はじめに
本作品は2202はこうなるべきだったなどの批判や毀損目的で作られたものでも、旧作への回帰を唱えたものでもありません。
私自身も2202のことが好きですし、その2202をリスペクトしたうえで、「2199ルートに近かったらどうなっていたんだろう」というテレサの示した別ルートの一つであると認識してもらえると幸いです。
本作品は2202の冒頭の内容を私なりに二次創作したものです。
一連の文章の設定はアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』及び『宇宙戦艦ヤマト2202』に基づいてはおりますが、公式設定で描かれていない部分などや個人的趣向を優先したいところは、独自設定を用いています。予めご了承ください。 拙い文章ですので過度な期待はしないでください。
———無限に広がる大宇宙。静寂が光として満ちた世界。
しかし、その静寂を乱そうとする者たちがいる。
いやこの宇宙にはそんな者たちは昔からいくらでもいた。
アケーリアス、イスカンダル......挙げていたらキリがないだろう。
…...だがこの者たちはその誰もが辿り着けることのなかった場所に土足で踏み入ろうとしている。
《ガトランティア ゲイヴィン エルグ ヘーセン エンディ ヘムジュ エルゼ ヴェステ ヘッハ》と報告を受ける。
モニターには水色の綺麗な惑星が投影されている。これからこの星が地獄になろうとは誰も信じないだろう。
「大帝。テレザート星域へ侵入しました。」と丞相と呼ばれるサーベラーは、大帝に報告する。
豪勢なパイプオルガンを背に向け、玉座に座る鸚緑色の肌で白髪の貫禄のある、大帝と呼ばれた男は僅かに笑い、指示を出す。
「ゴーランドに告げよ。艦隊をテレザートに差し向けるのだ。」と
「これで伝説のテレサの力をも我が手に.....」と大帝は呟く。
「誇り高き火遁の戦士ゴーランドよ。大帝の命は下った。テレザートへ艦隊を下せ。」とサーベラーはゴーランドに指示を出し、
《はっ。》とホログラムのモニターに映るゴーランドは礼をする。
進路にある邪魔な惑星のもの奪いつくし、科学者のみを奴隷として捕縛したのち、粉々に惑星を粉砕する。
数多の文明を滅亡に追いやり、生命の営みをことごとく破滅に追いやった、この白色の彗星から次々と不気味に橙色の目玉のような光が輝く艦影が現れる。
幾つかは、艦首に白い巨大なミサイルを携えて、幾つかは、カブトガニを彷彿とさせるフォルムの戦闘機を甲板に搭載して。
「全艦大型墳進弾発射用意。」とゴーランドは指示を出す。
軌道上に並んだ大型ミサイル艦は艦首のミサイルの発射体制を整える。
「放て!」という号令とともにミサイルは煙を吹きながらテレザートの大気圏へと入っていく。そしてそのミサイルは大気圏で溶けることなくテレザートの寺院がある島嶼部を焼き払う。
焼き払われた大地には巨大なクレーターが残り、岩は溶け、赤黒い溶岩と化している。
しかし寺院の竪穴は残されている。
空母から発艦した戦闘機のパイロンから打ち出された機械人形がこの竪穴に虐殺の為に這入っていく。
機械人形の腕からは血のように紅い槍が飛び出し、寺院の奥の女神を守護せんとする僧侶たちを情け容赦なく貫いていく。
虐殺の文法がプログラムに書き込まれた機械人形に慈悲などない。そして彼らにも。
血生臭い洞窟に多脚戦車が突入する。
戦車の足はただ冷酷に守護者を踏みつぶしていく。
足は紅く染まり、骨が砕け散る。
「虚しい......実に虚しいものだ......。彼らの命に何の意味があったというのだ。」と機械人形のカメラから送られる虐殺の映像を眺めながら大帝は嘲笑う。
