)、16年(1.34.0重)は、カフェファラオ(連覇)とモーニン、勝ち馬はいずれもStorm CatはもつがNureyevはもたないんですよね

サンライズジパングは母サイマーが名牝Coup de Folie4×3で、自身はStorm Cat≒ロイヤルアカデミーのニアリークロス3×4と、キズナ産駒としても見どころの多い配合

同じくStorm Cat≒ロイヤルアカデミー3×4のキズナ産駒リビアングラスが先の京都記念で2着、またロイヤルアカデミー≒Storm Cat4×4のファインニードル産駒エイシンフェンサーがシルクロードSで重賞初制覇と、最近も活躍が目につくニアリークロスです

このクロスをもつ馬はStorm Cat的なスピードでダートを走るので、以下のように渋った馬場が鬼で、サンライズジパングも重賞勝ちは京都1800重のみやこSと盛岡2000稍の不来方賞で、つまるところ「Rが大きいコースの脚抜きのいい馬場」が最強だろうと

Storm Cat≒ロイヤルアカデミーをもつ馬のダ馬場状態別成績


ロードカナロア×ハーツクライはコスタノヴァ、ケイデンスコール、トロワゼトワル、ロードデルレイ、ヴァルディゼール、そして豪G1ブルーダイヤモンドS勝ちTagaloaと、計6頭の重賞勝ち馬を出しており、父ロードカナロアからみても母父ハーツクライからみても最有力のニックスといえます

いつも書くように、短距離~マイルの種牡馬には中長距離の肌を、中長距離の種牡馬には短距離~マイルの肌を、というのが配合論のイロハのイ

以下はG1勝ちカナロア産駒を母父別にソートしたもので、こうしてみると母父が短距離~マイルなのはダノンスマッシュとファストフォースとレッドルゼルぐらいで、そしてこの3頭はいずれも短距離のG1を勝ってますね

パンサラッサ(Montjeu)
ダノンスコーピオン (Sligo Bay)
ファストフォース(サクラバクシンオー)
アーモンドアイ(サンデーサイレンス)
サートゥルナーリア (スペシャルウィーク)
ブレイディヴェーグ (ディープインパクト)
コスタノヴァ(ハーツクライ)
Tagaloa(ハーツクライ)
ダノンスマッシュ(ハードスパン)
ベラジオオペラ(ハービンジャー)
ステルヴィオ(ファルブラヴ)
レッドルゼル(フレンチデピュティ)

ロードカナロアのような短距離~マイルの種牡馬は、ハーツクライやスペシャルウィークやMontjeuのような重厚な中長距離の肌に配して、マイル~中距離で成功するというのが配合論の王道なのだ、ということが理解していただけるかと思います

中長距離の肌でもディープインパクトよりはハーツクライやSadler's Wells系との配合が成功しているのは、ロードカナロアは母レディブラッサムがSecretariat=Syrian Seaの全きょうだいクロス3×4で、短距離種牡馬ながら非常に柔らかな体質をよく伝えるので、これ以上ナスキロ柔さを増幅するよりはナスペリオン的な剛性あるストライドに転化したほうがいいということでしょう

カナロア×ディープ唯一のG1馬ブレイディヴェーグはNureyev5×5をもつし、女王アーモンドアイもNureyev5×3でナスキロのクロスはもたないし、カナロア×バクシンオーの黄金配合にしても、ナスキロではなくナスペリオンで攻めているのだという見方はできますよね

コメント (2)
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