ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第85回」

2009-01-24 |   ビタペクト配布活動
 2009年最初の配布活動となりました。
 1月23日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第85回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト2を5個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1556個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1240部となりました。
  
 今回で通算95目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数になりますが、現時点で1556人分のビタペクト2、そして1240家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by




 今回はピンスク州ソシノ村(チェルノブイリ原発から約270キロ)から、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第1回」や「チェルノブイリ被災児マリーナさんとウラジーミル君の治療支援活動」で、今まで支援を続けてきた一家が保養のためSOS子ども村に滞在していました。

 表皮水泡症という難病と戦ってきたマリーナさんとウラジーミル君の現在の病状などは、改めてご報告します。ここでは体内放射能値測定結果についてご報告します。

 (この兄弟への支援活動について詳しくはこちらです。)

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第1回」

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2003/index.html


「チェルノブイリ被災児マリーナさんとウラジーミル君の治療支援活動」第1回と第2回

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/mv/index.html


ソシノ村へのビタペクト2配布活動報告についてはこちらをご覧ください。
第1回 2003年10月

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2003/s-no1.html


第2回 2004年

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2004/so_no2.html


チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第42回」
「チェルノブイリ被災児マリーナさんとウラジーミル君の治療支援活動」第3回

http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2006/002.html



「チェルノブイリ被災児マリーナさんとウラジーミル君の治療支援活動」第4回 (HP「ベラルーシの部屋 レポート」2007年4月18日過去ログ)

http://belapakoi.s1.xrea.com/x/repo/hobby_book.cgi



 今回マリーナさんとウラジーミル君のお母さんは自分の子ども二人(ウラジーミル君とオーリャちゃん)とブレスト市に住む孫娘、ソシノ村の子どもたち5人を引率して保養滞在していました。
 検査結果はこのとおりです。(○印がついている子どもにビタペクト2を渡しました。)

母親(事故発生時25歳)24ベクレル
ウラジーミル君(17歳)25ベクレル ○
オーリャちゃん(12歳)25ベクレル ○
孫娘(7歳) 24ベクレル ○
男子(17歳)11ベクレル
女子(17歳)15ベクレル
女子(17歳)16ベクレル
女子(15歳)19ベクレル ○
女子(13歳)22ベクレル ○

 15歳と13歳の女の子は姉妹です。
 お母さんにお話を聞いたところ、ウラジーミル君が表皮水泡症である以外は、慢性病を抱えている子どもはいないそうです。
 ただ孫娘ちゃんは痩せていて顔色が悪かったです。
 SOS子ども村へ保養に行くことになり、大喜びで列車に乗ったら、子どものうち1人がインフルエンザを発病。次々にかかって、最後にお母さんの順番がきて、やっと治ったところへ私がやってきた・・・ということでした。
 でもお母さんと17歳の男の子はまだ目が熱っぽかったです。
 ベラルーシもインフルエンザが流行って、あちこちで学校閉鎖になっています。(うーん、怖い!)

 子どもたちは年長の子どもが多かったので、いろいろ話をしましたが、子供自身は元気でも、家族、特に親の世代に、死亡、病気や手術が多く、(心臓病や腎臓病、高血圧など)大変な様子でした。
 ソシノ村は放射能値が高い地域にあるので、それが影響している可能性があります。
 こんな村がベラルーシ中にどれだけたくさんあるのでしょうか。

 さて、この一家には協力してもらって、体内放放射能値の追跡調査を行っています。今までの測定結果はこのとおりです。

 2003年2月に1回目の測定。
 結果は、マリーナさん31ベクレル、ウラジーミル君20ベクレル、オーリャちゃん35ベクレル、母親20ベクレル。
 2003年3月に1回目のビタペクト2摂取。

 2003年7月に2回目の測定。
 結果はマリーナさん0ベクレル、ウラジーミル君8ベクレル、オーリャちゃん0ベクレル、母親0ベクレル。

 2003年10月に2回目のビタペクト2摂取。

 2004年10月に3回目のビタペクト2摂取。

 2006年2月に第3回目の測定。
 結果はマリーナさん27ベクレル、ウラジーミル君22ベクレル、オーリャちゃん10ベクレル、母親15ベクレル。
 2006年2月に4回目のビタペクト2摂取。

 2007年4月に第4回目の測定。
 結果はマリーナさん0ベクレル、ウラジーミル君0ベクレル、オーリャちゃん0ベクレル、母親15ベクレル。

 そして今回2009年1月に第5回目の測定。
 結果はウラジーミル君25ベクレル、オーリャちゃん25ベクレル、母親24ベクレル。(マリーナさんは測定せず。)
 そして2009年1月現在、5回目のビタペクト2摂取中・・・。

 今回は残念な結果となりました。やはりビタペクト2を飲んでから1年ぐらいは大丈夫なのですが、2年以上間が空くと元通りの結果になってしまいます。
 ソシノ村の食べ物が放射能汚染されていて、それを食べ続けているかぎりは同じことの繰り返しになっています。ウラジーミル君は牛乳が大好きで、毎日たくさん飲んでいるそうなのですが、ピンスク地区の牛乳は1リットルあたり100ベクレルの放射能を含んでいる、というデータがベルラド研究所にあります。
 比較的汚染されていない地域へ引越しすればいいのかもしれませんが、そんなことは簡単にできません。
 ビタペクト2が国家レベルのプロジェクトとなり、国民全員が無理でも、未成年者への1年に1回の摂取を義務付けるぐらいになれば、ベラルーシ人の健康レベルも飛躍的によくなるのでしょうが・・・

 今回も子ども達に折り紙や日本人の竹細工職人の方に寄贈してもらった竹で作られた知恵の輪、絵葉書をプレゼントしました。
 日本からのプレゼントにみんな大喜びでした。意外に知恵の輪が一番人気がありますね。今回は特に年齢の大きい子どもが多かったので、知的なおもちゃに目が入ってしまうのかもしれません。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、手作りの竹細工を寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。