機械人形は最深部に通じる扉を見つけるが、その扉は固く閉ざされ、機械人形如きでは開けれるような代物ではない。
多脚戦車は脚を地面に突き刺し姿勢を固定して主砲の発射体制に入る。
主砲の陽電子砲は勢いよく火を噴き、固い扉をまるで粘土かのように破壊する。
砲身冷却用の水が蒸発した蒸気と、扉を薙ぎ払った際に生じた砂埃が辺り一面を覆う。
奥から「死は終わりに非ず」と老若男女、立てこもっていた僧達の唱和が聞こえる。
しかし機械の耳に念仏は無意味だと言わんばかりに機械人形は紅い槍を守護者たちを正確に狙い、放つ。
多脚戦車に乗り込んでいた血気盛んな戦士たちがテレザートの大地に降り立つ。
上陸の後、槍の射出のエネルギーが切れた機械人形達は最深部を後にし、ここは戦士たちと守護僧だけになった。
「アクエリアースの魂たちよ...!契約の時は来たり。テレサは脅かされています。聖殿を警護し、女神を守り給え。我らが先祖への役目を果たすのだ…」と僧の奥に守られていた長老は言う。
すると僧の奥から仮面を被り、光る、まるで魔法のような剣を手にした者たちが現れる。
皆持ち方はそれぞれ違い、刀を持つ者や、双剣で立ちはだかる者もいた。
「漸く来やがったか、守り人ども.....」と鉄の剣を手にした戦士、ザバイバルは呟く。
「手出し無用!守り人共は俺が殺す。お前らは僧侶を蹴散らせ。」とザバイバルは同じく戦車に乗り込んでいた甲冑を来た戦士に言う。
「我が名は修羅の戦士ザンツ・ザバイバルなり!さあ守り人よ!来い!」
守り人達は剣を構え、ザバイバルに突撃する。
鉄と光が交差する。一つの大きな剣で四人の守り人を相手にしているが、それを物ともせず、全員を弾き飛ばす。
「こんなものなのか。女神の守り人というものは。」とつぶやくのも束の間、双剣使いが軽い身のこなしでザバイバルに襲い掛かる。ザバイバルの喉元に双剣を突き立てたが、ザバイバルが得意とするのは剣術だけではない。格闘術においても彼は帝国一と名高く、双剣使いはあっという間に剣を突き放し、身体を粉砕する。双剣使いの身体は投げ捨てられ、紅い血が滴っている。
ザバイバルは、双剣使いの使っていた光の剣を拾い上げ、独自のスタイルで構える。
実戦では教科書通りというのは通じない。
残り三人の守り人は分散し、各個で攻撃してくる。
彼らの動きはザバイバルほどではないとはいえども洗練されており、最深部の聖殿を警護するに値するとザバイバルは評価する。
三人の連携はしつこく、剣を刀のように使うリーダー、ダブルブレードで攪乱をする一人、そして短剣で執拗に急所を狙う一人。
「見事だ。」と呟く
するとダブルブレード持ちが、いきなりザバイバルの巨体を天高く跳ばす。
そして短剣持ちが下から狙おうとしてくる。
しかし、足元も死角だと思うか?とザバイバルは靴に仕掛けた刃を突き立て、短剣持ちの仮面を突き刺し、地面に叩き付ける。
そのころには他の戦士の僧侶の虐殺も終わり、あと生きているのは、この二人の守り人であった。
「さあ.....終わりにしようぞ。守り人よ。」と言った瞬間、脚に何かが突き刺さる。
短剣使いが最後の最後で傷を与えてきたのだ。だがザバイバルにとってこのような傷はどうという事はない。彼にとって死以外は掠り傷なのだ。
ザバイバルは元の鉄の剣を取り、構える。やはりこの重さだ。
この重さこそが武器である。
ダブルブレード使いは態勢を整え、ザバイバル目指して突っ込んでくる。
——甘い。と剣で弾き返す。
しかしこの守り人は剣を捨て素手でザバイバルの顔面目掛けて拳で殴る。
「こう来たか」とザバイバルは胸元のナイフを取り、守り人の心臓を確実に突き刺す。
守り人は紅い血を吹き出し倒れる。
最後の刀使いは三人とはまるで違い、堅実に、だが確実にザバイバルを狙っている。
長い戦いであった。互いに一歩も譲らず、ただ剣で語り合う。
刀は剣とはじきあい、金属の音が響く。
しかし刀使いも体力的に尽きてきたようで、だんだん動きも鈍くなっている。
「終わりだ」とザバイバルは刀使いに剣を振り落とし、鮮血が飛び散る。
「お主とは敵《カタキ》ではなく良き戦友として出会いたかったものだ。」とザバイバルは呟く。
《大帝。守護者たちを片づけました。》とザバイバルは報告する。
「うむ。」
そしてそれから少し経ち、大帝は最深部の大地に降り立る。
「ここに来るまで、長くかかった。」と感慨深く呟く大帝にザバイバルは辞儀をする。
伝説の星、テレザート。
テレサの住まう星、テレザート。
大帝は絡みつく木の枝に押し上げられたように空中に漂う聖殿を前にする。
「いでよ、テレサ!」
「見ておるのだろう?姿を現せ!」と大帝は両手を広げ、テレサに呼びかける。
「おぉ....」と共に上陸した重臣やザバイバル達がどよめく。
彼らはテレサのことを己と近い姿として脳内に投影している。
「祈りをささげる女神のような存在.......あれがテレサだと言うのか...」とザバイバルは呟く。
しかしその中でも特に歳を取った、仮面の男はこう呟く。
「あの姿はいわばこの宇宙に映された影、虚像でありテレサそのものがこの次元に現れているわけではありませぬ。しかし、テレサそのものをこの次元に表すことができれば.....」
と言ったところで大帝は制止する。
「儂には時間はある。じっくり引き摺り出してやろう。この女神を。」と大帝は口元を僅かに歪めながら言い、この寺院を後にする。
アケーリアスの実験は進んでいる。
そうだ。これからが空集合の内に記された物語だ。
このことをまだ地球人、いやガミラス人もイスカンダル人であろうとも、知ることはできない。
本作品は2202はこうなるべきだったなどの批判や毀損目的で作られたものでも、旧作への回帰を唱えたものでもありません。
私自身も2202のことが好きですし、その2202をリスペクトしたうえで、「2199ルートに近かったらどうなっていたんだろう」というテレサの示した別ルートの一つであると認識してもらえると幸いです。
本作品は2202の冒頭の内容を私なりに二次創作したものです。
一連の文章の設定はアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』及び『宇宙戦艦ヤマト2202』に基づいてはおりますが、公式設定で描かれていない部分などや個人的趣向を優先したいところは、独自設定を用いています。予めご了承ください。 拙い文章ですので過度な期待はしないでください。
———無限に広がる大宇宙。静寂が光として満ちた世界。
しかし、その静寂を乱そうとする者たちがいる。
いやこの宇宙にはそんな者たちは昔からいくらでもいた。
アケーリアス、イスカンダル......挙げていたらキリがないだろう。
…...だがこの者たちはその誰もが辿り着けることのなかった場所に土足で踏み入ろうとしている。
《ガトランティア ゲイヴィン エルグ ヘーセン エンディ ヘムジュ エルゼ ヴェステ ヘッハ》と報告を受ける。
モニターには水色の綺麗な惑星が投影されている。これからこの星が地獄になろうとは誰も信じないだろう。
「大帝。テレザート星域へ侵入しました。」と丞相と呼ばれるサーベラーは、大帝に報告する。
豪勢なパイプオルガンを背に向け、玉座に座る鸚緑色の肌で白髪の貫禄のある、大帝と呼ばれた男は僅かに笑い、指示を出す。
「ゴーランドに告げよ。艦隊をテレザートに差し向けるのだ。」と
「これで伝説のテレサの力をも我が手に.....」と大帝は呟く。
「誇り高き火遁の戦士ゴーランドよ。大帝の命は下った。テレザートへ艦隊を下せ。」とサーベラーはゴーランドに指示を出し、
《はっ。》とホログラムのモニターに映るゴーランドは礼をする。
進路にある邪魔な惑星のもの奪いつくし、科学者のみを奴隷として捕縛したのち、粉々に惑星を粉砕する。
数多の文明を滅亡に追いやり、生命の営みをことごとく破滅に追いやった、この白色の彗星から次々と不気味に橙色の目玉のような光が輝く艦影が現れる。
幾つかは、艦首に白い巨大なミサイルを携えて、幾つかは、カブトガニを彷彿とさせるフォルムの戦闘機を甲板に搭載して。
「全艦大型墳進弾発射用意。」とゴーランドは指示を出す。
軌道上に並んだ大型ミサイル艦は艦首のミサイルの発射体制を整える。
「放て!」という号令とともにミサイルは煙を吹きながらテレザートの大気圏へと入っていく。そしてそのミサイルは大気圏で溶けることなくテレザートの寺院がある島嶼部を焼き払う。
焼き払われた大地には巨大なクレーターが残り、岩は溶け、赤黒い溶岩と化している。
しかし寺院の竪穴は残されている。
空母から発艦した戦闘機のパイロンから打ち出された機械人形がこの竪穴に虐殺の為に這入っていく。
機械人形の腕からは血のように紅い槍が飛び出し、寺院の奥の女神を守護せんとする僧侶たちを情け容赦なく貫いていく。
虐殺の文法がプログラムに書き込まれた機械人形に慈悲などない。そして彼らにも。
血生臭い洞窟に多脚戦車が突入する。
戦車の足はただ冷酷に守護者を踏みつぶしていく。
足は紅く染まり、骨が砕け散る。
「虚しい......実に虚しいものだ......。彼らの命に何の意味があったというのだ。」と機械人形のカメラから送られる虐殺の映像を眺めながら大帝は嘲笑う。
機械人形は最深部に通じる扉を見つけるが、その扉は固く閉ざされ、機械人形如きでは開けれるような代物ではない。
多脚戦車は脚を地面に突き刺し姿勢を固定して主砲の発射体制に入る。
主砲の陽電子砲は勢いよく火を噴き、固い扉をまるで粘土かのように破壊する。
砲身冷却用の水が蒸発した蒸気と、扉を薙ぎ払った際に生じた砂埃が辺り一面を覆う。
奥から「死は終わりに非ず」と老若男女、立てこもっていた僧達の唱和が聞こえる。
しかし機械の耳に念仏は無意味だと言わんばかりに機械人形は紅い槍を守護者たちを正確に狙い、放つ。
多脚戦車に乗り込んでいた血気盛んな戦士たちがテレザートの大地に降り立つ。
上陸の後、槍の射出のエネルギーが切れた機械人形達は最深部を後にし、ここは戦士たちと守護僧だけになった。
「アクエリアースの魂たちよ...!契約の時は来たり。テレサは脅かされています。聖殿を警護し、女神を守り給え。我らが先祖への役目を果たすのだ…」と僧の奥に守られていた長老は言う。
すると僧の奥から仮面を被り、光る、まるで魔法のような剣を手にした者たちが現れる。
皆持ち方はそれぞれ違い、刀を持つ者や、双剣で立ちはだかる者もいた。
「漸く来やがったか、守り人ども.....」と鉄の剣を手にした戦士、ザバイバルは呟く。
「手出し無用!守り人共は俺が殺す。お前らは僧侶を蹴散らせ。」とザバイバルは同じく戦車に乗り込んでいた甲冑を来た戦士に言う。
「我が名は修羅の戦士ザンツ・ザバイバルなり!さあ守り人よ!来い!」
守り人達は剣を構え、ザバイバルに突撃する。
鉄と光が交差する。一つの大きな剣で四人の守り人を相手にしているが、それを物ともせず、全員を弾き飛ばす。
「こんなものなのか。女神の守り人というものは。」とつぶやくのも束の間、双剣使いが軽い身のこなしでザバイバルに襲い掛かる。ザバイバルの喉元に双剣を突き立てたが、ザバイバルが得意とするのは剣術だけではない。格闘術においても彼は帝国一と名高く、双剣使いはあっという間に剣を突き放し、身体を粉砕する。双剣使いの身体は投げ捨てられ、紅い血が滴っている。
ザバイバルは、双剣使いの使っていた光の剣を拾い上げ、独自のスタイルで構える。
実戦では教科書通りというのは通じない。
残り三人の守り人は分散し、各個で攻撃してくる。
彼らの動きはザバイバルほどではないとはいえども洗練されており、最深部の聖殿を警護するに値するとザバイバルは評価する。
三人の連携はしつこく、剣を刀のように使うリーダー、ダブルブレードで攪乱をする一人、そして短剣で執拗に急所を狙う一人。
「見事だ。」と呟く
するとダブルブレード持ちが、いきなりザバイバルの巨体を天高く跳ばす。
そして短剣持ちが下から狙おうとしてくる。
しかし、足元も死角だと思うか?とザバイバルは靴に仕掛けた刃を突き立て、短剣持ちの仮面を突き刺し、地面に叩き付ける。
そのころには他の戦士の僧侶の虐殺も終わり、あと生きているのは、この二人の守り人であった。
「さあ.....終わりにしようぞ。守り人よ。」と言った瞬間、脚に何かが突き刺さる。
短剣使いが最後の最後で傷を与えてきたのだ。だがザバイバルにとってこのような傷はどうという事はない。彼にとって死以外は掠り傷なのだ。
ザバイバルは元の鉄の剣を取り、構える。やはりこの重さだ。
この重さこそが武器である。
ダブルブレード使いは態勢を整え、ザバイバル目指して突っ込んでくる。
——甘い。と剣で弾き返す。
しかしこの守り人は剣を捨て素手でザバイバルの顔面目掛けて拳で殴る。
「こう来たか」とザバイバルは胸元のナイフを取り、守り人の心臓を確実に突き刺す。
守り人は紅い血を吹き出し倒れる。
最後の刀使いは三人とはまるで違い、堅実に、だが確実にザバイバルを狙っている。
長い戦いであった。互いに一歩も譲らず、ただ剣で語り合う。
刀は剣とはじきあい、金属の音が響く。
しかし刀使いも体力的に尽きてきたようで、だんだん動きも鈍くなっている。
「終わりだ」とザバイバルは刀使いに剣を振り落とし、鮮血が飛び散る。
「お主とは敵《カタキ》ではなく良き戦友として出会いたかったものだ。」とザバイバルは呟く。
《大帝。守護者たちを片づけました。》とザバイバルは報告する。
「うむ。」
そしてそれから少し経ち、大帝は最深部の大地に降り立る。
「ここに来るまで、長くかかった。」と感慨深く呟く大帝にザバイバルは辞儀をする。
伝説の星、テレザート。
テレサの住まう星、テレザート。
大帝は絡みつく木の枝に押し上げられたように空中に漂う聖殿を前にする。
「いでよ、テレサ!」
「見ておるのだろう?姿を現せ!」と大帝は両手を広げ、テレサに呼びかける。
「おぉ....」と共に上陸した重臣やザバイバル達がどよめく。
彼らはテレサのことを己と近い姿として脳内に投影している。
「祈りをささげる女神のような存在.......あれがテレサだと言うのか...」とザバイバルは呟く。
しかしその中でも特に歳を取った、仮面の男はこう呟く。
「あの姿はいわばこの宇宙に映された影、虚像でありテレサそのものがこの次元に現れているわけではありませぬ。しかし、テレサそのものをこの次元に表すことができれば.....」
と言ったところで大帝は制止する。
「儂には時間はある。じっくり引き摺り出してやろう。この女神を。」と大帝は口元を僅かに歪めながら言い、この寺院を後にする。
アケーリアスの実験は進んでいる。
そうだ。これからが空集合の内に記された物語だ。
このことをまだ地球人、いやガミラス人もイスカンダル人であろうとも、知ることはできない。
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